突然脱毛や炎症が起こる犬の皮膚病「ホットスポット」の原因と対処法

2019年12月5日

 

あなたは犬の皮膚病「ホットスポット」を知っていますか?

今まで元気にしていた愛犬に、突然脱毛や炎症が起こってしまうとすれば、ビックリ仰天ですね。

何とホットスポットは、わずか2時間程度の短時間で発症してしまうこともあるのです。

特に湿気が要注意で、梅雨の時期から夏にかけての時期は注意が必要です。

ホットスポットは、痛みを伴うほどの激しい痒みが生じ、ワンちゃんが我慢できず掻きむしってしまうため悪化しやすいのが特徴の皮膚病です。

今回は、ホットスポットの原因や予防法&対処法を紹介します。

 

ワンポイント紹介

 

まず最初に分かりやすく、ホットスポットの特徴をワンポイントの箇条書きで紹介するので、どんな病気なのかイメージをつかんでみてください。

 

・春から夏にかけてのじめじめした蒸し暑い季節に起こりやすい

・1日で起こってしまう程の急性の皮膚病

・強い痒みが伴い、掻きむしってよく出血する

・毛がごっそり抜けて脱毛になりやすい

・体液と膿でベトベトになりやすく、それが乾燥するとカピカピになる

・次々と何箇所も発症していくこともある

・一度発症すると、再発することが多い

・触ろうとすると痛がって嫌がることが多く、時には噛もうとすることもあるほど

・長毛種やアンダーコートの犬種に起こりやすい

・皮膚が弱い、アレルギー体質の犬は要注意

・原因はまだハッキリとは分かっていない

・食物アレルギーやアトピー、ノミ、ダニなどが原因とも考えられている

・患部を清潔に保つことが大切

 

ホットスポットの原因

 

ホットスポットの発症原因はまだはっきりと解明されていないそうです。

様々な要因が絡み合って発症すると考えられています。

ホットスポットは、「急性湿性皮膚炎」とも呼ばれ、病名に「湿性」とついていることからも分かるように、湿気が原因の一つであると考えられます。

これは、ホットスポットが発症しやすい時期が、じめじめした梅雨や高温で湿度が高い時であることからも証明できそうです。

この時期は、犬の毛が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすいためでしょう。

シャンプー後や水遊び後などの被毛の生乾きも原因となります。

また、食物アレルギーやアトピーなども原因として指摘されています。

さらに、ノミやダニなども要注意と言えます。

 

ホットスポットの症状

 

ホットスポットは、別名「急性湿性皮膚炎」「急性湿疹」などと呼ばれる皮膚病の一種です。

この急性と名前がついているところが曲者です。

ホットスポットの恐ろしいところは、今まで元気一杯だった愛犬が、たった半日から1日で突然脱毛や炎症が起こってしまうことです。

しかもほとんどのケースで激しい痒みが伴うのが特徴であり、このためワンちゃんは患部を噛んだり掻きむしって悪化させてしまいます。

出血したり、膿が出てベトベトになり、臭いを放つことも珍しくなく、患部の被毛がごっそりと脱毛したりしてしまいます。

このような激しい不快感からフラストレーションも高まり、ワンちゃんはいら立ち、ストレスも高まります。

このため、下手に心配して触れようとすると、噛みつかれてしまうこともあるので注意しましょう。

ホットスポットは激しい痒みから、愛犬が体を掻きまくるなど、症状が目立ちやすいので気づきやすいです。

とにかく悪化速度が激しいので、気づいた時点で一刻も早く動物病院に連れていくことが大切です。

ホットスポットが発症しやすい部位を紹介します。

最もホットスポットが発症しやすい部位は、首や肩から背中にかけてとされています。

続いて足や顔だそうです。

 

ホットスポットが発症しやすい犬種

 

被毛の量が多くて風通しが悪くなり、蒸れてしまうと発症しやすくなります。

したがってアンダーコートの犬種は要注意です。

また、皮膚が弱い、アレルギー体質のワンちゃんも発症しやすいです。

 

・柴犬

・ゴールデンレトリバー

・ラブラドールレトリバー

・シベリアンハスキー

・フレンチブルドッグ

上記のような、アンダーコートが密生している犬は特に注意してあげましょう。

また、肥満犬も注意が必要です。

太ってしまうと皮膚に熱がこもりやすいためです。

 

ットスポットの予防法

 

「アレルゲンを知る」

ホットスポットは、1度発症してしまうと再発することが多い病気のため、かかってしまわないように予防することが大切になります。

原因がアレルギーやアトピーによる皮膚炎の可能性もあるため、アレルギー検査を受けてアレルゲンを特定しておくことが重要です。

愛犬のアレルゲンが分かれば、ドッグフードの原料をチェックして、アレルゲン食材を避けることが可能となります。

 

「湿気に注意」

ホットスポットの原因の一つが、湿気による蒸れです。

このため、梅雨から夏にかけての時期は特に注意が必要です。

毎日のブラッシングや定期的なシャンプーを心がけてください。

ただし、ワンちゃんは、とても皮膚が薄くて敏感です。

このため、シャンプーのし過ぎはかえってマイナスであり、シャンプー頻度は月に1~2回と言われています。

ただし、皮膚炎を発症したケースでは、頻度を増やす方が良いケースもあるため、このあたりはしっかり獣医師の指示に従ってください。

また、シャンプーの種類についても注意が必要です。

間違っても安易に人間用のシャンプーを使用したりしないように注意してください。

最低でも犬用のシャンプー使用が必須です。

湿気に注意という点では、シャンプー後の乾燥がとても大切です。

生乾きにしてしまえば、ホットスポット発症リスクが一気に高まります。

必ずドライヤーを使用して、完全にムラなく乾かしてあげましょう。

また、梅雨の時期は、エアコンの除湿機能を活用するのもおすすめです。

 

ホットスポットの対処法

 

ホットスポットは進行が早いので、気づいたらまず動物病院へ連れていきましょう。

痒みが非常に強い病気のため、愛犬の様子がいつもと違うことに気づきやすいはずです。

少し注意して愛犬を観察すれば、盛んに一箇所を集中して舐めたり、噛んだりする様子が目に留まるはずです。

 

「治療法」

主な治療法は、経口薬や塗り薬、薬用シャンプーなどとなります。

症状の程度により、治療法が異なるため、詳しく見ていきましょう。

 

・軽症時

症状が軽度の場合は、患部を薬用シャンプーで洗浄し、消毒後に外用薬を使用するのが通常の治療法です。

消炎剤や痒み止め、抗菌剤などが使用されます。

 

・重度時

症状が重度の場合には、軽度のケースの治療に加えて、被毛を刈りあげます。

さらに内服薬やステロイド(副腎皮質ホルモン)の使用を試みます。

 

・治療中の保護

治療中に大切なことは、ワンちゃんが外用薬を舐めたり、患部を掻いたりして悪化させないように保護することです。

このため、エリザベスカラーの使用が必須となります。

しかしエリザベスカラーを使用した経験がある飼い主さんであれば分かるように、エリザベスカラーはワンちゃんに大きなストレスを与えてしまいがちです。

このため、最近症例されているのが、犬用エリザベスウェアです。

もはや通常のエリザベスカラーは時代遅れです。

 

「エリザベスウェア」

治療のために必要だったとはいえ、エリザベスカラーはワンちゃんに大きなストレスを与える最悪商品だったのです。

今やエリザベスカラーに変わってエリザベスウェアが常識、洋服として体全体を覆うことで、患部をしっかり保護して覆い隠すのが目的となっています。

いまやAmazonや楽天市場をチェックすれば、いろんな種類のエリザベスウエアが目白押しです。

機能的にもさほどの違いもありません。

男の子用と女の子用に分かれるので注意しましょう。

あなたの目でお気に入り商品を選んであげてください。

 



エリザベスウェアについて、詳しく知りたい方は、次の記事を参照してみましょう。

犬用エリザベスウェアが大注目!エリザベスカラーはもう古い

 

ホットスポットは、急激に悪化しますが、その分動物病院でしっかり治療すれば治りも早く、大抵は数日で治るそうです。

患部が自然とかさぶたになるため、かさぶたが取れて皮膚が正常に戻ればもうそれで完治です。

 

まとめ

 

犬の病気の中で最も多く見られるのが皮膚病です。

その中でも、急激に悪化してしまい、とても注意が必要とされるのが「ホットスポット」です。

湿度が大きく影響するため、梅雨から夏にかけて特に注意が必要な皮膚病です。

今回ホットスポットの原因や予防法などを紹介したので、この記事を参考にして対応し、役立ててもらいたいと思います。