チワワたち犬にもドライアイが起こる!原因や症状と治療法

 

最近は仕事で1日パソコンを使い、普段も四六時中スマホ画面を見ているような生活環境です。

またコンタクトレンズが原因となったりして、人間ではドライアイがよく問題となっています。

ドライアイになると、目が乾く、目が疲れる、ゴロゴロするなどの不快感が生じ、目の痛みが起こったり、見えにくくなるなどの問題症状が発生します。

しかしイメージとして、特に重病とまでは感じないのではないでしょうか。

ところが犬の場合は状況が異なります。

そもそもワンちゃんにドライアイ何てあるのという認識の方も多いかも知れません。

ところがドライアイは当然犬にも起こる症状であり、人間と異なり放置してしまうと、ワンちゃんの場合、失明の恐れのある恐ろしいあなどれない病気なのです。

今回はワンちゃんにとっては恐ろしい病気となる、犬のドライアイの原因や症状、治療方法などについて紹介します。

犬のドライアイとは

犬のドライアイは、正式名称は乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん、KCS)といいます。

基本は人間のドライアイと同じであり、目を潤す涙の量が減ってしまうことで、目の表面が乾いてしまい、角膜や結膜が炎症を起こしてしまう状態をいいます。

ワンちゃんのドライアイが重症化すると、角膜の透明度が落ちてしまい、最悪の場合、失明することもある恐ろしい病気だと知っておきましょう。

ドライアイの特徴は、老犬になれば起こりやすくなる白内障などの病気と異なり、年齢に関係なく起こる病気だという点です。

だから若い元気なワンちゃんでもかかってしまうため、日ごろからの注意が必要です。

そのため目の異常が見られたケースでは、早めに一度動物病院で診察を受けるようにしましょう。

犬のドライアイの原因

愛犬がドライアイにかかる原因って、正直なかなか思い浮かびませんよね。

人間であれば、仕事で長時間のパソコン作業を行うなど、目を酷使することが原因だと考えられます。

最近は子供でも、ゲームを行うため起こってしまうようです。

このように人間であれば原因が想像できますが、ワンちゃんが目を酷使することもないはずですよね。

ただしドライアイにかかりやすい犬種があります。

・チワワ
・ヨークシャー・テリア
・ミニチュア・シュナウザー
・パグ
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・ペキニーズ
・ボストン・テリア
・アメリカン・コッカー・スパニエル
・ブルドッグ
・ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
・シーズー
・ラサアプソ

上記の犬種は眼球が飛び出しているため、ドライアイにかかりやすいとされているので注意しましょう。

犬のドライアイの原因は、免疫の異常や遺伝的な要因なども関係します。

それでは詳しくみていきましょう。

「眼球の表面積が大きい」

先ほど紹介したワンちゃんたちのように、大きいギョロ目で眼球が飛び出している犬種は、眼球の表面積が広いため、外気に触れあう割合が高まり、涙が正常に出ていても、どうしても涙が蒸発しやすくなってドライアイになりやすいです。

「涙液欠乏」

涙の量が減ってしまう涙液欠乏になれば、目が乾燥してしまうためドライアイになりやすくなります。

涙液欠乏となる原因は、涙腺の異常と第三眼瞼腺の異常です。

涙腺や第三眼瞼腺が涙液を提供しているため、この部分に異常があると涙の量が減ってしまいます。

異常を引き起こす要因は、炎症、神経障害、ジステンパーなどの感染症、サルファ剤を始めとした薬などの影響、チェリーアイの治療として第三眼瞼腺を切除した影響、眼球周辺の腫瘍に対して放射線治療を行った場合などが考えられます。

「マイボーム腺の機能低下」

涙液は、角膜側から粘液層、涙液水層、油層という3つの層があり、厚さはわずか0.01㎜という薄さです。

このうちの油層が、マイボーム腺というまぶたにある腺から分泌されており、涙液水層が蒸発するのを抑えてくれる働きをしています。

このため目の潤いをキープしてくれているのです。

しかし、マイボーム腺が異常を起こすと油層の分泌が減ってしまい、そのため涙液水層が蒸発しやすくなり、ドライアイになってしまうのです。

「遺伝」

ドライアイの原因としては、遺伝的な要因も疑われています。

「シェーグレン様症候群」によってドライアイを引き起こす犬種は以下の通りです。

・ブルドッグ
・ウェストハイランドホワイトテリア
・ミニチュアシュナウザー

シェーグレン様症候群とは、本来なら自分の体を守るはずの免疫系統が、自身の腺組織を異物とみなして攻撃して破壊してしまう病気です。

このため、涙腺や第三眼瞼腺を攻撃して破壊することで、ドライアイを引き起こします。

この他、まだ詳細が解明されていませんが、パグやヨークシャーテリアも、遺伝的な要因が疑われています。

犬のドライアイの症状

以下のような症状がみられる場合、ドライアイの可能性があります。

症状
・黄緑色の目やにが出る

・光などがまぶしそうに目を閉じる

・白目が充血する

・目の痙攣がおこる

・目をショボショボさせる

・前足で盛んに目をこする

・目の表面が白あるいは黒っぽくにごる

・まぶたがくっついてしまう

軽症のうちは、なかなか気づいてあげることが難しいです。

ただし、少し症状が進みだすと気になる点が現れ出します。

特に次の3点に注意してあげましょう。

1.黄緑色の目やにがたくさんつく

目やには特に朝起きた時によく出ます。

したがって寝起きの愛犬の目を確認してあげる習慣をつけましょう。

酷くなれば、目やにでまぶたがくっついて開けられなくなったりします。

ここまでの状態となれば、かなりドライアイの可能性が高まります。

2.目がくもる

愛犬の目の状態をチェックして、目の表面が白や黒っぽくくもっている場合も、ドライアイの可能性があります。

3.盛んに前足で目をこする

目に痛みが生じるため気になり、盛んに前足で目をこするようになります。

このような様子がうかがえる場合も、ドライアイの可能性があります。

紹介した3つの状態は、気がつきやすいので、ドライアイに気づく指針となります。
この他にも、目をしょぼつかせ、まぶしそうにしていたりしても注意信号です。

ドライアイの診断

ドライアイの診断には、「シルマー涙液試験」(Schirmer’s Tear Test, STT)を実施し、涙のしみ出る量を調べます。

検査方法
涙を吸収しやすい細い紙を目に挟む簡易テストを行います。

これで涙の分泌量を簡単に測ることができます。

診断結果は、正常時であれば1分間で15mm程度の変色があります。

ドライアイのワンちゃんの場合、10mm以下の変色となります。

犬のドライアイ予防法

犬のドライアイを防ぐ有効な予防法は正直あまりありません。

人間であれば目を酷使しないのが最適法となりますが、ワンちゃんは特に目を酷使しているわけではありません。

・目が乾燥しないように、部屋を加湿する
・目を優しくマッサージしてあげ、疲れをとり涙の分泌を促してあげる

上記2点を試してあげましょう。

さらに大事なことが、少しでも早くドライアイの症状に飼い主さんが気づいてあげることです。

したがって、紹介したドライアイの症状を把握して、定期的にチェックしてあげましょう。

そして少しでも気になる症状を発見したならば、迷わず一度動物病院に連れていき獣医師の受診を受けることです。

ドライアイは慢性疾患とされていますが、早期治療すれば完治も望めます。

先ほど紹介したシルマー涙液試験を受ければ、すぐドライアイかどうかの診断もできてしまします。

犬のドライアイ治療法

犬のドライアイの治療は、主に目薬による内科的療法となります。

「ドライアイ用目薬」

犬のドライアイ用の目薬には、軟膏タイプと通常の目薬タイプの2つがあります。

軟膏タイプの薬の特徴は、抗菌作用が働き、炎症を抑え、涙の分泌を促します。

主な種類は次の通りです。

・エコリシン眼軟膏(抗生剤の眼軟膏)
・オプティミューン眼軟膏(免疫抑制剤)

ドライアイの原因の一つが、目の異常な免疫反応です。

このため、免疫を抑制できるオプティミューン眼軟膏は有効です。

さらに、涙腺刺激作用もあるため、涙腺を刺激することで涙の量を増やす働きも期待できます。

したがって、ドライアイ改善にオプティミューン眼軟膏はかなり効き目を発揮してくれてよく使われますが、価格は少し高目です。

目薬タイプの薬は、通常涙の分泌を促す働きをします。

ジクアス点眼液やヒアルロン酸の点眼液などがよく使用されます。

また、目を乾かさないように、薬剤の入っていない人工涙液を毎日定期的に刺すこともよく行います。

後よく行う方法として、その犬自身の血清を使用します。

ドライアイになると、涙の量が減るため、涙に含まれている栄養も不足することとなります。

このため、ドライアイの犬から血液を採取し、血清にした目薬を動物病院で作成するケースがあります。

血液には栄養が豊富に含まれているため、有効なドライアイの治療目薬となるのです。

ドライアイの症状が重症化してしまい、目薬による内科的療法では効き目がない場合、手術による外科的治療を行うことになります。

犬のドライアイは、重症化すれば失明につながることもあり、簡単に放置できません。

手術費用は通常であれば、10万円以上は見込んでおく必要があります。

手術するかどうかは、獣医さんと十分相談した上で決定するようにしましょう。

手術まで行うケースでは、眼科を設置している動物病院もあるため、かかりつけの獣医から専門医のいる総合病院を紹介してもらうのがおすすめです。