愛犬がうつ病になった時の治療法と使用する主な薬の効果とリスク

 

ワンちゃんは、飼い主さんとのコミュニケーションが気薄になって寂しい思いをしたり、引っ越しした、新しいワンちゃんが加わったなど、環境の変化などによっても簡単にストレスが生じ、悪化させればうつ病に陥ってしまう危険性もあります。

今回は、愛犬がうつ病になった時の治療法と、使用する主な薬の効果とリスクについて紹介します。

 

愛犬がうつ病になった時の治療法

 

犬のうつ病の治療法には、2つの治療法があります。

 

1.行動療法

一つ目の治療法は、薬に頼らない方法であり行動療法といいます。

主な方法が次の3つです。

1.愛犬とスキンシップを図る

2.愛犬が一人でいる時間を作り慣れさせる

3.ストレスの原因を取り除く

 

「愛犬とスキンシップを図る」

忙しいと、つい愛犬とスキンシップを図ることがおろそかになりがちです。

どんなに忙しくても、家にいれば5分や10分程度の時間はひねりだせるものです。

ちょっと愛犬と一緒にスキンシップを図ることは、あなたのリフレッシュにも繋がります。

愛犬とスキンシップを取る場合、必ず名前を呼んで目を見つめ、身体を撫でてあげましょう。

ハグしてあげてもいいですね。

5分くらいしか時間がとれないケースは、今言ったことを愛情込めて行ってあげましょう。

また、5分程度のスキンシップであれば、どんな忙しくても、日に2~3回程度は行ってあげられるはずです。

なお、愛犬がうつ病になったケースでの治療法であれば、一緒にいる時間をもっと増やしてあげましょう。

一緒に部屋にいるだけでなく、ソファーに座り横に愛犬を置き、同じ高さで座っているように心がけてみましょう。

また、しつけのときによく行う、簡単なお手やオスワリなどの芸をさせて、出来れば目いっぱい褒めてあげましょう。

さらにボールなどのおもちゃを使って一緒に遊んであげましょう。

フリスビーなどを使って遊ぶのもオススメです。

また、愛犬と一緒に障害物競走であるアジリティに参加してみてもいいですよ。

あと一番簡単にできて、愛犬も喜び、コミュニケーションも取りやすい、散歩を毎日行ってあげましょう。

また、お留守番をさせなければならないケースでは、ラジオやテレビなど付けておき、愛犬に人の声を聞かせる工夫をする事もおすすめです。

最近は便利な時代で、「Furboドッグカメラ」などを利用すれば、愛犬を留守番させる時に、愛犬の留守番中の様子をチェックしたり、反対にことらから愛犬に話しかけたり、なんとおやつまで与えることも可能なのです。

是非このような便利アイテムを活用してあげてください。

 

「Furboドッグカメラ」



詳しく「Furboドッグカメラ」について知りたい方は、次の記事を参照してみましょう。

「Furboドッグカメラで留守番中のチワワたち愛犬を見て話していつも一緒」

 

「一人の時間に慣れさせる」

スキンシップが一番大切ですが、過保護もダメです。

一日中飼い主さんにべったりしてしまっていると、依存症になってしまいます。

当然お留守番をしなくてはいけないケースもあります。

少しずつでいいので、一人で愛犬がいられる時間を長く作っていきましょう。

そしてお利巧でいられたあとは、目いっぱい褒めてあげましょう。

 

「ストレスの原因を取り除く」

ワンちゃんがうつ病を発症させる原因が強いストレスです。

したがって、少しでもこの根本原因を取り除くことが最高の治療となります。

主なストレス原因は次の通りです。

・愛情不足

・コミュニケーション不足

・環境の変化による不安

愛情不足イコールコミュニケーション不足であるため、愛犬を寂しい思いにさせないように、構ってあげる必要があります。

また、しっかりした主従関係を作ることも大切です。

これは下手に愛犬を甘やかさないことが肝心です。

つい何でも可愛くて、愛犬の要求に答えてしまうと、ワンちゃんは自分がリーダーだと錯覚してしまいます。

しかし人間の環境の中で暮らす以上、ワンちゃんがリーダーにはなれません。

食事一つをとってみても、自分で餌を得ることは不可能であり、飼い主さんからもらう必要がるわけです。

したがって、無理な生活環境の中で、自分がリーダーだと錯覚した犬は、出来もしない責任感や警戒心、不安が常につきまといストレスになってしまうのです。

引っ越しとかが理由の環境変化は仕方がないことです。

このため、引っ越しをなくすこと自体は出来ませんが、慣れない環境変化で愛犬が不安を抱えストレスを感じているため、いつも以上に構ってあげて安心させてあげる配慮が必要となります。

また新しいワンちゃんが加わったなどの環境変化では、それまで自分一人に構っていてくれていた飼い主さんを取られるような不安を感じたりしています。

これは子供が、弟や妹が出来て愛情不足を感じて、幼児返りしてしまうのと同様なわけです。

このため愛犬を構う時は、先ず先住犬から構ってあげる必要があります。

このように先住犬を立てることで不安を無くし、ストレスが生じない工夫を行うことが大切です。

 

2.投薬療法

紹介したストレスを無くすための対処療法を行いながら、併用してうつ病に効く薬を用いるのが、うつ病の早期改善するには有効となります。

愛犬のうつ病に効果のある5つの薬を紹介します。

 

1.ジアゼバム

ジアゼパムは、脳の活動を抑える作用が働き、神経細胞の興奮を抑えて不安や緊張などをしずめ、また筋痙攣の症状を改善してくれます。

うつ病の薬以外にも、てんかん治療薬としても使用されています。

主な副作用としては、眠気、ふらつき、めまい、脱力感などが報告されているので注意しましょう。

ジアゼパムは錠剤・座薬・注射薬などの形で使用されています。

 

2.クロミプラミン

クロミプラミンは、脳の機能を調節する物質の働きを活発にする作用が働き、商品名はアナフラニールです。

本来は人間用の医薬品ですが、意欲を高め、憂鬱な気分を改善する働きがあり、ワンちゃんのうつ病薬としても使用されています。

また、犬の分離不安症改善にも有効な薬です。

おもな副作用は、口の渇き、眠気、めまい、立ちくらみ、便秘などです。

 

3.フェノバルビタール

フェノバルビタールは、抗てんかん薬として有名ですが、神経細胞の興奮を鎮める作用が働く薬であり、このためうつ病にも効果が生じます。

副作用としては、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下などに注意しましょう。

 

4.フルオキセチン・フルボキサミン

フルオキセチンとフルボキサミンは抗うつ剤です。

幸せホルモンとも呼ばれる脳内の「セロトニン」の有効活用を促す働きがあります。

セロトニンが少なくなると、感情をコントロールすることが困難となり、衝動的な気分になったり、落ち込んだりしがちになってしまいます。

問題は速効性がなく、最低でも1ヶ月以上は継続で飲み続けないと効果が現れてきません。

 

5.セレギリン

セレギリンは、獣医師が処方する複合薬です。

効果は、ドーパミンと呼ばれる神経系の伝達物質の濃度を高めてくれる作用が働きます。

ドーパミンは、楽しい気持ちにさせる時に脳内に分泌される物質です。

このためうつ病に効果が期待できます。

 

投薬の注意点

うつ病の薬は副作用が出ることも多いため、飼い主さんは副作用の特徴をしっかり獣医師から説明を受け、理解して愛犬の様子を観察することが大切となります。

仮に副作用の症状が現れた場合でも、自己判断で薬をやめてしまうようなことはNGです。

急に薬を止めてしまうと反作用で、返って酷い症状になってしまうこともあります。

また、飲み合わせの問題もあるため、勝手に併用して、サプリなどを与えないように注意しましょう。

量の変更も当然厳禁、病院から指示された用法や容量を守ることは、絶対の必須条件となります。

違反してしまえば効果が期待できなくなるだけでなく、逆効果となってしまい、さらに愛犬に悪い影響を与えてしまう恐れがあると認識しておきましょう。