犬の角膜炎の予防法や治療法!おすすめの点眼薬と手術費用

 

今回は、犬の角膜炎に有効な予防法や治療法を紹介します。

また、犬の角膜炎の治療法として有効なおすすめの点眼薬と、気になる手術費用を紹介します。

 

犬の角膜炎の予防法

 

犬の角膜炎を予防するためには、まずは原因をしっかり把握することが大前提となります。

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犬の角膜炎は、異物が目に入って起こることが多いため、散歩時に無暗に草むらなどに愛犬を入れないように注意すべきです。

また、逆さまつ毛に注意し、目の周りの毛をきちんとカットして、毛が入らないように予防することが有効です。

また、初期症状の角膜炎は痛みを伴わないため、発見が遅れて悪化させて視力低下などを招いてしまいます。

そのため、角膜炎に気づくためのチェックポイントを把握しておくことも、ある面予防法といえます。

 

「犬の目の異常のチェックポイント」
・涙が多く出ていませんか?

・目ヤニが出ていませんか?

・まつ毛に異常はありませんか?

・目の周りの毛はきちんとカットされていますか?

・まぶたが腫れていませんか?

・光をまぶしそうにして目を細めていませんか?

・目をしょぼしょぼさせていませんか?

・白目が赤くなって充血していませんか?

・目が乾いていませんか?

・目の周りの毛が濡れていませんか?

・涙やけを起こしていませんか?

・黒目が白く濁っていませんか?

・盛んに前脚で眼をかきませんか?

・目を床や壁などにこすりつけていませんか?

・まぶたがけいれんしていませんか?

一つでも該当すれば、注意を払ってください。

 

犬の角膜炎の治療法

 

犬の角膜炎の治療は、その症状の重さによって治療法が異なります。

初期症状で軽度の場合、炎症を抑える抗炎症剤や二次感染予防のための抗生剤による点眼治療が主流となり、症状の進行を食い止めることを狙いとした、対症療法が基本となります。

また、非外傷性の角膜炎であり内科疾患が原因の場合は、その治療も併せて行う必要があります。

目の痒みが強い場合には、エリザベスカラーを用いることになります。

なお、重篤化しており、失明のリスクがある場合には、外科手術を施して角膜炎の治療を行う必要が生じます。

また、医療用のコンタクトレンズを使用するケースもあります。

 

「点眼治療」

軽度の角膜炎であれば、通常点眼薬を1日2~3回しっかりさして、1週間程度あれば完治出来ます。

犬の角膜炎に有効なオススメな点眼薬を紹介します。

 

「シクロミューン点眼薬(Cyclomune Eye Drop)」

 

レスタシスのジェネリック商品で、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)にも効果が認められています。

有効成分は、免疫抑制薬のシクロスポリン(サイクロスポリン)。

免疫抑制作用により、角膜炎はもとより、結膜炎やマイボーム腺の炎症、さらに乾性角膜炎(ドライアイ)にも有効です。

 

「ガチブル点眼」

 

ニューキノロン系の抗生剤点眼薬で、細菌を抑える抗菌薬剤であり、結膜炎に有効です。

 

「クラビット点眼」

 

クラビット点眼液は抗生物質で雑菌の繁殖を抑制し、角膜炎に効果を発揮します。

 

愛犬に点眼を行うコツは、正面から目薬を近づけてささないこと。

背後から抱くような形にして、目薬は出来るだけ見えないように後や横から近づけてさします。

目に近づく物が見えると、ワンちゃんはどうしても怯えて嫌がってしまうため、出来るだけ気づかれないように注意して素早くさしてあげましょう。

片方の手でワンちゃんの顎を抑えて持ち、上を向かせた状態にし、もう一方の手で上まぶたを押し上げながらさしてあげましょう。

この時に、容器をまぶたなどに接触させないことが大切、また1~2滴させば十分ですよ。

目薬をさした後は、十分に誉めてあげることを忘れないようにしましょう。

 

「外科手術」

犬の角膜炎が悪化してしまったケースでは、もはや点眼薬の治療だけでは治すことができない場合があります。

そうなった場合には、外科手術を行うこととなります。

状態によって手術法も異なりますが、治療を行いやすいように上下のまぶたを縫い合わせた形での手術を行ったケースで、約1ヶ月から2ヶ月もの治療期間を見込んでおきましょう。

また、角膜に穴が開いていたり、裂傷の傷が深い場合などでは、角膜自体の縫合手術が必須となります。

さらに、傷が大きく潰瘍が悪化して、目の奥まで傷が広がっていたりすれば、最悪眼球を摘出することもあります。

手術後は、点眼薬に加えて医療用コンタクトレンズの着用や、エリザベスカラーなどを着用する必要が生じるケースもあります。

目の手術は高度な技術や器具が必要になるため、専門病院での対応となることも多いです。

 

「手術費用」

手術が必要な場合、手術費用だけでも7万円から30万円程かかってしまいます。

このように、病気の症状による手術内容によって、かなりの金額差が生じます。

また病院によっても差が生じるので、いくつかの病院で手術費用の比較をしてみてください。

この他には、

・初診料(再診・診察料):500円~1,500円程度

・検査費(角膜の傷):500円~1,500円程度

・入院費:3,000円~10,000円/日

・目薬代:1,000~2,000円/本程度

 

このような愛犬のもしもの時のためにも、これからはペット保険への加入も考慮すべきかもしれませんね