愛犬のパルボウイルス感染症に注意!原因や症状と予防&治療法
あなたは犬の「パルボウイルス感染症」という病気をご存じですか?
1970年代に世界中で流行し、バタバタとワンちゃんが死んで大騒ぎになったから、犬を飼っている皆さんは結構名前程度は知っていそうですね。
今回はこの恐ろしいパルボウイルス感染症について、原因や症状と予防&治療法について紹介します。
パルボウイルス感染症の主な症状
パルボウイルス感染症を知っている人のイメージは、ワンちゃんが急に激しい下痢や嘔吐になり、致死率の非常に高い注意すべき怖い病気というところでしょう。
実はパルボウイルス感染症の死因には、消化器症状以外にも心筋炎や敗血症などの症状もあるのです。
パルボウイルス感染症の主な症状は、次の2つの型に大別されます。
「腸炎型」
通常感染してからの4~10日間の潜伏期間の後、激しい下痢、嘔吐、食欲不振、元気の消失、発熱、脱水などの症状が現れます。
特に下痢は爆発するような激しい状態で生じ、水溶性でほとんど水と言え、悪臭もあります。
重症になれば血便が出ます。
それこそトマトジュースのような状態で出たりするので、飼い主さんはビックリしてしまうことが多いです。
このような激しい下痢と嘔吐を何度も繰り返すため、脱水状態に陥り、衰弱して死亡してしまうこともあります。
また時にはショック状態を起こし、愛犬が急死してしまうこともあるため注意が必要です。
妊娠中のメス犬が感染すると大変です。
死産や流産を覚悟すべきとなってしまいます。
「心筋炎型」
心筋炎型パルボウイルスになってしまうと、多くの場合突然死してしまうため要注意です。
本当にいきなり悪化します。
今まで元気にしていたはずの愛犬が、急に鳴きだし悲鳴をあげ、嘔吐などの症状が現れます。
そして多くのケースで呼吸困難となり、それこそわずか30分以内に死亡してしまうのです。
本当にあっという間の出来事であり、あまりの症状の急変に飼い主さんが気づいた時には手遅れとなってしまうことがほとんどといえます。
パルボウイルス感染症の原因
パルボウイルス感染症の感染原因は、ウイルスに感染した犬の便や嘔吐物などを他の犬が舐めたり触れたりすることによる接触感染です。
このため、多頭飼いしているケースでは、他のワンちゃんに移らないようにする必要があります。
完全隔離して接触を防ぎ、食器の使い回しなど決してしてはいけません。
要注意なのが飼い主さんです。
感染した犬に触れた後、うっかりそのまま消毒せずに他の犬に触ってしまうと感染させてしまいます。
パルボウイルスは非常に長生きで要注意、何と自然界で半年~1年は生存できるそうです。
このため注意したいのが愛犬との散歩です。
草むらなどに安易に入れると、結構他のワンコのウンチが落ちています。
犬は習性ですぐ他の犬のウンチの臭いを嗅いで接触してしまいます。
古いウンチでもパルボウイルスがあれば生きているので、絶対接触させないように心がけてください。
パルボウイルス感染症にかかりやすい犬種はあるの
一番かかりやすいのが、体力や免疫力が低い子犬や老犬です。
特に母犬から引き離し、母乳の免疫力向上の効果が切れた子犬は要注意です。
一応次の犬種が、パルボウイルス感染症にかかった場合症状が悪化しやすく、回復も悪いとされているので注意してあげましょう。
・ラブラドール・レトリーバー
・ドーベルマンピンシャー
・ジャーマンシェパード
・ピットブル
・ロットワイラー
パルボウイルス感染症の予防
一番の予防法はワクチン接種につきます。
子犬を飼い始めた場合、とにかく一番大事なことがワクチンを接種することだと認識しておきましょう。
パルボウイルス感染症の他にも注意すべき恐ろしい病気がいくつもあります。
そのため混合ワクチンを打つのです。
ワクチン接種は1回で終了しないので注意しましょう。
通常のパターンは、子犬の時期に1ヶ月おきに間隔を空けて2~3回接種して、さらにまた、成犬になったら年に1回のワクチン接種を行うことになります。
なお、万一パルボウイルス感染症にかかったケースでは、他のワンちゃんに移さないための予防法が徹底した消毒となります。
このため犬が接触したケージや食器、敷物など徹底的に消毒する必要があります。
しかしパルボウイルスには、普通の石鹸やエタノールなどの消毒液では効果がありません。
塩素系の消毒液を用意する必要があります。
具体には、「ビルコン」や「ハイター」などの塩素系の消毒液を使います。
ビルコンは少し高価であるため、オススメは普通に一般家庭で使用しており手に入りやすい「ハイター」や塩素系の衣類用漂白剤などを薄めて消毒に使います。
ただしそれでも完全にウイルスを死滅させることは不可能なので、敷物などは破棄してしまうのがおすすめです。
また汚染されたケージなどもできれば破棄したいところですが、高価だしそう簡単に破棄できなさそうですね。
このため、雑巾などで拭きとり掃除するだけではなく、組み立て式でバラスことができれば分解して、塩素系の消毒液に浸して消毒するようにしてください。
また、拭き取りに2,3度使用した雑巾などは、必ずビニール袋に入れ破棄するように徹底してください。
パルボウイルス感染症の検査方法
パルボウイルス感染症を疑うほどのひどい下痢症状の場合は、他の犬への感染力が高い病気のため、直ぐに検査を受けるようにしてください。
動物病院に連れて行く際にも、他のワンちゃんと接触させないように、事前に病院にパルボウイルス感染症の疑いがあるとの電話を入れておくことが大切です。
検査方法は、血液検査による診断となります。
血液中の白血球が減少することで判明できます。
また、最近は検査キットを使用することで、短時間で簡単に調べることが可能となっています。
パルボウイルス感染症の治療方法
「治療方法」
残念ながら特効薬はありません。
抗生物質、抗炎症剤、下痢止め、吐き気止めなどを投与して免疫力を高め、二次感染から身を守る治療となります。
他の犬への感染を防ぐ為、隔離しての治療となります。
はっきり言って時間との勝負といえます。
そのため飼い主さんの適切な対応が愛犬の命を救います。
死亡率が高い恐ろしい病気ですが、迅速な飼い主さんの対応で、発症後1~2日以内に治療を開始できれば助かる確率が高まり、とにかく初期治療が何より大事だと認識してください。
したがって様子見など悠長なことをしていては絶対ダメです。
パルボウイルス感染症であれば、水のような状態の下痢となることが多いので、このような状態の下痢を愛犬がした場合、とにかくまず直ぐに動物病院に連れて行くようにしてください。
まとめ
パルボウイルス感染症を始めとして、愛犬の命に関係するような怖い病気がいくつもあります。
このような恐ろしい病気を予防する最も効果的な方法が、ワクチン接種となることを認識してください。
またこれらの病気に感染した場合に一番大切となるのがすばやい初期治療の開始です。
したがって飼い主さんは、愛犬の命に関わるような恐ろしい病気に対しては、最低限度の学習を行い、このようなケースでは速攻で動物病院に連れて行くべきだとの知識を身につけましょう。
詳しく分からないという飼い主さんでも、愛犬が嘔吐したり下痢になった場合、とにかく一度獣医師の診断を受ける習慣を身につけておけが、大事になることを防げますよ。
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