アニマルセラピー効果が凄い!犬たち動物が持つ驚異の癒し能力

 

あなたはセラピーって言葉を知っていますか?

これは、心理療法、精神療法と言われる治療分野のことです。

心の問題は複雑で難しく、手術や投薬などの物理的、科学的な方法のみならず、会話で心理に訴えたり、臭いでリラックスさせたり、運動でストレス解消させるなど、様々な治療が施されており、これらを行う人を「セラピスト」と呼び、心理療法士である心理セラピストや運動療法士であるスポーツセラピスト、アロマセラピストなどが有名です。

しかしこのセラピストの仕事は、人間以外の動物も行うことが可能であり、大きな効果を実証しています。

これが「アニマルセラピー」なのです。

セラピストの役割は、その人が抱える悩みや不安、不調などに適切にアプローチを行い、癒したりサポートして、解消するように導いてあげる仕事です。

実はこのセラピストの役割を、動物も行うことが可能なのです。

動物好きの人はとても多いものです。

思わず可愛くて触ったり、抱っこしたりしたくなります。

すると自然と顔もほころんで笑顔になり、明るい気持ちになって、心が癒されるはずです。

これこそが立派なセラピー効果なわけです。

アニナルセラピーとして一番適した動物は、「犬」といえます。

現在、動物の中でも最も人間に近い距離にいて、共生している身近な愛すべき動物と言えます。

とても賢くて愛情も深く、人間への忠誠心もピカ一です。

現在でも、以下の通り様々な分野で活躍して、人間社会の役に立っています。

・警察犬

・盲導犬

・聴導犬

・介助犬

・災害救助犬

・麻薬探知犬

・牧畜犬(牧羊犬)

・猟犬

・闘犬

・害獣駆除犬

これらの犬の仕事に「セラピードッグ」が加わるわけです。

今回は、アニマルセラピー効果について犬を中心に紹介していきます。

 

アニマルセラピーとは

 

アニマルセラピーという言葉はあくまでも日本語の造語であり、正確には「動物介在療法」と「動物介在活動」という2つに分かれます。

動物介在療法とは、医療の専門家に動物を一緒に加えて療法を行う治療法であり、医療行為の一環となります。

精神面と身体面の両方においてケアを行い、ペットの力で病気を改善するという目的で行います。

一方、動物介在活動というのは、具体的な治療効果を目的とせずに、動物と触れ合うこと事態を主な目的とした活動となります。

老人ホームなどにペットがやってくるのがこの活動であり、ペットと触れ合う機会を作ってくれて、人々に心のゆとりや癒しを与えてくれます。

最近ではこの2つに加えて、「動物介在教育」という分野も盛んになってきています。

動物介在教育とは、幼稚園や小学校などの学校教育の現場において、動物との触れ合い方や命の大切さを学ぶことを目的としています。

総合学習や生活科の授業の一環として、少しずつですが動物介在教育を取り入れている学校が増加しているそうです。

 

日本では、アニマルセラピーの普及は遅れており、主体は動物介在活動がメインとなっているのが現状といえます。

日本でなかなか大きく普及しない理由は、はたしてどのようなところにあるのでしょうかね?

それでもここ10年ほどで、大分日本でもコンパニオンアニマル(伴侶動物)とする認識が広まり始めたと言われています。

しかしまだまだ現状として日本では、街中でワンちゃんを連れて歩くような人とは出会いません。

これは実際に、まだまだ街中において犬が出入り可能な場所が限定されているためであり、同時にペット先進国と比較して、日本の飼い主の全体的なマナー水準が低く、衛生面や事故への懸念を払拭しきれない背景があると指摘されています。

これに対してアメリカなどのセラピードッグが普及する国では、毎日のように触れ合うことが可能であり、ユニークなアニマルセラピーも盛んで、「触れ合いによる癒し」が様々な現場で活用されて大きな成果を上げています。

日本であればセラピードッグの活躍の場は、ほとんどが医療機関や介護施設に限られています

しかし海外であれば、以下の通りあっと驚くような場所にまですでに導入されています。

・空港のセラピードッグ

・葬儀社のセラピードッグ

・大学のセラピードッグ

・小学校のセラピードッグ

・検察局のセラピードッグ

・歯医者のセラピードッグ

・警察署のセラピードッグ

海外の大学では、学生達の試験や勉強ストレスを癒すためのカリキュラムとして、セラピードッグが導入されていたりするそうです。

さらに、難読症や吃音証などのため、人前での音読にストレスを感じる子どもを対象に、セラピードッグが読書のサポートをするブログラムもあるといいます。

 

アニマルセラピーに向く動物は

 

アニマルセラピーに向く動物のナンバーワンはワンちゃんと紹介しましたが、その他にも、猫・ウサギ・ハムスター・イルカなど可愛い動物であればすべて効果があります。

しかし、ペットとして人気が高いポピュラーな動物で、人間と身近に生活する動物としては、犬と猫が最右翼と言えます。

犬と猫にスポットを当て、比較してみましょう。

よく言われる犬と猫のセラピー効果として、犬は広く浅く効果があり、猫は狭く深く効果が得られると言います。

もちろん一般的な傾向ですが、これは両者の性格が大きく影響しており、このような効果が表れやすいそうです。

犬は忠誠心が強く社交的で、誰にもある程度なついてきます。

一方猫は、束縛されない自由きままな性格であることから、余程なつかないとなかなか自由に触らせてもくれません。

セラピーに向く種類は、小型の方が良いとされています。

それはどうしても大きいサイズの場合、圧迫感を与えてしまうことが影響します。

しかし実際には、賢く、優しい性格の大型犬が採用されることも少なくありません。

 

「アニマル(ペット)セラピーに向いている犬」

小型犬で抱っこしてもらうのが大好きな犬種が良いとされています。

このため、チワワやトイプードル、ヨークシャーテリアなどがおすすめです。

また大型犬では、人懐っこく賢いゴールデンレトリバーがアニマルセラピーに最適だと言えます。

その他には、とっても賢いラブラドールレトリーバーやボーダーコリーもおすすめです。

 

「アニマルセラピーに向いている猫」

アニマルセラピーにぴったりな猫といわれているのが、「スコティッシュフォールド」です。

このニャンコは、穏やかな性格でとても甘えんぼうです。

そのため猫には珍しく、人見知りをしないため初対面の人にもすぐに懐き、人に擦り寄ってくるのが大きな特徴なのです。

その他の猫としては、「アメリカンショートヘア」もアニマルセラピーに向いています。

このニャンコも、人懐っこい性格で人見知りをしません。

初対面の人の膝の上にも気楽に乗ってくるほどです。

後は猫としては大型の「ラグドール」もおすすめです。

このニャンコは、とても大人しい性格の持ち主なのです。

誰が抱っこをしても、嫌がったり怒らないほど穏やかな性格です。

また、のんびりやで人懐っこい性格の「ブリティッシュショートヘア」も良いですよ。

 

実際に活躍する日本のセラピードッグ

 

今回は、「ベイリー」と「シャネル」の2匹のセラピー犬を紹介します。

 

「ベイリー」

ベイリーは、ゴールデンレトリバーのセラピードッグです。

神奈川県の県立こども医療センターは、日本で初めてセラピードッグを取り入れた病院として有名です。

ここで活躍していたのがベイリーです。

ベイリーは、2012年7月から緩和ケアチームの一因として活動し、2018年に引退しました。

2017年9月からは後任として「アニー」が着任しています。

小児がんや重い病気の治療に頑張る子供たちに寄り添い、癒して元気を与えるのが仕事です。

セラピードッグとして頑張るベイリーの様子を動画で見てみましょう。

 

「シャネル」

シャネルは、ゴールデンレトリバーの女の子のセラピードッグです。

下半身動かぬセラピー犬シャネルとして話題を集めたため、ご存知の方も多いかもしれませんね。

シャネルは、元々はドッグショーなどに出場していた優秀なワンちゃんでした。

しかし2009年、子宮を患ったために中部アニマルセラピー協会に引き取られ、下半身が動かなくなったときには安楽死を勧められました。

ところが、その危機を見事に乗り越えて、緩和ケア病棟のアイドルとなったのです。

シャネルは、2011年にセラピー犬としてデビューした後、名古屋市内でセラピー犬として活躍し、2015年の1月に12歳で亡くなりました。

下半身が動かない状態でも頑張って仕事を行うシャネルを見て、自分もまだまだ頑張らなくてはという気持ちをもらった人たちが多かったようですね。

その活躍の軌跡を追ったフォトエッセー「下半身動かぬセラピー犬 シャネル~緩和ケア病棟の天使たち~」(ブックマン社)が発売されたことにより、シャネルは一躍有名になりました。

下半身が動かぬ状態でありながら、愛らしく健気に頑張ったセラピー犬「シャネル」の生涯を追ったドキュメンタリー動画を是非見てみましょう。

 

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アニマルセラピーの効果

 

アニマルセラピーは特に心理的効果が期待され、認知症・自閉症・精神疾患・自閉症などの精神疾患の患者さんに対して効果があるとされています。

ただし、リラックス効果なども得られて症状が緩和されることから、身体的効果も期待ができ、事実心筋梗塞の患者さんの生存率が上がったなどの報告例もあります。

 

「心理的効果」

心理的効果とは、動物と接触することで、人の内面や行動がプラスの恩恵を受けることを刺します。

動物と楽しく触れ合った記憶の想起により、「楽しい!」という感情が芽生えて増えることで、単純に抑うつ症状の改善につながります。

免疫力の向上にもつながり、やる気が湧いてきます。

アニマルセラピーは、患者を回復に向かわせる動機付けとして機能します。

 

「社会的効果」

アニマルセラピーは、社会的効果の期待も持てます。

動物と楽しく接する機会を持つことで、人同士の交流が円滑になる効果が生じます。

老人ホームの報告例では、アニマルセラピーの一環として触れ合った犬の話題を通じて、

普段無口でほとんど他人と口をきかない非社交的な老人が、他人と会話をするようになったそうです。

 

「生理的効果」

生理的効果とは、ホルモンや脳内の伝達物質、神経系の変化などが生じることにより、体内において生理学的なプラスの変化が生じることです。

例えば、人ではなく動物に話しかけることで、血圧を下げ、ストレスを軽減する効果があることが判明しています。

動物と接するケースにおいて人間は、「副交感神経」が優位に働くそうです。

そのため、末梢神経の拡張、血圧の低下、心拍数の抑制などが生じ、リラックス状態を作り出し、いわゆる「落ち着く」「癒される」という感覚を生み出します。

また動物と接することで、人間の脳内に「ドーパミン」という脳内伝達物質の分泌が増えるそうです。

ドーパミンは、「楽しい」という感情の源のため、一層アニマルセラピーでワンちゃんと接することが楽しいという感情が高まっていき、経験値として蓄えられます。

 

アニマルセラピーがオススメの人

 

「悩みやストレスを抱えている子供」

最近は心に大きな傷を持ち、ストレスを抱える子供がとても多い状況です。

登校拒否の子供も増加しており、いじめ問題も後を絶たちません。

親が共働きのため、いつも家では独りぼっちの子供の場合、是非そんな子供に寄り添って心を癒してくれるペットを与えてあげたいものです。

可愛い愛犬と一緒に入れれば、孤独から開放してくれて、心が明るく前向きになれます。

 

「一人暮らしの高齢者」

最近、社会現象問題として取り沙汰されるのが、高齢者の孤独死です。

誰にも看取られずに一人でひっそりと寂しく人生の幕を閉じるのです。

このような高齢者に、最後まで少しでも楽しく明るい人生だったと思えるようにする方法として注目されているのが、アニマルセラピーです。

一人暮らしや老人ホームで寂しく過ごしている高齢者の方に、ワンちゃんなどのペットと接することで、心を癒してあげることはとても効果的で大切なことといえます。

 

「終末期医療を迎えた人」

ガン治療などでもはや余命が短く、終末期医療を迎えた人の残りの人生をいかに実りのあるものとしてあげるかは、大きな問題です。

病気によって体力は低下し、痛みも感じるため、どうしても気持ちは沈みがちとなります。

そのような方の残り少ない人生を穏やかに過ごすために、アニマルセラピーの癒しはとても有効です。

温かいペットの体に触れて、穢れのない様子を眺めるだけで、心が休まり癒され、生きる希望が起こってきます。

 

「事故や病気などによる後天的慢性疾患患者」

若くして、急な事故や病気によって、後天的慢性疾患を患う人も多くいます。

今まで何不自由なく元気にしていた方が、ある日突然不幸に襲われ、身体が自由に動かなくなったりするために、どうしても心がふさぎ込んでしまうものです。

そのような方たちにも、アニマルセラピーはとても有効です。

やさしく寄り添ってくれるワンちゃんを目にすれば、自然と心が癒されリラックスでき、また新たな人生に希望が湧いて来るはずです。

 

「生まれつき身体が不自由な人」

事故などの後天的なものではなく、生まれつき身体が不自由な人たちにも、アニマルセラピーはとても有効です。

健常者と同じように生活ができない人たちは、不自由な毎日の生活を送り、どうしてもストレスや不安などを抱えやすいものです。

このため、何かの方法でストレス解消すべきですが、アニマルセラピーを通して心を癒すことで、明日への活力になりおすすめです。

 

「犯罪者」

罪を犯し心が荒れてしまった人たちにも、癒しを与える効果が期待できるアニマルセラピーは有効です。

刑務所で更生しようとしている人などにもおすすめです

犯罪思考の傾向にある人は、心の奥底に不安や悩みを抱え込んでいるものです。

そのような人はどうしても、人間に対しては反抗しかちであるため、心を癒してあげるのは、人間が接するよりある面動物の方が効果があるケースも多いといえます。

 

「うつ病などの精神疾患患者」

うつ病は現在とても多くの患者がおり、社会現象ともいえる病気の一つです。

精神疾患の治療はとても困難であり、なかなか回復が難しいとされています。

アニマルセラピーも、治療法の一つとして加えてみるのも有効だと思えます。

 

アニマルセラピーの問題点

 

アニマルセラピーの問題点
・動物アレルギーの方がいる

・動物嫌いの方がいる

・ペットを亡くした時のペットロスによる反動が大きい

・高齢者などの飼い主が亡くなった場合のペットの飼育問題

・野外活動は、大掛かりな施設が必要で採算が合わない

 

セラピー犬になれるワンちゃんの資格や訓練は

 

セラピー犬には、規定された資格はありません。

したがって、いきなりアニマルセラピストとして活動することも可能なわけですが、やはりある程度じっとしていてくれなければ話にならないわけであり、実力が伴う必要があります。

実は、日本アニマルセラピー協会(NPO法人)というところが、資格認定を行っています。

資格には、初級・中級・上級・師範と階級があります。

このため、仮にアニマルセラピストとして活躍させたいのであれば、この資格を取っておくのがおすすめです。

受験条件は次の通りです。

・生後8ヶ月を経過していること

・必要な予防接種やワクチンが完了していること

・トイレトレーニングが完璧にできていること

 

セラピー犬になるためには、性格による向き不向きが一番重要と言われています。

一応訓練内容には、基礎的なしつけから忍耐力の面など様々な項目があるそうですが、盲導犬などのような専門的な訓練が必要なわけではありません。

訓練を受けて認定試験に合格すれば、資格認定が与えられます。

 

まとめ

 

アニマルセラピーが、とても有効なことが理解できたのではないでしょうか。

残念ながら、動物が苦手という方には向いていませんが、動物好きな方であれば是非試してもらいたいと思います。

アニマルセラピーは、動物と触れ合ってコミュニケーションを取るだけで、自然に様々な恩恵を受けることが出来るため、とても簡単でおすすめです。