愛犬のお腹が膨らんできてメス犬だから妊娠だと喜んだら腹水で真っ青

 

今回の題名は、一見思わず笑ってしまいそうですが、じつは私の知り合いに起こった実話なんですよ。

それこそ愛犬のお腹が膨らんできて、妊娠かなと思い動物病院に連れて行ったところ、腹水と診察され、天国から一気に地獄に落ちてしまったのです。

このように、肥満や妊娠などではなく、病気が原因でお腹が膨らむ腹水という症状があるのです。

知人も妊娠と錯覚してしまったように、見分け方が気になり知りたいところです。

腹水の症状や特徴を知っておきましょう。

 

犬の腹水時の変化や特徴

 

「腹部が大きく膨れる」

腹水の特徴は、その名前の通り、お腹に水が溜まってきてしまう症状となります。

そのためお腹が大きくなり、場合によっては、肥満や妊娠と勘違いしてしまうわけです。

腹水は、「癌」「腸炎」「肝臓疾患」「腹膜炎」などのような、病気が原因となって起こる症状です。

このため、愛犬のお腹が膨れだしたケースでは、要注意といえます。

 

「歩かなくなりだす」

腹水は、お腹だけが大きくなるのが特徴といえます。

他の部分はそのままで、足などは細いまま。

このため、足などに筋力が付いたわけでなく、お腹だけが大きく膨れて重くなるため、ワンちゃんにとっては当然歩きづらくなります。

したがって、だんだん大好きだった散歩などもしなくなっていきます。

それどころか、室内でもあまり歩かなくなります。

先ほど述べたように、犬が腹水を起こす原因が、各種の病気からの影響です。

このため、腹水が生じだす状態であれば、ある程度病気もも進行しており、病気の影響から体も弱り、体力も消耗して、その意味からもますます動けなくなっていきます。

 

「寝る姿勢の変化」

あなたの愛犬の寝相はどんな具合かな?

本来ワンちゃんは、結構いろんな寝方をしているものです。

犬の寝方の基本姿勢は、うつ伏せとされています。

うつ伏せの寝方とは、左右両方の前足を前方に出した形です。

両方の伸ばした前足の間に、可愛い無邪気な顔をのぞかして寝ているものです。

これはうとうとしたうたた寝状態で、警戒心が強いそうです。

でもこれは、野生時代の習性のためであり、急所であるお腹を守るためにうつ伏せになり、同時に武器である顎を床や地面につけて攻撃態勢を保っているのだそうです。

お腹を床に付けているため、意外に体温も逃がさないのです。

一方反対に、仰向けで眠る場合もあります。

この呑気なおへそ丸出し状態が、俗に「へそ天」と呼ばれる仰向け状態での寝方です。

急所のお腹丸出しのため、我が家で安心仕切っている状態。

ワンちゃんは、暑かったりしてもよくこの寝方をしています。

しかし、愛犬が腹水になったケースでは、このような寝方はしなくなります。

それはお腹が大きくなり重いため、うつ伏せ寝や、仰向き寝は負担がかかってしまうためです。

したがって、寝方は一番負担がかからず楽な横向き寝となります。

このように、寝る姿勢の変化が生じだします。

 

「食欲の減少」

腹水が溜まりだすのは、病気が進行しだしている証拠であり、内臓の機能不全を招き食欲が低下していきます。

また、腹水が溜まり、腹部を圧迫して、その結果、胃や腸なども圧迫され、その影響からも食欲がなくなっていきます。

 

犬の腹水の見分け方

 

「肥満との見分け方」

腹水の特徴は、お腹だけが膨らむことです。

一方肥満の場合は、お腹が膨らむ以外にも、お尻や背中など体が全体的に大きくなっていきます。

ただし、肥満でもお腹だけが膨らむケースがあります。

それが内因性肥満です。

内分泌が多く出た場合に起こるとされ、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症の場合になります。

それ以外にも、ワンちゃんが胃拡張と胃捻転になった場合には、お腹が膨らみます。

胃拡張は、胃が大きく膨らむ病気であり、大食いによる食べ過ぎや、食後にたくさんの水を飲み過ぎることが原因として起こります。

これは、水を大量に飲むことで、ドライフードが膨張するのも原因の一つとされています。

そして今言った胃拡張が、進んでしまうと胃捻転になってしまい要注意。

胃捻転は、胃拡張になった状態などで、運動したりすることで、胃が捻じれてしまう怖い病気です。

胃捻転にまでなると、ワンちゃんが非常に苦しみだします。

嘔吐やゲップなどをしますが、胃が捻じれている状態のために、なかなか嘔吐することが出来ず、どんどんお腹が膨らみ、それに合わせてワンちゃんはとても苦しみます。

これに対して腹水で、お腹が膨れている場合、そのような苦しみが生じることはありません。

ここが最大の見分ける違いのポイントといえます。

腹水には、実は種類が2種類あります。

浸出液と漏出液です。

浸出液は、お腹の中で炎症を起こします。

そしてここから体液が出る状態です。

また、漏出液とは、血管から水分が漏れ出して、溜まる状態です。

主な原因は、血液中のタンパク質の低下だとされています。

血液の中にある水分が留まっているのは、タンパク質のアルブミンという成分の影響なのです。

だから血液中のタンパク質が低下しだすと、水分を止めて置くことができなくなり、お腹に水が漏れ出し溜まり、腹水になってしまうのです。

 

「水風船のような感覚」

実際にお腹の中に水が溜まっているのが、腹水の症状です。

したがって、触った感じがまるで水風船のような独特の感覚となります。

お腹を触れば、本当に水の動きなどを感じることができるのです。

なかなか上手く表現しずらいのですが、これは実際に腹水のお腹に触ってみれば、明らかに独特の感覚が感じられて、肥満などでお腹が張っているのではないことが感じとれます。

 

「膨らみの移動がある」

愛犬を抱っこして、前足を下に下げた状態などにして、お腹の動きをチェックしてみてください。

このような格好を愛犬にさせた時に、お腹の膨らみが動いて移動すれば、ほぼ腹水だと考えて間違いありません。

上手く抱っこできないケースでは、愛犬の前足を持って立たせてみましょう。

これでもお腹の膨らみの動きが確認できますよ。

 

まとめ

 

簡単に犬の腹水の特徴や、腹水になることで起こるワンちゃんの変化の状態を紹介しました。

さらに、肥満などと腹水の違いを上げ、見分け方のポイントを紹介しました。

腹水という病気の存在が、頭にないと肥満や妊娠と錯覚しがちですが、腹水の特徴を把握して、違いを意識して比較してチェックすれば違いに気づけるはずです。