犬ヘルペス感染症の原因と症状と治療法!他の動物に移るのか

 

犬ヘルペス感染症は「イヌヘルペスウィルス」によって起こる病気です。

ほとんどの場合の感染経路が、母犬から子犬というルートとなり、そのため同腹で生まれた子犬全部が感染してしまうことが多いといえます。

免疫力が未発達で抵抗力の弱い子犬が感染すると、死亡する危険性がとても高い怖い病気です。

また、犬ヘルペス感染症の厄介なところは、一度感染してしまうと、潜伏感染が生涯にわたって続くことです。

このため、ワンちゃんの免疫力が弱った際には、再びウイルスが増殖して症状が現れてきます。

今回は、幼犬での致死率が非常に高く、また何度も再発する可能性があるちょっと厄介な病気である犬ヘルペス感染症の原因と症状、治療法について紹介します。

 

犬ヘルペス感染症の原因

 

犬ヘルペスウィルスの感染経路は、現在まだはっきりと判明していませんが、多くのケースで母犬から子犬に感染します。

その場合、次のような形での感染となります。

「垂直感染」

母犬が妊娠中に感染した場合、胎仔は胎盤を経由してウイルスに感染します。

潜伏期間はおよそ1週間とされているため、出産前の3~4週間前に感染したケースでは、ほとんどが流産となってしまい、仮に生きて生まれた場合でも瀕死の状態で、残念ながらほぼ助かりません。

「産道感染」

母犬の体から外に出る際、産道に付着したウイルスに感染してしまいます。

「経口感染」

感染した母犬の口や鼻からの分泌物に、子犬の口や鼻が接触することによってウイルスに感染します。

生後4週間以内の幼犬が感染した場合、ウイルスは増殖して全身に広がり、肺、心臓、腎臓、肝臓といった臓器に出血と壊死が起こります。

このため、致死率ほぼ100%といわれるほどの高い確率で死亡してしまいます。

なお、母犬にイヌヘルペスウイルスに対する免疫がある場合は話が違ってきます。

母犬の胎盤や初乳を通じてその免疫が子犬に移るため、重症化が避けられる可能性があります。

幼犬と違って子犬や成犬がイヌヘルペスウイルスに感染するケースは、感染している犬の分泌物への接触や飛沫によるもの、または感染犬との交尾などによって感染します

正常な免疫力がある成犬の場合は、感染しても重篤化することはほぼありません。

 

犬ヘルペス感染症の症状

 

主な症状は以下の通りです。

主な原因
・食欲が低下し、母犬の乳を飲まなくなる

・下痢(黄緑~緑)

・嘔吐 ・息切れ

・苦しそうに呼吸をする呼吸困難

・持続的にずっと鳴き続ける

・よだれを垂れ流す

・体温の低下

・元気がなく、ぐったりする

・肺炎

・腹痛(腹部を押さえると痛がる)

・神経症状

「幼犬の場合」

幼犬がヘルペス感染症を発症した場合、最初に見られる症状が食欲の低下であり、母乳をあまり飲まなくなります。

続いて辛そうな鳴き声が起こり、この鳴き声は持続して死亡するまで続きます。

次に下痢が始まりますが、特徴は黄緑色や緑色をした下痢となることです。

症状が進行しだすと、緑色の嘔吐も生じだします。

さらに、体温が低下して元気がなくぐったりとした様子となります。

イヌヘルペスウイルスは、35度から37度で活発となりよく増殖すると言われています。

次には呼吸の変化が見られ出します。

息切れしたり、苦しそうに呼吸をすることが多くなり、特に大きく息をする仕草が増え、その際には呼吸困難を伴い、よだれも頻繁に出だします。

さらに症状が進行すれば、下痢は水状になり、もはや母乳は一滴も飲めません。

もはやまったく動くこともできなり、神経症状も現れ出し、特にワンちゃんのお腹に触ると悲鳴のような声を上げます。

肺炎の症状が見られることもあります。

このように様々な症状が現れ、肺や心臓、腎臓、肝臓、消化器などの多臓器が影響を受け、発症後わずか4~7日で壊死してしまいます。

 

「成犬の場合」

成犬の場合であれば、重篤化することはまずなく、風邪のような呼吸器症状が見られる程度です。

なお、稀に肺炎を起こして重症化するケースがあるとされています。

ヘルペスウイルスの特徴が、一度感染してしまうと完全になくすことが出来ないところです。

感染した後には、犬の体内ではヘルペスウイルスに対して免疫がつくられます。

そしてウイルスは、次の神経組織の中に逃げ込み休眠状態(潜伏)となります。

・三叉神経(こめかみから頬にかけて走る神経)

・腰仙髄神経節(腰の辺りにある、下半身に関係する神経)

このような状態で潜伏を行い、犬の体力や免疫力が弱ったときには再度登場し増殖することで症状を何度でも現すため、イヌヘルペスウイルスの潜伏感染は、生涯にわたって継続すると認識してください。

したがって飼い主さんは、愛犬を守るためにも免疫力が低下しないように健康管理をしっかりと行っていく必要があります。

免疫力をキープするのに一番大切なのが毎日のご飯です。

できればプレミアドッグフードと呼ばれるような、良質のドッグフードを愛犬に与えてあげましょう。

参考までにオススメのドッグフードを紹介しておきましょう。

次のようなS級評価されているドッグフードであればどれでも安心して愛犬に与えて、免疫力の維持が期待できますよ。

https://tiwawa-gohan.com/page-2613

 

 

犬ヘルペス感染症の予防法

 

生まれたての幼犬の犬ヘルペス感染症の原因は、ほとんどのケースで母犬が原因となります。

このため、特に計画的に繁殖させる場合には、事前に母犬のイヌヘルペスへの感染の有無を検査しておくことが効果的な予防策となります。

イヌヘルペスウイルスの特徴として、一度でも感染した場合、生涯犬の体内に潜伏し続けるため、過去に胎児や幼犬が感染したメス犬は、繁殖させないようにする必要があります。

感染した犬との交尾を回避することで、感染の広がりを防止できます。

また、犬ヘルペス感染症は、感染している犬の分泌物への接触や飛沫などでも移ります。

このため犬ヘルペス感染症を発症した場合、原因犬を隔離するとともに、しっかりその場所を消毒することが重要となります。

次亜塩素酸ナトリウムが効果があるためオススメは、通常家庭にある塩素系の消毒液であるハイターを使うことです。

また、このウイルスは熱にも弱いため、煮沸消毒も有効な手段となります。

 

犬ヘルペス感染症の治療法

 

ヘルペスウイルスの生態については、残念ながらまだ完全には解明されていません。

そのため、今のところ有効なワクチンは存在していません。

したがって、犬ヘルペス感染症が発症した幼犬を助けることは、ほぼ不可能に近いとされています。

そのため、治療法も対症療法が中心となります。

抗生物質を投与して感染を抑えたり、免疫力の向上を図り、また多臓器からの出血に対しては輸血を行います

この他によく行われる方法が、幼犬を隔離して保育器で温めて回復を待つ方法です。

ヘルペスウイルスは、35度から37度で活発となりよく増殖するため、保育器に隔離して体温を38度以上に保つのです。

成犬の場合は、一度犬ヘルペス感染症にかかったケースでは、このウイルスが体内に潜伏しているため、抵抗力が低下してひどい症状が出る度に対症療法を行うこととなります。

 

ヘルペスウイルスは他の動物に移るの?

 

最後に愛犬がヘルペスウィルスに感染してしまった場合、他の動物に移るのか紹介します。

「人間に移るのか」

やはり一番気になるのが、赤ちゃんが一緒に生活しているケースでしょう。

安心してください、基本的には犬ヘルペスは人には移りません。

したがって、免疫力が低い人間の赤ちゃんでも心配はいりません。

ただしウイルス    は、突然変異などをよく起こします。

このため、顔を舐められたりしないように注意し、犬を触った場合には手洗いしておくのがおすすめです。

 

「他のペットは大丈夫?」

犬ヘルペス感染症は、イヌ科の動物であれば全てかかる危険があります。

ただしウイルスの型が異なるため、犬以外の猫や他のペットなどには基本移りません。

 

まとめ

 

犬ヘルペス感染症の原因や症状が理解できたはずです。

まだ、有効な治療法がありませんが、幼犬が急にお乳を飲まなくなれば赤信号です。

このような愛犬が発するSOSサインを見のがすことなく、飼い主さんは少しでも異常サインを感じ取った時点で、すぐに幼犬を動物病院につれて行ってあげるようにしてあげましょう。