メス犬の避妊手術をするメリット・デメリット!手術の必要性について
メス犬の避妊手術に関しては、する、しない賛否両論ありますね。
これはオス犬の去勢手術に関しても同様であり、前回はオス犬の去勢手術に関してのメリット・デメリットを紹介しました。
オス犬の去勢手術が気になる方は、次の記事を参照してください。
今回も前回同様、愛犬の避妊手術を行うかどうかを迷っている飼い主さんのために、メス犬の避妊手術をするメリット・デメリットと、手術の必要性について紹介するので、是非参考にしてみてください。
避妊手術の必要性について
愛犬の避妊手術を考える際の最大のポイントも、前回のオス犬の去勢手術と同様であり、この子の子供を見てみたいのかという問題です。
犬好きの方は、ワンちゃんが居ない暮らしは耐えられないようです。
我が家も愛犬が亡くなった後には、必ず次のワンちゃんを直ぐに引き続いて飼っています。
愛犬と一緒に暮らせばどんどん愛着が増し、可愛さでいっぱいになってしまいます。
そうなれば、やはりこの子の子供を見てみたいという気持ちが沸き起こってくるものです。
犬の寿命は人間と比較して遥かに短いため、ずっと一緒に暮らしていこうとした場合、飼い換えていく必要があります。
このような考えの飼い主さんであれば、愛犬の避妊手術を考える必要はないでしょう。
また、最初から愛犬に子供を産ませる気がないと決断しているのであれば、避妊手術に踏み切っても良いでしょう。
避妊手術が広まった背景の一つに、不幸なワンちゃんを増やさないためという切実な問題目的があります。
オス犬は、勝手に腹ませて知らんぷりなんてケースも多いのですが、お腹に子供が授かるメス犬にとっては、切実な問題となってしまいます。
飼い主さんにとっては、予定外の思わぬ妊娠・出産だったりするわけです。
その結果の悲しい現実問題として、飼い主が子犬を捨てさることも多くあったのです。
このような環境に鑑み、悲しい記憶の結果、避妊手術は広まったともいえます。
現在では室内犬が増え、あまり考えられない非現実なこととなりましたが、今でも思わぬハプニングは十分に起こり得ると知っておきましょう。
さて、話を戻しますが、現実問題としてはそのようにはっきりと決断できないものです。
飼い主さんが、去勢手術の判断に悩む主な理由は次の通りです。
・避妊手術により病気が予防できる
・健康なのに避妊手術するのは自然の摂理に反する
・自然の摂理のままが一番ではないか
・術中に体調異変が起きて最悪な事態を招くかもしれない
・小さな体にメスを入れるのは可哀想
・かなりの費用がかかる
このような理由から、愛犬の避妊手術の必要性について悩んでしまうわけです。
引き続いて具体なメリットとデメリットについて紹介します。
・生殖器疾患の予防(卵巣嚢腫・子宮蓄膿症・卵巣腫瘍・乳腺腫瘍 etc.)
・発情期(ヒート期)の食欲不振などのストレスからの解放
・他のメス犬に対する攻撃性の低下
・ヒート期の飼い主の手間の減少(オス犬を避ける・生理中の血の処置など)
・自由にドッグカフェなどに入場可能となる
「望まない愛犬の妊娠を防ぐことができる」
最近でこそ、あまり考えられない非現実なこととなってきていますが、ひと昔までは知らない間に愛犬が妊娠してしまうことが、悲惨な切実な問題だったのです。
この現実こそが、最初にメス犬の避妊手術が高まった原因だとされています。
「乳腺腫瘍」
未避妊メスと避妊メスとの乳腺腫瘍の発生リスクを比較した場合、未避妊メスの方が7倍も発生リスクが高まるとされています。
また、避妊手術の病気の予防効果として、手術の時期が影響する病気として一番よく知られているのが乳腺腫瘍の発生割合です。
犬において乳腺の腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍(乳腺癌など)に分かれます。
この悪性腫瘍の発生の割合が、避妊の手術のタイミングの有無であきらかに差があることが明らかにされ注目されています。
乳腺腫瘍の発生率は、手術の時期で以下の通りとなります。
避妊手術する時期 | 乳腺腫瘍の発生率(%) |
初回発情前の避妊手術 | 0.05% |
初回発情と2回目の発情の間の手術 | 8% |
2回目以降の発情後の避妊手術 | 26% |
またワンちゃんが、中年齢以降になってから避妊手術した場合では、悪性腫瘍の発生リスクは低下しないが、良性腫瘍の発生リスクは下げることが可能だとの報告もあります。
「子宮蓄膿症」
子宮蓄膿症とは、子宮に膿が溜まってしまう病気であり、この病気は救急疾患のため、迅速な対応が必要となり、何もしないで放置してしまうと命を失うほどの怖い病気です。
特に一度も子供を産んだことがない中高年のメス犬は、この病気にかかるリスクが高いようです。
「卵巣の疾患」
犬は人間とは異なり、閉経はないとされていますが、さすがに高齢になると発情が来なくなるようです。
ワンちゃんが高齢になった場合、当然ですが加齢に伴い自然と卵巣の疾患が増えてきます。
これは卵巣の機能が衰えてくるためですが、避妊手術をすることで、そのリスクが抑えられるといえます。
「ヒート期のストレスからの解放」
メス犬を飼っている方はお分かりでしょうが、ヒート中はいつもと違った行動が起こったりします。
本能でオス犬を迎える準備をしているため、落ち着かずソワソワしており、よく目立つのが食欲が低下してしまうことです。
ヒート期は年に1~2回であり、その期間もせいぜい7日間~10日間程度のため、多少食欲が低下しても大きな問題にはなりません。
しかし食欲不振を招くほどの精神面のストレスは、大きな影響を与えているように感じられます。
本来であれば、オス犬を迎えるこの時期に、ひたすら準備しながら望みがかなわないわけですから、その負担のストレス被害は大きいといえます。
避妊手術することで、これらのストレスを省けるのは大きなメリットといえます。
「攻撃性の低下」
避妊手術することで、一般的には攻撃性の低下を招くことができるとされています。
ただしこれは個性が大きく働き、性格や学習などいろんな要因も絡んできます。
なかにはメス犬の場合、手術をすることで反対にかえって攻撃性が増したという報告もあったりします。
「ヒート期の飼い主の手間の減少」
愛犬のヒート期の生理の血の処置は、注意する必要があります。
うっかりすると、布団や服などを汚してしまうケースが生じてしまいます。
しかしヒートの時期は長くはないので、その期間中専用のパンツを履かしてあげれば、ほぼ問題は防げてしまいます。
中には、気になってパンツを食い破るようなワンちゃんもいるため、そのような子の場合は要注意です。
このような対応をしておけばさほど大きな問題とはなりません。
所詮は飼い主サイドの問題であり、さほど取り上げなくても大丈夫です。
「犬がよく出入りする公共の場に自由に行ける」
これもヒート期限定の不自由のため、それほど大きな問題ではないといえます。
ただし、うっかりヒート期間中に、ドッグランやドッグカフェなどの公共の場に連れて行ってしまい、トラブルを招いてしまうと問題です。
しっかりと、愛犬のヒート期間を認識しておくことが大切となりますが、手術によりそれらの心配が排除できます。
・性的ストレスからの解放により、基礎的な消費カロリーが減少しやすくなるため、太りやすくなる
・生殖機能が失われるため、繁殖できなくなる
・精神的に幼さが残る可能性がある
・身体中のホルモンバランスの変化により、行動がオス化しやすい
・尿失禁、脱毛、陰部の皮膚炎、骨肉腫などのリスク増加
「手術のリスク」
避妊手術の最大のデメリットと言えるリスクは、最悪の場合、愛犬が死ぬ可能性があるということです。
全身麻酔のリスクも加えて、失敗する可能性は約0.1%と言われています。
これは約1,000頭に1頭の割合です。
したがって、まず起こるようなことはありませんが、最悪死亡することもあると認識だけはしておきましょう。
メス犬の避妊手術は、開腹手術となる分、切除手術で済むオスの去勢手術よりは、リスクが少し高まります。
「肥満になりやすい」
避妊&去勢の手術後に、愛犬が太ってしまったという話をよく耳にします。
ただしこれは、自覚して飼い主さんがきちんとロリー量や食事量の調整などを行い、愛犬の食事管理をすれば防げる問題です。
愛犬の食事管理は、手術に関係なく行うべき問題であり、そう考えれば特に大きな問題とならないはずです。
人間の場合、食欲の誘惑に勝てず、食べ過ぎてしまうケースが起こりますが、ワンちゃんの場合、エサを与えられない限り、自分から食べることは不可能です。
したがって、飼い主さんがしっかり愛犬の食事管理を行えば、さほど困難な問題ではないのです。
最近は、カロリー調整を行ったダイエットフードなどの種類も豊富です。
適したダイエットフードを選んであげましょう。
どのようなフードが良いか分からない飼い主さんは、次の記事を参考にして選んでみてください。
「繁殖できなくなる」
これは明白な事実です。
当然ですが、愛犬を一度手術してしまえば、二度と繁殖させたくてもできなくなります。
「精神的に幼さが残る」
犬も人間と同じで歳を重ねることで、本来であれば精神的に落ち着きが出てきて成長していきます。
しかし、去勢することにより、その成長に影響が生じ、精神的に幼さが残ることがあると言われています。
「行動がオス化しやすい」
ホルモンの変化の関係上、行動がオス化しやすいと言われていますが、本当のオスと比較すれば問題行動は目立ちません。
それほど問題視することはないでしょう。
「尿失禁、脱毛、陰部の皮膚炎、骨肉腫などのリスク増加」
避妊手術により、多くの病気の予防ができるとされていますが、反面、尿失禁、脱毛、陰部の皮膚炎、骨肉腫などのリスク増加があることも知っておきましょう。
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