犬の腸閉塞の予防策や起こった場合の応急処置と検査法と治療法
犬の腸閉塞の対処方法を見ていきましょう。
先ずは予防策ですね。
続いて腸閉塞が起こった際の応急処置と検査法。
さらに腸閉塞と確定した場合の治療法を紹介します。
犬の腸閉塞の予防策
予防策を立てるためには、犬が腸閉塞になる原因をしっかり把握することが大切な前提となります。
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犬が腸閉塞になる一番の原因が異物誤飲であり、次に癌やヘルニアなどの病気からの影響です。
このため、腸閉塞を抑えるための薬があったりするわけではありません。
予防策はひとえに愛犬に、腸に詰まる恐れのある異物を拾い食いさせないことです。
したがって、床など愛犬が届いてしまう箇所に異物を置かない、またゴミなどが落ちていないように掃除するということに注意を払うのが予防策となります。
また、散歩などで拾い食いしないしつけを行うこともオススメな予防策です。
あと注意するのが、与えるおもちゃ。
一人遊びさせる場合には、飲み込めない大きさのおもちゃを与える、口の中に入るサイズのおもちゃの場合は、飼い主さんが目を離さず注意を払うなどの対策も有効です。
また、ヘルニアが悪化して腸閉塞を起こすケースもあるため、放置することなくしっかり治療することも大切です。
あと考えられる予防法は、ワクチンを接種すること。
犬ジステンパーウイルスや犬パルボウイルス、フィラリアなどからも腸閉塞が引き起こされるため、ワクチンは有効な予防策といえます。
ただしワクチンの接種は、腸閉塞の予防というわけではなく、行っておくのが飼い主さんの絶対の役目といえます。
犬の腸閉塞の応急処置方法
腸閉塞自体の病気を応急処置で抑えることはできないため、愛犬に腸閉塞の疑いがあるケースでは、とにかく至急動物病院へ連れていくことが大切です。
ただし問題は、愛犬に嘔吐症状があり、嘔吐物が気道に詰まってしまい窒息してしまうことです。
このため、気道に嘔吐物が詰まったケースでは、応急処置を行う必要があります。
口の中を覗いて、嘔吐物が見える位置に詰まっていれば、ピンセットで取り出してあげましょう。
ただし無理は禁物、愛犬が暴れてしまうことも多く、ピンセットで傷つけてしまうことも多いため、注意が必要です。
嘔吐物が見えないケースやピンセットが上手く使えない場合は、小型犬であれば逆さまにして背中を叩く、また横に寝かせた状態で、肋骨の下の部分を軽く押しあげるような応急処置方法を知っておくべきです。
なお異物は、胃を通り過ぎて腸に入った場合には、もはや吐き出させることは出来ません。
最近はネットなどで、オキシドールや食塩水を使って異物を吐きださせる方法が紹介されています。
しかし素人療法は、危険度の方が高いといえます。
万一悪化させてしまえば取り返しがつきません。
オキシドールを使ったりして、重度の胃炎を起こしていたりするケースもあるようです。
下手に自分でそのような処置をしている暇があれば、動物病院にいくらでも到着できてしまいます。
やはり専門家に任せるのが一番安心で安全だと理解しておきましょう。
犬の腸閉塞の検査法
犬が腸閉塞になった疑いがあるケースでの検査方法は、レントゲンを撮り、異常を確認するX線造影検査を行います。
それに加えて状態によっては、血液検査を行って確認することになります。
犬の腸閉塞の治療法
腸閉塞になった場合、自然治癒は望めない病気のため、一般的には内視鏡による手術か、あるいは開腹による手術が実施されます。
内視鏡による手術を行うケースは、比較的症状の軽い腸閉塞に適応される手術であり、線状の異物などのように、内視鏡によって異物を掴み引き出すことができる場合に行われます。
開腹しない分、犬の身体への負担が軽くなり、回復も早いため、内視鏡による手術が可能であればおすすめです。
一方開腹による手術は、内視鏡手術には適応できないないケースで行うこととなります。
開腹手術を行うことで、腸に詰まってしまった異物を取り除いたり、腸の中を整えることができます。
手術の成功率は約90%と高いものとなりますが、どうしても閉塞してからの時間経過が長い場合は、合併症を起こす可能性も高まり予後が悪くなるため、早期治療が最も重要といえます。
また、他の病気が併発しているようなケースでは問題が生じてしまいます。
腸閉塞の手術後は、1日はまったく水を飲むこともできません。
さらに2~3日は、食事が不可です。
このため、この間は点滴により脱水症状や栄養不足を防ぐこととなります。
その後流動食から与えていき、通常の入院期間は5日間程度となります。
獣医師の指示に従い、徐々に通常の食事に戻していくこととなります。
また、退院後も2週間程度は、投薬を続ける必要があります
なお、気になる腸閉塞の手術費は入院費を含め、病院によって差が生じるため、10万円~30万円と幅があり結構高額になります。
このように、愛犬が病気になることに備え、ペット保険に加入することも検討すべきといえます。
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