犬が回虫に感染する3つの原因と寄生された時の症状

 

愛犬のお腹の中に回虫がいるとしても、回虫特有の症状はないためなかなか気づきにくく、

便や嘔吐物の中から回虫が出てくることで初めて気づくことも多いようです。

犬の回虫は人間にも感染してしまうため、万一愛犬が回虫に感染した場合は、家族全員検査を受けるのがおすすめです。

犬回虫の幼虫が人間の体内に入ってしまったケースでは、じつは成虫になることはできません。

ただし、幼虫のままの状態で人の体内を巡って、眼球や肝臓などに侵入し幼虫移行症というさまざまな障害を引き起こすので注意が必要です。

それによって発症する感染症のことを「トキソカラ症」と呼びます。

今回は、犬が回虫に感染する3つの原因と寄生された時の症状について紹介します。

一度回虫症にかかった犬は要注意です。

再発させないためにも、しっかり感染原因を知っておくことが大切になります。

 

回虫とは

上記画像のように、回虫はミミズを白くしたようなイメージで、体長は5cm~18cm程度(雌で5~18cm、雄で4~10cm)です。

くるっと、回るようになることから、「回虫」と名づけられたそうです。

なんと1日で約10万個もの卵を産むというから驚きです。

回虫の卵は2~4週間程度で感染可能な状態となり、感染力を持ち合わせた状態のまま数年間も待機しているといいます。

じつは犬に寄生する回虫には、犬回虫と犬小回虫の2種類があります。

犬回虫は、ほとんどが母親からの経胎盤感染であり、6ヶ月以上になると成虫は、自然に消化管から排除されてしまいます。

このため感染した子犬は、生後3週目から虫卵を排出するとされていますが、成犬になれば虫卵はほとんど確認されません。

犬小回虫は、主に汚染糞便への接触から感染し、感染後2ヶ月前後で成虫になります。

胎盤感染は起らないため、幼犬での被害はほとんどなく、多くは成犬が感染します。

 

犬が回虫に感染する3つの原因

 

犬が回虫に感染してしまうこととなる主な3つの原因は次の通りです。

  • 経口感染
  • 垂直感染(母子感染・経胎盤感染)
  • 免疫力の低下

 

「経口感染」

経口感染の主な感染ルートは、虫卵に汚染された糞便をワンちゃんが、触ったり食べてしまうことです。

また、愛犬が卵で汚染された土壌で遊んだ際に卵が口に入ってしまうという、土食ルートもあります。

その他のルートとしては、排泄物を食べたネズミなどの他の小動物を摂食することで、間接的に卵を取り込んでしまうというパターンがあります。

このため、リードなしの散歩は要注意であり、飼い主の目が届かないところで感染してしまう可能性が高まります。

 

「垂直感染(母子感染・経胎盤感染)」

回虫症に感染した母犬から、胎盤を経由して子犬に回虫が移ってしまうことがあります。

これを垂直感染(母子感染・経胎盤感染)と呼びます。

妊娠した母犬の体内では、妊娠45日目くらいから、組織内で「シスト」という殻をかぶって隠れていた幼虫が目を覚まし始めます。

そして、腸管、胎盤、乳腺といった様々な組織内に移行するようになります。

生まれてくる子犬には、危険な3パターンの感染ルートがあると知っておきましょう。

  • 胎盤経由で幼虫が体内に侵入する危険、
  • 生まれてすぐに飲んだ母乳経由で幼虫が体内に侵入する危険
  • 母犬の糞便を誤って口に入れることで幼虫が体内に侵入する危険

このように3つの危険があるため非常にかかりやすく、子犬をターゲットにして子犬の体内で成長していく寄生虫なのです。

母犬に異常が見られないからと言って油断してはダメです。

成犬は感染しても無症状であることが多いため、子犬も大丈夫とは限りません。

気づかないうちに産まれた子犬たちが感染しているケースが多いため、母犬の感染有無や子犬の症状有無に関わらず、生まれた子犬には検査を行い、感染していれば回虫駆除することがおすすめです。

 

「免疫力の低下」

免疫力が低下してしまうと、普段なら感染しないような状態でも、回虫に感染してしまうことになります。

このため、一度完治して抑制できるはずの回虫症に再び感染してしまったり、免疫力がまだきちんと備わっていない生後6ヶ月までの子犬や、免疫力が低下した老犬などは、回虫が体内でふ化した場合、排出できずに体内で成長してしまいます。

なお、免疫力低下は回虫だけではなく、その他の様々な病気の原因になりかねないので、飼い主さんは環境に気を配り、バランスの良い食事やストレスのない環境造りを心がけて、愛犬をしっかりと守ってあげましょう。

免疫力低下の主な原因は次の通りです。

主な原因
・免疫抑制効果のある糖質コルチコイドの投与によって犬の免疫力を低下させる

・ライフスタイルの変化のより犬にストレスをかけて、その結果として免疫力を低下させてしまう

・食べ物の栄養バランスが悪く、犬の免疫力を低下させる

 

愛犬の犬回虫症の代表的な症状

 

元気な成犬が感染しても犬回虫は体内で発育せず幼虫のままでいる為、ほとんどの場合症状がでませんが、免疫力の低い子犬や老犬などが感染した場合には、以下のように多くの症状が現れてきます。

症状
・元気が無くなる

・発育不良

・体重が減る、痩せる

・食欲不振

・貧血

・下痢

・便秘

・腹痛

・嘔吐

・食べ物ではないものを食べる異嗜

・皮膚のたるみ(皮膚弛緩)

・毛づやの悪化

・腹部が膨張する

・吐く息が甘くなる

・肺炎

 

「食欲不振」

回虫の卵が犬の体内に入り込むと小腸でふ化します。

ふ化した幼虫は、腸の粘膜に潜り込んで血液やリンパ液の流れにのって肝臓や肺に巡っていきます。

このためワンちゃんは食欲が低下し、あまり餌を食べなくなります。

その結果、体重が減り、毛つやの悪化や皮膚のたるみなどが生じ、元気がなくなります。

 

「嘔吐」

嘔吐物の中から回虫が出てくることがあります。

これは回虫がどんどん増えて、大きさも成長すれば雌で5~18cm、雄で4~10cmにもなるため、お腹が圧迫された結果、回虫を戻そうとして嘔吐するのです。

愛犬が嘔吐を頻繁に行い、嘔吐物の中から回虫が出てくるようになった症状では、すでにかなりの数の回虫が増殖している状態になってしまっています。

 

「下痢」

回虫がお腹に入り込み、胆管や膵管のような箇所に入り込んだ場合には、突然の激しい痛みが生じ、下痢などの症状が引き起こされてしまいます。

子犬を新しく飼った時に、頻繁に下痢を起こす場合、犬回虫症の疑いがあります。

便により回虫を上手く排出することもありますが、安心してはいけません。

可能性としては、当然まだお腹の中に卵や成虫が残っている場合と考えるべきであり、動物病院に行って虫下し等の処置をしてもらうのが良いでしょう。

 

「腹部の膨らみ」

回虫症が愛犬の体内で成長し増殖していくことで、お腹が見た目でも分かるような太鼓腹になって、腹部の膨らみが起こってきます。

当然一気に膨らむわけではありませんが、確実に徐々に大きく膨らんでいくため、日ごろから愛犬のお腹の大きさも確認するようにしておきましょう。

なお、肥満とは異なり、お尻や足などは太くならないため、お腹だけがぽっこリ膨らむため、よく目立ち異常に気づきやすいといえます。

 

「発育不良」

回虫が増加していく事により食欲が落ちていきます。

その結果、発育不良や栄養低下などの影響が生じ、体重も減少していきやせ細りしたり、毛艶が悪くなったりします。

 

「病気」

回虫が原因となり様々な病気が引き起こされます。

回虫が腸内を傷つけるために、貧血や血便を起こすことがよくあります。

また、腸内に毒素が出てしまい、そのためガスが溜まる鼓張症(こちょうしょう)になれば、お腹が膨らんでしまいます。

けいれんや麻痺を起こすこともあります。

さらに回虫が大量発生してしまえば、腸閉塞を起こす危険もあります。

急激に腹部が腫れてきた場合は腸閉塞を疑いましょう。

腸閉塞は放置せずに、早急に対応しないと命にまで関与してしまいます。

また、症状が進行してしまえば、肺炎を引き起こすこともあります。

 

まとめ

 

原因を知る事で、愛犬が回虫症にならないように心がけることが大切です。

特に、経口感染の場合、飼い主さんが注意してあげることで、感染りスクを大きく減少させることが可能となります。