メス犬の子宮蓄膿症の原因と注意すべき危険な症状を分かりやすく紹介
あなたは高齢のメス犬にかかりやすい子宮の病気である子宮蓄膿症を知っていますか?
簡単に言うと子宮蓄膿症とは、子宮内が細菌感染することでウミが溜まる病気です。
注意信号は、愛犬が急に何故か水をカブ飲みし出し、お腹が膨れていたりした場合です。
ウミが外に出てくれば気づいてあげられますが、外に出ず溜まってしまうケースもあり、この場合にはお腹が膨れてきます。
避妊手術をしていないメス犬の場合は要注意です。
始めの段階では無症状であるため、気づくのが遅れがちになりやすい病気ですが、放置すれば命にかかわる危険な病気であり、早期発見即治療が大事です。
今回は、メス犬の子宮蓄膿症の原因と注意すべき危険な症状を分かりやすく紹介します。
子宮蓄膿症の原因
子宮蓄膿症は、比較的高齢のメス犬に起こりやすい病気とされ、出産経験のないメス犬、あるいは出産後長い期間が経ってしまったケースになりやすいです。
10才までに25%の確率で発症するとも言われており、6~7才頃から発症のリスクが高まるとされています。
また季節的には、春と秋に集中して発症する傾向があります。
メス犬の身体は、通常発情後には出産準備を開始します。
その準備とは、オス犬の精子を守り、精子と卵子が受精できやすくなるように、あえて自らの免疫力を低下させます。
このため普段よりも免疫力が低下した無防備な状態に陥り、細菌やウィルスかの攻撃を受けやすくなるリスクが高まります。
通常であればメス犬の子宮から膣にかけては、固く閉じられて守られています。
ところが発情期においては、オス犬を受け入れるために開かれているため、細菌の侵入を許しやすなります。
さらに発情期では、妊娠のためのホルモンを分泌しており、黄体ホルモン(プロジェステロン)は子宮粘膜を肥厚させ受精卵が着床しやすいようにしています。
ワンちゃんは、妊娠しない場合でも約2ヶ月間黄体ホルモンが分泌され続けて、子宮内膜は細菌感染が起こりやすい肥厚したままの状態が継続されます。
これらの結果、子宮内に細菌が増殖しやすくなり、子宮蓄膿症を発症するリスクが高まってしまうわけです。
子宮蓄膿症の症状
子宮蓄膿症の主な症状は次の通りです。
・膿がでないこと(閉鎖性)もあり、その場合お腹が膨れてきて、通常は膿が出ない方が病気が重いことが多いため要注意です
・水をよく飲むようになり、おしっこの量も多くなる
・元気がなくなる
・食欲低下
・陰部をよく気にし、よくなめる(外陰部の腫大)
・発熱
・嘔吐
・下痢
・ショック症状
・子宮が破れて膿が腹腔内に出てしまい、腹膜炎になると短時間で死亡の恐れがある
・放置すると敗血症や尿毒症、腎不全などとなり死亡する可能性がある
初期の段階では無症状の場合が多いため、なかなか気づいてあげられず、進行させてしまいやすいので要注意です。
この病気を見分けるためのポイントは、まずは多飲多尿に気づくことといえます。
「多飲・多尿」
愛犬が子宮蓄膿症になってしまった場合、毒素が全身に回って腎臓の機能が低下してしまうことがよくあります。
このため、尿を濃縮する機能が低下してしまい、その結果として薄いオシッコをたくさんするようになります。
オシッコとして水分が体から排出されていくため、それを補うために必然的に水を飲む量が多くなり、子宮蓄膿症の最大の特徴といえる多飲多尿の症状が起こるのです。
「開放性子宮蓄膿症・閉鎖性子宮蓄膿症」
子宮蓄膿症には2つのタイプがあります。
・開放性子宮蓄膿症
発情出血がいつもより長いなあと疑問に感じたり、一旦終わったはずが再度始まってしまったと感じる場合では、子宮蓄膿症の可能性があります。
子宮蓄膿症になると発情に引き続いた状態で、そのまま外陰部が腫れ、血混じりの膿を排出し続けます。
子宮に溜まった膿がポタポタと漏れたりするのですが、発情に引き続いているため、一見すれば血液のように見えるため、まさか膿だとは気付かないで対処が送れる飼い主さんもあるかもしれませんね。
また注意すべきが、犬が陰部を舐めてしまうことから、膿に気がつかないこともあり得ます。必要以上に愛犬が陰部を舐める頻度が上昇したケースでは、注意が必要です。
このように膿が排出されるのが、開放性子宮蓄膿症です。
・閉鎖性子宮蓄膿症
子宮蓄膿症で怖いのは、子宮内に膿が溜まってしまう閉鎖性子宮蓄膿症の方です。
膿が体外に排泄されずに子宮の中に溜まり続け、子宮内に溜まった膿によって腹部が膨らんで見えます。
飼い主さんが気づきにくい上に、病気の進行スピードが速く、重症になりやすい傾向にあります。
最初はなかなか気づきにくいですが、腹部を触ると異常に熱を帯びているのが特徴の一つであり、よく見ると腹部全体の皮膚に薄っすらと赤みが出ています。
子宮が破れてしまい、腹腔に細菌が漏れ出た場合が問題です。
悪の場合、腹膜炎を起こし短時間で死亡する危険もあります。
まとめ
子宮蓄膿症は、なかなか気づきにくい病気とされています。
しかし、最大の初期の特徴が多飲・多尿です。
このため愛犬が、発情期の後で多飲・多尿になると子宮蓄膿症の可能性が高いと、このようなポイントとなる知識を認識することで、早期発見につながります。
このような知識を元にした目を養い、愛犬を観察していくことが大切となっていきます。
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