チワワを見てもらうトリマーがすぐ変わる理由は何故?疑問を検証

 

チワワをトリミングサロンに通わせていると、お願いしたいトリマーさんがいなくなってしまったりしていて、移り変わりが予想以上に激しいことに気づかされてしまいます。
トリマーさんといえば、一定以上の技術力を要する専門職であり、動物を好きな人も多く違う職業に簡単に移るとも思えません。
思った以上にやはり大変な職業なのでしょうか?
トリマーの仕事はとてもハードで、手のケガは日常茶飯事なんてことを聞いたこともあります。

気にいって信頼していた担当者がいなくなってしまえば本当に残念です。
しかし、仕事を辞めるにはそれなりの様々な理由が存在するはずです。
今回は、何故トリマーさんは仕事をよく辞めることが多いのか?
また、トリマーさんの仕事の内容や資格についても紹介します。

トリマーについて

「どうすればあなたもトリマーになれるのか」

トリマーになるのに資格は必須ではありません。
例えば、ブリーダーのアシスタントをしたり、ペットショップで働いていたり、ペットサロンで補助をしながら働くなどして、技術を少しずつ自然と身につけることでトリマーとして認められるケースもあるようです。
しかし、通常ペットサロンが求人募集する場合、公認トリマーの資格を取得していることを条件にしているケースが多いため、資格を取っておくべきでしょう。

トリマーになるための専門学校があるので、そこに1年ほど通い、試験を受けて公認トリマーの資格を取得するケースが通常でしょう。
例えば、「ジャパンケネルクラブ(JKC)」という団体の公認トリマー資格には「C・B・A級」とさらに上級の「教士」「師範」という具合の5種類があります。
「C級」の試験を取得しようと思えば通常、専門学校に1年ほど通えば多くの人が合格できます。

実技試験があり、ワンちゃんにケガを負わせてしまったり、必要以上に時間がかかるなどというような失敗をしなければ、不合格になることはあまりないようです。
上級資格を取得するためには、さらに長く学校に通うことになります。
通常であれは、「C級」の資格があれば問題なくトリマーとして現場で働くことが可能なので、大半の人は「C級」の資格さえ取得すればそのまま卒業していき、実際に現場で働き技術力を磨いて腕を上げていきます。

「勤務先の場所について」

専門のペットサロンが一番多くなります。
その他には、ペットショップやブリーダーの犬舎、動物病院などが多くなり、トリミングも同時にやっている場所となります。
ペットショップの場合などは、トリミングだけではなくて、接客が要求されて普通の店員としてのお店の仕事も同時にこなしていく必要があることが多いと言えます。

技術力を身に付けて人脈やお金があれば、フリーとして独立して、独立開業することも可能です。

トリマーがよくトリミングサロンを移る理由

「独立開業する」

ある程度の技術を修得した時点で、独立開業するために働いているトリミングサロンを辞めて移っていくことも多いようです。
自分で独立開業して成功できれば収入も増えます。
また、自分の個性を出したいという想いが強く、フリーになったり、独立開業するケ-スも多いと言います。

「ハードな仕事」

動物関係の仕事は、動物を好きな人が希望して、可愛いワンちゃんたちに囲まれて楽しく仕事ができるとのイメージを抱く人が多いようですが、実情は思ったよりもハードな仕事なのです。

奉仕作業の仕事は、大変と相場が決まっています。
介護施設や医療機関と同様に、トリマーの仕事も俗によく言われるところの3Kの仕事であるため、どうしても体力勝負のところもあります。

例えば、大型犬のシャンプーやカットになると本当に大変です。
ワンちゃんが嫌がって暴れることだってありますし、本当に人の介護と変わらず同様の
力が必要です。

「危険な仕事」

実は想像以上に危険な仕事です。
最近では、暴れたり危険なワンちゃんはお断りするサロンも増えてきているようですが、手のケガは日常茶飯事と言われるほどです。
少し油断してしまうと、ワンちゃんに嚙まれて指を骨折したり何てことが起こってしまいます。

トリミングサロンに来たワンちゃんは、見知らぬ環境、また、知らない人や他の犬の臭いや鳴き声などに興奮してしまうことも多く、攻撃性が強くなり、突然咬みつき暴れ狂う何ていうケースもあります。
また、生まれたばかりで初めてトリミングを経験する子犬の場合も、器具などにおびえたりして噛みついてくることが多く要注意です。

さらにこのようなワンちゃんの攻撃をかわしながらも、ワンちゃんにケガをさせないことが絶対条件となります。
こういう条件の中で、ワンちゃんを傷つけないように注意しながらカットしていくのは、とても神経を使うハードな仕事なのです。

また特に、チワワなどの小型犬は、トリミング台から落下させてしまえば、すぐ骨折してしまうし、頭を打った場合、最悪死亡してしまう危険もあり得ます。

さらに人畜共通感染症の危険も常にあります。
ワンちゃんに咬まれたり引っ掛かれたりしたことから破傷風になったり、真菌症などの皮膚感染も頻繁に生じてしまいます。
なお、意外に辞める原因となるのが、仕事を初めてから動物アレルギーが発覚してしまうケースです。

「汚い仕事」

ワンちゃんを可愛くカットしたり、シャンプーする仕事とのイメージから、綺麗なオシャレなイメージとしてとらえているとギャプ差を感じてしまいます。
現実は、ワンちゃんのオシッコやウンチ、ヨダレなどにまみれた想像するよりはるかに汚い仕事なのです。
また、肛門絞りなどは、肛門腺が飛び散り大変です。
顔にかかったり、口の中に入ってしまうことがあったりもします。

ワンちゃんたちの獣臭も体に染みついてしまいます。
また、犬の抜け毛が体中につきますし、口や目の中にも入ってくるものです。

「技術が求められる」

仕事である以上技術が求められるのは当然ですが、技術力の差がシビアに現れて評価につながる仕事です。
それだけに結構精神的プレッシャーに追い込まれ、劣等感にさいなまれ耐えられなくなり辞めてしまうトリマーもいるのです。

例えばプードルで言えば、まるでクマのぬいぐるみのように可愛い、ベアーカットなどは有名ですが、人気だけに飼い主のお客様一人ひとりのこだわりが相当なものだったりもします。
細かい要求に答えてカットするにはかなりの技術力を必要とします。

さらに、お客様からの評価のみならず、店サイドや先輩や後輩からの評価も気になるところです。
実はワンちゃんからの評価もシビアだったりします。
ワンちゃんは正直に態度に出るから怖いんですよ。

また、トリミングしていると、ワンちゃんの皮膚や毛の状態などを細かくチェックするため、体調の変化などを飼い主さんにアドバイスしてあげることが可能となります。
プロである以上、このような気配りも技術力の一つであり必要となります。
しかしこのような指摘をしてあげると飼い主さんから感謝されることが多く、カットを褒められ指名をお願いされた時と同様に、やりがいを感じる瞬間でもあると思います。

「結婚や出産」

通常の会社でも女性の場合、結婚や出産を契機として仕事を辞めるケースは多いものです。
トリマーの世界は圧倒的に女性トリマーの数が多いため、寿退社で辞めてしまう人も多いのです。
動物の仕事は体力戦のため思った以上に大変であり、子供を授かってしまうと離れていくケースは多いと言います。

「給料が安い」

トリマーの平均月収は15万程度と言われています。
都会ではもう少し高くなるようですが、この給料で社会保険が完備されていない職場も多く、かなり厳しい現状を抱えています。
特に家庭を養う必要がある男性トリマーには切実な問題となります。
動物が大好きと言いながらも、経済面の問題からあきらめ辞める人も多いようです。

「お客様は人間」

動物が大好きという人は、意外に人間との関わりが苦てだったりするものです。
人間が苦手なため、なついてくれる動物にはまっていき、動物関係の仕事を選んだわけです。

専門学校で技術を学んでいる間は、複雑な人間関係など生じなく、楽しく感じ希望に燃えていた人が、いざ現実の社会に出て働き出せば、思った以上に飼い主さんからの要求が多かったりして、苦手な人間である飼い主さんとのコミュニケーションが重要だったりします。
このため、人とのコミュニケーションに悩み、苦手なことが原因となり辞めてしまうトリマーも多いそうです。

さいごに

生活していくための仕事は、どのようなものでも大変なものです。
その中でもトリマーの仕事は、3Kの仕事であり神経を使うハードな仕事と言えます。
しかし動物が大好きな人であれば、やりがいもある仕事なのも事実です。
今回はデメリットを並べて紹介しましたが、技術が伴ってくれば苦労が多くてもやりがいが上がり、可愛いワンちゃんと触れ合う仕事は魅力一杯です。

飼い主さんも一方的に要求を並び立てるばかりでなく、トリマーさんと話しあい信頼関係を築いていってもらいたいと希望します。
介護関係と同様に経済面で厳しい世界なので、もう少し環境改善されるといいですね。