犬の甲状腺癌のステージ別症状と手術後の予後を決定する2種類の腫瘍

 

犬の甲状腺癌は、犬の癌の種類の中では発生率の低い先ずらしいタイプの癌といえます。

喉、呼吸器に近い場所の癌のため、肺がんと同様に、悪化すると呼吸が苦しくなってしまいます。

また、甲状腺癌の場合、癌細胞がリンパ節に転移しやすく、そうなると脳など全身に癌が転移してしまします。

特に甲状腺癌の場合、2種類のタイプがあり、手術後の予後が異なります。

今回は、犬の甲状腺癌のステージ別症状と、手術後の予後を決定する2種類の腫瘍について紹介します。

 

犬の甲状腺癌の予後を決定する2つの種類

 

犬の場合、癌にかかった場合、その多くが悪性腫瘍であるため、若いワンちゃんであれば手術後で癌を摘出することとなります。

この場合、犬の甲状腺癌のケースでは、タイプが2種類に分かれそのタイプにより、術後の状態が左右されます。

 

1.非浸潤性(可動性)甲状腺癌、腫瘍

癌や腫瘍が被包された状態の小型の腫瘍であり、甲状腺内部に留まっています。

このタイプの癌であれば、外科手術によって切除が可能であり、術後も良好です。

 

2.浸潤性甲状腺癌、腫瘍

発生した場所である甲状腺から外の組織へ溢れ出しています。

このため、浸潤性の場合は完全に癌、腫瘍を取り除くことが不可能であり、術後の経過は良くありません。

 

ステージ別症状と手術の仕方

 

「初期症状」

甲状腺癌の初期症状とは、ステージ1~2の段階であり、癌が甲状腺内にとどまっている状態を刺します。

首に硬いシコリができてきますが痛みはなく、そのしこりを飼い主さんがすぐに発見できた場合は、初期症状と言えます。

息がしにくくなったり、むせるなどの症状が見られます。

また、血痰が出ることもあります。

この状態であれば、まだ他の臓器や、リンパ節に転移していないため、手術によっての切除が可能であり、再発率も低いといえます。

術後の余命は2~3年程度が多いとされますが、経過が良好であれば寿命をまっとうして生きられる場合も少なくないと言われています。

「手術費用」

初期症状での手術の場合、腫瘍が甲状腺内にとどまっている状態のため、単純に腫瘍を除去するだけの手術となり、比較的低額の費用ですみます。

しかし、犬種のサイズや動物病院によっても費用の差がかなり生じます。

初期症状であれば、総額で5万円~10万円程度が通常金額と思えますが、動物病院によってはその倍の20万円程度も請求されるケースもあります。

10万円を超える金額の見積もりになる場合は、他の病院でも確認してみるのがおすすめです。

 

「中期症状」

中期症状はステージ3の状態であり、残念ながら甲状腺癌がリンパ節に転移している状態となります。

このため、リンパ液や血液を通して、体中に癌細胞が広がってしまっています。

主な症状は以下の通りです。

主な症状
・元気がなくなり寝てばかりになってくる

・散歩や運動を嫌がる

・疲れやすくなる

・食欲の変化が見られないのに急に太り出す

・反応が鈍くなる

・寒がりになりよく震えている

・毛並みや毛艶が悪くなり、毛がよく抜ける

・左右対称の脱毛が生じる

・喉にグリグリしたしこりがある

・喉の下側から胸にかけてデキモノができる

・脱毛箇所に黒い色素沈着が生じる

このように、老化現象を感じさせるようなさまざまな症状が起こってきます。

 

転移が始まっている状態のため、甲状腺癌自体を手術をしても他の箇所が癌に侵されてしまし、再発することも多くなります。

術後の余命は、良くても1~2年程度とされています。

「手術費用」

中期症状での手術の場合、他の臓器にまで転移している場合、大がかりな手術になってしまいます。

そのため、安くて20万円以上は最低かかります。

もちろんその時の癌の進み具合などの状況によっては、高い場合は100万円を超える可能性もあり得ます。

手術費用は、甲状腺癌の進行具合や転移による手術の規模などで、かなりの広範囲なばらつきが生じると考えてください。

なお、癌の状態が中期になっていると、転移状況では手術を断念するように言われることもあります。

また、老犬の場合、体力的に手術や全身麻酔のリスクに耐えられない可能性も高まります。

またさらに、甲状腺を全摘出したケースでは、甲状腺ホルモンを一生与え続ける必要も生じ、このような薬代もかかってきます。

このため中期症状の場合、免疫療法や食事療法となる場合も多くなってきます。

オススメの犬の癌に効果がある療養食を紹介します。

 

「みらいのドッグフード「特別療法食G」」



みらいのドッグフード「特別療法食G」は、犬のガンや腫瘍に対応した、最新動物臨床栄養学をもとに作られ、高タンパク質、糖質制限、高脂質、オメガ3脂肪酸を取り入れた特別療法食です。

犬の死因の半数以上が癌(腫瘍)で亡くなっている現実に目を向け、癌になる前も後も自然治癒力を維持する力を育むことを目標として作られました。

「森製製薬会社」・「獣医師」・「栄養管理士」がタッグを組んで作った最先端ドッグフード(特別療法食)との評判が高まっています。

品質にこだわりを持って作られており、その分高価格フードとなってしまっていますが、犬の癌・腫瘍対策について徹底的に研究されて作られたフードに仕上がっています。

紅豆杉を配合することで、ガン細胞だけを攻撃して死滅させる働きを持たせています。

10種類のスーパーキノコも有効です。

最大の特徴が「亜麻仁油」の振りかけであり、麻仁油は腫瘍のケアに最適な成分とされ、豊富に含むオメガ3脂肪酸によりαリノレン酸を補給し、血液をサラサラにする効果が期待できます。

みらいのドッグフード「特別療法食G」は、漢方やマクロビ食材を使用し、なんとマクロビ発酵素材 46 種類もの栄養素を使用した無添加の薬膳入り国産ドッグフードです。

 

「犬心ドッグフード「元気キープ」」

犬のがん 掲載バナー

犬心「元気キープ」は、LPSの配合量認定を受けた「犬のがん・腫瘍対応」の栄養基準を満たした世界初の人も食べられるナチュラル療法食のドッグフードです。

2015年の発売から継続して、2018年5月時点で7,000頭を突破し、1度購入した方のリピート率は87%以上を誇っています。

犬心シリーズは、副産物などは一切不使用で、危険な無添加にこだわっており、人間も食べられるほど高品質な食材でヒューマングレイドなため、安全性は高く安心できるドッグフードです。

また犬心は、市販の一般的なドッグフードとは一線を引き異なり、疾患に対応した専門の“療法食”として販売されています。

そのため、やや価格が高めとなりますが、この値段は納得可能で仕方がないかもしれませんね。

 

「末期症状」

末期症状はステージ4の状態であり、既に癌が遠隔転移しており、他の全身の臓器にも癌が発生している状態です。

この状態まで進んでしまうと、例え若いワンちゃんであっても、手術不可能な状態となります。

このため痛みを抑える緩和療法中心の治療となります。

もはや延命治療というよりも、愛犬の生きている間の生活の質(QOL)をできるだけ高めてあげてあげることが重要になってきます。

犬の甲状腺癌は、肺がんと同様に悪化してしまうと呼吸自体が困難となり、息をすることがもはや苦しく、窒息に近い状態となるため、とても苦しいものとなってしまいます。

このため、末期段階ともなれば、薬などで少しでも愛犬の呼吸を楽にしてあげることが望まれます。

犬の甲状腺癌は、とても愛犬の様子が苦しく見えてしまう癌のため、思わず安楽死を選択する飼い主さんも多くいます。

安楽死については賛否両論ありますが、私は安楽死は反対の立場といえます。

犬の肺がんの記事でも述べましたが、私は未だに先代の愛犬のミニチュアシュナウザーのキャンディを看取った時の場面が目に浮かんできます。

最後は随分苦し気な状態となっており、意識も朦朧としていましたが、キャンディの体を優しくさすって声掛けしていると、ときたま薄目を空けて嬉しそうに私を眺めてくれる時に、やはり安楽死させるより残り少ない時間を最後まで一緒に過ごすことこそが、キャンディも望んでおり、一番幸せなのではないかと感じました。

たとえ意識が無いように感じても、大好きな飼い主さんの優しい声は必ず愛犬の心に届いているはずです。

見ていられない辛い状態に感じられても、一緒に頑張って寄り添ってあげる事こそが、飼い主さんの務めであり、愛犬もそれを望んでいるに違いありません。

愛犬と出来る限り一緒に過ごしてあげ、無理のない生活を送らせてあげるようにして、少しでも楽しい思い出作りをしてあげましょう。