犬に効くてんかんの薬の種類!注意点と効果や副作用
愛犬にいきなりてんかん症状が起こり、激しく体をけいれん発作させれば誰しもビックリして慌てふためいてしまうことでしょう。
犬のてんかんの症状には、「全般発作」と「部分発作」の二つがあります。
特に全般発作が起きてしまうと、倒れて手足を激しく動かすなどの症状が見られるため、驚かされてしまいます。
今回はこのようなてんかん持ちのワンちゃんに効く主な種類のてんかんの薬を紹介します。
また、注意点と効果や副作用についても紹介するので参考にしてみてください。
犬のてんかんの薬の注意点
犬のてんかんの特効薬はありません。
このため、あなたの愛犬にてんかんが生じてしまえば、基本的には抗てんかん薬は一生飲み続けるべき薬となると認識しておきましょう。
てんかんは複雑な脳が影響するために、なかなか合ったてんかん薬を処方することが困難とされています。
したがって、結構てんかん薬が効かないケースも多く、そのたびに症状に合うてんかん薬を試して見つけていくことが必要となります。
このため、相性の良い治療薬を見つけることが大切であり、飼い主さんは愛犬への薬の効き具合をチェックしていくことが大切となります。
効かない薬をピックアップし、獣医師と相談しながら相性の良い治療薬を探していくことが大事になります。
また、先ほど紹介した通り、てんかん薬は一生飲み続けるべき薬のため、勝手に止めてしまったり、飲み忘れがあったりすると発作が起こりやすくなり、愛犬の命に関係するほどの重大な危険が待ち受けおり要注意です。
詳しくその危険を知りたい飼い主さんは、次の記事を参照してみてください。
犬の知っておきたい代表的なてんかん薬の種類
「フェノバルビタール」
製品名:フェノバール
バルビツール酸により、脳の神経機能抑制作用を促進し、てんかんのけいれん発作に効果があります。
散剤、錠剤、注射薬があります。
フェノバルビタールは、昔からよく使用されるポピュラーな抗てんかん薬であり、犬のてんかん発作の約70%に対して効果が認められるとされています。
投与は1日2回です。
フェノバルビタールは副作用が強めの薬のため、仮に効果が見られない場合でも増量はしません。
そのようなケースでは他の薬を併用しますが、併用禁忌の薬もあるため、絶対に自分勝手に他の薬を一緒に飲ませるようなことはダメです。
値段は比較的安価であり、1ヶ月間の薬代は、3,000円~5,000円程度です。
また、血中濃度の測定が可能なことがメリットとなる薬です。
デメリットは、副作用が強めなことと、長期連用で効き目が弱くなってくることです。
さらにこの薬には依存性があるとされ、急に薬を止めるのは厳禁で、離脱症状としてひどい発作が起こる可能性があるとされています。
「副作用」
フェノバルビタールの副作用は、かなり強力とされているので注意すべきです。
投薬直後の短期的な症状と、慢性的症状に分けて紹介します。
・ふらつき
・ぼーっとする
・抑うつ状態
・沈静
・注意力低下
・過眠
・皮膚の発疹や赤み 通常上記のような初期の副作用は、愛犬が薬に慣れる2週間程で落ち着くと言われています。
・多飲多尿
・食欲の亢進による肥満
・肝臓や腎臓への負担
・貧血
・尿失禁
「臭化カリウム」
前述したフェノバルビタールと併用で使われることが多い抗てんかん薬であり、併用療法で約90%のてんかん発作に効果があるとされています。
持続性の大脳皮質の中枢神経抑制薬であり、臭素イオンを遊離することで、大脳皮質の知覚、運動領域の興奮を抑制します。
てんかんの抗けいれん作用があります。
またその他にも、弱い安静や鎮静効果が期待できます。
投与は1日2回、粉や液薬として処方されます。
メリットは、犬への副作用が少ない安全な薬であり、肝臓への負担も少ないため、肝臓に問題があるケースで、フェノバルビタールを使用できない場合には単独で使用することもあります。
また安全な薬のため増量もOKであり、効果のアップを図ることも可能です。
デメリットは、服用後効果が現れるまでに時間がかかることです。
「副作用」
副作用が弱い薬とされていますが、次のような症状が現れる場合があります。
・下痢、嘔吐
・食欲の亢進による肥満
・多飲多尿
・皮膚の痒みや赤み、発疹
・眠気
・ふらつき
臭化カリウムは、犬には安全な薬とされていますが、猫には重い副作用の可能性があるとされ、あまり使用されないそうです。
このように薬の影響は複雑で不思議なので、間違っても勝手に用いないように注意しましょう。
「ソニサミド」
製品名:エクセグラン
脳神経の興奮を抑え、てんかんのけいれん発作を予防する薬で、さまざまなタイプの
てんかんに効果が期待できます。
日本で作られた唯一の抗てんかん薬であり、比較的新しい薬で錠剤、散剤があります。
投与は1日2回です。
メリットは、副作用の心配が少ないことと、血中濃度の測定が可能なことでしょう。
さらに、単独で充分に難治性のてんかん治療が可能だとされ、日本で開発されたこともあり、日本ではフェノバルビタールに代わる抗てんかん薬の主流になる可能性もあるとされています。
デメリットは費用が高いことです。
1ヶ月間の薬代は、5,000円~7,000円程度になってしまいます。
「副作用」
副作用が少ないとされていますが、次のような弱い副作用が出ることがあります。
・嘔吐
・食欲不振
・ふらつき
・震え
・軽度の鎮静
通常は、数日で落ち着くことが多いとされています。
なお、まれには骨髄抑制を起こすことがあるとされています。
「ジアゼパム」
製品名:ジアゼパムアメル
不安や緊張などをしずめたり、筋痙攣の症状を改善するベンゾジアゼピン系の薬であり、てんかん治療薬として使われます。
錠剤・座薬・注射薬があります。
脳の活動を抑え、神経細胞の興奮を抑える、次のような作用が働きます。
・抗けいれん作用
・催眠作用
・筋弛緩作用
投与は、状況に応じて1日2~3回です。
1日に複数回の発作を繰り返す群発発作や、発作が5分以上続くような重責発作などの重い状態で使用されることが多い薬です。
メリットは重篤な発作に効き目があり、発作が続いて服用が困難な時などには、座薬タイプもあります。
デメリットは、依存性があるために、短期間の使用がほとんどになります。
また仮に長期連用すると、効き目が弱くなってしまいます。
「副作用」
・眠気
・ぼーっとする
・ふらつき
・脱力感
・呼吸抑制
「クロナゼパム」
製品名:リボトリール、ランドセン
前述したジアゼパムと同系の抗てんかん薬で、少し弱くした薬といえます。
脳の神経を鎮めて、てんかん発作が起こりにくい状態にします。
作用時間が長く依存性や耐性を生じるために短期的な使用がほとんどとなりますが、即効性のある短時間作用型の抗てんかん薬といえます。
そのため、抗てんかん薬を他の薬に切り替える時などに、調整のために一時的に使用する事も多いです。
投与は1日2回です。
「副作用」
・眠気
・ふらつき
・ボーっとする。
・呼吸抑制
「ガバペンチン」
製品名:ガバペン
脳内で興奮性の神経伝達物質の遊離抑制作用や抑制性の神経伝達物質(GABA)の増強作用によりてんかんの発作を抑える新しいタイプの薬です。
一般的な抗てんかん薬とは作用機序が異なるのが特徴であり、そのため、他の抗てんかん薬と併用することで、発作の抑制効果が高まります。
またガバペンチンは、吸収が良いのも特徴で、このため治療抵抗性の血中濃度が上がりやすいてんかんに用いられることが多いといえます。
デメリットは、作用期間が短いことであり、そのためつい投与の頻度が多くなりがちです。
「副作用」
・鎮静化が起こりやすい
・意識レベルの低下
・食欲増進
・眠気
・ふらつき
「レベチラセタム」
製品名:イーケプラ
他の薬との併用、部分発作に対する単独使用に効果があると言われている薬です。
レベチラセタムの最大の特徴が、即効性があることです。
通常の場合、薬の血中濃度が安定するまでには、早くて10日程度、長い場合は2~3ヶ月もかかるとされています。
それがレベチラセタムは、何とたった一日で効果が安定します。
そのため、速やかに効果を期待したい状態の時などに、単発的に使用するのもおすすめです。
「副作用」
レベチラセタムの副作用は、次の通り軽めとされています。
・嘔吐
・よだれ
・軽い鎮静
「漢方薬」
漢方薬は西洋医学の薬とは異なり速効性はありませんが、神経の高ぶりを抑制すことで、徐々に症状を緩和していき、同時に生物の本来持つ自然治癒力を高める効果が期待できます。
漢方薬の主なものを紹介します。
「抑肝散(よくかんさん)」
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不安、不眠などの神経症状の改善によく使われる漢方薬であり、てんかん発作を予防
する効果もあります。
7~9種類もの生薬が配合されていますが、メインはセロトニンの効果となります。
「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」
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神経の高ぶりを鎮めたり、精神不安や不眠、また動悸などに効果があり、てんかんの薬や脈硬化や高血圧などにも効果があります。
「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」
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神経過敏を改善する漢方薬で、てんかん治療にも使われます。
風邪や胃腸炎にも効き目があります。
「ハーブ」
ハーブには、緊張、ストレスを緩和する効果があります。
発作を起こしやすい犬は、緊張状態に陥っていることが多いため、ハ-ブによって心を落ち着かせるのも有効といえます。
心を落ち着かせる効果のあるハーブの種類は以下の通りです。
・タツナミソウ
・トケイソウ
・バレリアン
神経系に有効なハーブは以下の通りです。
・カモミール
・イチョウ
・スカルキャップ
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