犬のクッシング症候群!一目で分かる3つの原因と症状を教えます
犬のクッシング症候群なんて言われても、正直どんな病気か分からないことでしょう。
原因は副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が過剰になることです。
つまりある種のホルモンが出過ぎてしまうために、いろんな問題症状が出る病気ということです。
今回は犬のクッシング症候群について、その原因や症状について分かりやすく紹介します。
クッシング症候群とは
クッシング症候群とは、別名副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。
ホルモンは、動物が生きていく上で必要不可欠な働きをもたらしますが、足らなくても多すぎても問題となってしまいます。
犬の場合、下垂体・甲状腺・副腎などの器官からホルモンは分泌され、血液の流れに乗って全身を巡って、体の様々箇所で働きます。
血圧を調整したり、血糖値を一定に保つなど重要な役割を果たしています。
クッシング症候群の場合、別名から察する通り、副腎皮質からホルモンが分泌され、つまり頑張って働きすぎて必要以上に多くの量を分泌しすぎて問題が生じてしまうのです。
クッシング症候群は、5歳以上のワンちゃんによく発症し、メスの方がかかりやすいとされています。
ちなみにかかりやすいとされる好発犬種は次の通りです。
・トイ・プードル
・ミニチュア・プードル
・ボクサー
・ダックスフント
・ジャーマン・シェパード
副腎皮質からは、「コルチゾール」というホルモンが出ています。
副腎皮質は、脳の一部である「下垂体」からの指令に従って、コルチゾールを作ります。
このためコルチゾールの量が多くなるのは、「下垂体」と「副腎」のどちらかが原因となっているわけです。
犬のクッシング症候群の3つの原因
先ほど紹介した通りクッシング症候群の原因は、「下垂体」と「副腎」のどちらかが原因となります。
そしてさらにそれに、薬の副作用などの医原性の原因が加えられます。
1.下垂体の問題
コルチゾールの分泌量は、脳の下垂体からの指令にしたがって、その量が調節されています。
そのため、下垂体に腫瘍ができるなどの異常が生じることで、コルチゾールを出すための指令が誤ってしまいます。
その結果として、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)が過剰に分泌されます。
下垂体腫瘍が、犬のクッシング症候群の原因の約9割になるとされています。
2.副腎の問題
副腎自体が腫瘍になるなどの問題が生じることでも、コルチゾールの分泌量が狂ってしまい過剰分泌されます。
残りの1割の原因が、この副腎の問題となります。
3.医原性
ステロイド剤の長期使用や、大量投与などの医療行為が問題となる医原性によって、コルチゾールの分泌量が増加するケースがあります。
ステロイド剤は通常、関節炎や皮膚炎、アレルギーなどいろいろな症状に対して使用されます。
そしてステロイド剤には、副腎皮質ホルモンと同様の働きがあるため、その作用としてホルモンが過剰分泌してしまうことがあるのです。
このようにステロイド剤使用などの医原性により、クッシング症候群のような症状が出てしまうこともありえるのです。
飼い主さんが、少しでもこのような知識を持っていれば、疑問を感じセカンドオピニオンを利用することが生まれるかも知れませんね。
動物病院を受診するケースで、何か気になることが生じた場合には、時にはセカンドオピニオンとして、他の動物病院を受診してみることもおすすめです。
犬のクッシング症候群の症状
クッシング症候群の原因が、ホルモンの過剰分泌であることが分かりましたが、果してどのような症状が生じるのか見ていきましょう。
クッシング症候群は、正直なかなか飼い主さんが気づきにくい病気とされています。
発症時期も5歳を過ぎた中高齢当たりのためであり、息が荒くなったり、毛が薄くなってきても当然と思われやすく、見た目は食欲があるため元気に見えるからです。
このため、飼い主さんは愛犬の病気に全然気づいておらず、最近お腹が出てきたために、ひょっとして妊娠したのかとの疑いで動物病院を受診したところ、実はクッシング症候群だったと診断され、飼い主さんがビックリ仰天したなんて笑い話のようなことが多く起こっているそうです。
「初期症状」
クッシング症候群の代表的な初期症状は以下の通りです。
・食事を異常に欲しがるようになり、そして実際に沢山食べます。
・毛が抜けて全体的に毛が薄くなっていきます。
・左右対称の脱毛が起こってきます。また痛みは伴いません。
・皮膚がペラペラなほどに薄くなり、ひどい時は筋肉が薄く透けて見えるほどです。
・お腹が出てぽっこりと膨れるポットベリーと呼ばれる症状になります。
・皮膚に白く見えるライン状のカルシウム塩の沈着ができます。
・筋力が落ちて足腰が弱り、散歩などにも行きたくなくなります。
・息が荒いパンティングを起こします。
クッシング症候群になると、上記の通りいろんな症状が起こってきます。
この中でもクッシング症候群になると、100%に近い確立で起こる症状が多飲多尿です。
なかなかどの程度の水をワンちゃんが飲めば、多飲なのか判断ができないことでしょう。
目安は1日に愛犬が、体重1kgあたり100cc以上の水を飲むケースでは、異常と判断すべきです。
このため仮にあなたの愛犬が、体重3kgであれば、300cc以上の水を飲む場合は、多飲とみなすわけです。
ちなみにワンちゃんの尿の量の判断は、1日に体重1kgあたり50ccとなります。
愛犬の多飲多尿を疑う場合、簡単にできるので、一度1日の愛犬が飲む水の量を測ってみるのがおすすめです。
「飲水量の測り方」
一番簡単な飲水量の測り方は、お皿を使用することです。
空っぽのお皿に500mlのペットボトルに入れた水を注ぎます。
5kgまでのワンちゃんであれば、これを24時間観察して測定すればOKです。
もっと大型のワンちゃんならば、お皿の水が空にならないように注意して500mlずつ継ぎ足し、同様に24時間観察して測定すればOKです。
これだけのことで簡単に測れてしまうので、是非1度行ってみてください。
愛犬が多飲多尿でお腹が出てきた場合、クッシング症候群の疑いが高まります。
さらに毛が薄くなり、痒がって掻いてもいないのに、左右対処な脱毛によるハゲができればもう疑いようがありませんね。
クッシング症候群は、比較的目に見える症状が多いのが特徴といえ、少し飼い主さんにクッシング症候群に対する知識があれば割と気づきやすい病気といえます。
「進行症状」
クッシング症候群が進行すると以下の通りの状態となります。
・糖尿病
・高血圧
・膵炎
・感染症(皮膚炎や膀胱炎など)
特に合併症を引き起こしてしまうと最悪命を落としてしまうケースもあり非常に危険です。
愛犬がたくさんご飯を食べているのに、体重が減るなんて場合はかなりヤバイですよ。
まとめ
クッシング症候群を気づかない飼い主さんが多いとされていますが、実際には目立つ症状が多く、簡単に気づいてあげられるはずの病気なのです。
食欲があるため元気に見える、お腹が出てきたり、毛が薄くなってきても老化現象だと思ってしまう何てことが原因となっています。
これは飼い主さんの無知が原因であり、そのような症状が生じる病気があるとの認識がまるっきり無いため気づけないのです。
愛犬を飼う以上、最低ワンちゃんがよくかかるような病気の原因や症状当たりは、少しでも学習しておきましょう。
一度でもこのような記事を読んで頭の隅に引っかけておけば、「あれこの症状まずいんじゃない」と気づけるはずですよ。
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