犬の筋ジストロフィー!主な原因や気になる症状、治療法について
筋ジストロフィーは、人間の病気としては難病指定されていますが、犬も発症します。
筋ジストロフィーは細胞骨格を形成するタンパク質が不足・欠落することで、筋肉が正常に働かない状態の病気を刺します。
今回は、犬の筋ジストロフィーの主な原因や気になる症状、治療法について紹介します。
犬の筋ジストロフィーの主な原因
筋ジストロフィーは、遺伝性の病気ため、特に明確となるような原因はありません。
しいてあげれば、性別と犬種の2種類が原因に関わってきます。
「性別」
特徴の一つとして、筋ジストロフィーを発症するのが、ほとんどオス犬となります。
ちなみに、メス犬が発症した場合は、X染色体の突然変異が原因となるとされています。
「犬種」
「ゴールデン・レトリバー筋ジストロフィー(Golden Retriever muscular dystrophy, GRMD)」という異名を持つほどに、ゴールデン・レトリバーは筋ジストロフィーの好発犬種とされています。
ゴールデンレトリバー以外の犬種では、ラブラドールレトリバーやサモエド、ロットワイラー、ウェルシュコーギーペンブローク、ミニチュアシュナウザー、アラスカンマラミュート、ブリタニーなどや、猫にも発症がわずかですがみられます。
筋ジストロフィーの症状
犬の筋ジストロフィーの主な症状は、下記の通りです。
・進行性の筋肉の弱化が生じる
・痩せてしまう
・食べるのが遅い
・よだれが異常に多く出る
・成長が遅くなる
・跳ねるような特徴のある歩き方をする
・筋肉が萎縮し固くなる
・筋肉が震える
・足や背中がたわむ
・舌が肥大する
犬の筋ジストロフィーの症状は、直接的症状と間接的症状の2種類に大別できます。
直接的症状とは、運動量の低下や歩き方に異常が生じる、食事が困難となり時間がかかり、それに伴ってよだれが多く出る、また成長スピードが低下してしまうというような症状です。
一方、間接的症状とは、筋ジストロフィーのために、二次的障害として生じるような症状を刺し、関節が固くなって変形していったり、骨がもろくなって骨粗しょう症になる、筋肉が低下することで呼吸不全や心不全、胃腸の機能障害などを起こしたりするような症状です。
犬の筋ジストロフィーの治療・予防
犬の筋ジストロフィーは遺伝性とされるため予防は困難で現在明確な治療法がなく、さらにどんどん進行していく病気のため、完治することは難しい病気です。
多くの場合、生後10週~12週頃に発症して、呼吸筋や心筋などの筋肉の機能不全のため、生後1年以内に命を落としてしまいます。
せめてもの予防法は、ブリーディングする際に、原因となる遺伝子を根絶するように努めることだといえます。
長生きさせることが出来ないため、愛犬が生きている間の生活の質(QOL)をできるだけ高めてあげて欲しいと思います。
また、症状の軽減を目的とした治療を実施することが大切とされ、肺炎などを起こさないよう注意してあげることも重要です。
筋肉が弱ってくるため、食べ物を飲み込む際に、食道ではなく気管に入り込むことが増え、そのため誤嚥性肺炎を起こしてしまうことが多いので、特に食事には注意が必要となります。
流動食を飼い主さんの手から与えてあげる必要があります。
愛犬と少しでも一緒に過ごしてあげ、無理のない生活を送らせてあげるようにしましょう。
「遺伝子治療」
犬の筋ジストロフィーについては、遺伝子治療が成功したとの報告もあるので簡単に紹介しておきましょう。
ゲノム編集技術の「CRISPR」を利用することで、犬の筋ジストロフィーを治療することに英米の研究チームが成功したとして、話題にあがったことがあります。
専門的な話は難しくなりますが、CRISPRと呼ばれるゲノム編集技術を使うことで、DMDを発症している4匹の子犬のビーグル犬の遺伝子を修復したとの論文が発表されています。
子犬たちは動き回れるようにまで回復したとされています。
まだまだ問題が山積みのようですが、このような研究報告もあるため、何とか犬の筋ジストロフィーの治療法が発見されることを期待します。
まとめ
犬の筋ジストロフィーという難病は、発症すれば現在治すことが不可能なため、愛犬が生きている間の生活の質(QOL)を少しでも向上させ、楽しい思い出作りを行うことがベストといえます。
特にゴールデン・レトリバーは好発犬種であり、注意が必要となります。
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