チワワはとうもろこしを食べて大丈夫?栄養素や与える際の注意点

 

とうもろこしというと、縁日での焼きとうもろこしの香ばしい香りが頭をよぎります。
あの甘くて美味しい味わいは、フルーツレベルであり、野菜とは思えませんね。
とうもろこしの人気は高く、北海道の夏のギフトとして大人気です。

とうもろこしの起源には諸説あります。
その中でも有力な説が、「テオシント」という植物からとうもろこしが進化したというもの。
テオシントは、小さい実が10個ほど実る植物であり、約9200年前にとうもろこしが分岐して生まれたそうです。
とうもろこしは、現在では「世界三大穀物」の一つとされています。
そんな有名なとうもろこしですが、約60%が家畜の飼料用として生産されています。

美味しいとうもろこしの選び方は、以下の通りです。

・皮が緑で新鮮なものを選ぶ。
・皮がしなっとしていたり、くすんでいるようなものは避ける。
・粒はびっしり詰まっているもの。
・粒の大きさが不均等でないこと。
・ヒゲが茶色に褐色しているもの。
・押してみて固すぎないこと。

今回は、チワワはとうもろこしを食べて大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。

チワワはとうもろこしを食べて大丈夫?

もちろんチワワはとうもろこしを食べて大丈夫です。
多くのドッグフードの原材料として使用されており、問題ないと思いますが、見事に消化されませんね。
とうもろこしを与えた次の日のウンチでは、必ずそのままとうもろこしが混じっており、消化されていません。
こうなると、与え方に一工夫必要となりますね。

実は、とうもろこしや小麦がメイン食材として使用されているドッグフードは、かさ増し目的で穀物を使用していると評価されたりして、賛否両論なのです。
実はドッグフードに使用されるとうもろこしは、普段食べるものとは別物なのです。
私達が口にしているのは、スイートコーンと呼ばれる品種で野菜に分類されます。

しかしドッグフードに含まれるとうもろこしは、野菜ではなく穀物に分類されているのです。
実際に表記を見れば分かりますが、「コーングルテン」「コーンミール」などと記されたりしており、副産物や完熟してから粉末状にしたような、家畜用飼料のとうもろこしが使われているケースが多かったりします。
ドッグフードに使われるとうもろこしについて詳しく紹介しましょう。

「とうもろこし(コーン)」

外皮・芯・ヒゲなどの全ての部位を含めて「とうもろこし」と表記しているのが標準。
メーカーによっては、可食部のみを使用するケースもあります。

「コーングルテン」

副産物であり、とうもろこしからコーンスターチ(デンプン)を作る際に生じる搾りかす。

「コーングルテンミール」

副産物であり、とうもろこしからコーンスターチ(デンプン)を作る際に、高タンパク質含有部分を分離して生成されたもので、粗タンパクが高い。

とうもろこしの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             92 kcal
水分                77.1g
タンパク質             3.6g
脂質                1.7g
カリウム              290mg
カルシウム             3mg
マグネシウム            37mg
リン                100mg
鉄                 0.8mg
亜鉛                1mg
ビタミンB1             0.15mg
ビタミンB2             0.1mg
ビタミンB6             0.14mg
葉酸(ビタミンB9)          95μg
ビタミンC             8mg
ビタミンK             1mg
β-カロテン 22μg
食物繊維              3g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてとうもろこしは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

このため、少量を主食にトッピングする程度にしておきましょう。
あくまでもとうもろこしは、栄養補助として取り入れるべきであり、主食に影響がないように注意してください。
また、カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分であり、粒を5~10粒までにしておきましょう。

チワワにとうもろこしを与えるメリット

「葉酸」

とうもろこしには、100gあたり95μgと葉酸が豊富に含まれています。
葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNAの形成をサポートする働きがあり、胎児の先天異常のリスクを減らしてくれるため、とくに妊娠中の母犬や成長段階の子犬にとって、大切な栄養素といえます。

また、葉酸には血液中の赤血球を作る働きもあり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれています。
赤血球は酸素を全身に運んでくれるため、葉酸を取り込むことで酸素や血液が全身を巡りやすくなります。

「ナイアシン」

とうもろこしにはナイアシンが含まれています。
ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、動脈硬化を予防する効果があるとして期待される成分です。
油を摂りすぎたり、人口調味料を摂取することなどによって、ドロドロの血液の人が増えています。
このような流れの悪い状態だと、血液が詰まってしまい動脈硬化を引き起こす原因となる恐れがあります。
ナイアシンを多く含むエリンギには、ドロドロの血液の原因とされる高コレステロールを「コレステロール低下」へと導く作用が働きます。

また、糖質、脂質、タンパク質の代謝を行い、循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートする作用が生じます。

「カリウム」

とうもろこしは、100gあたり290mgとカリウムを豊富に含みます。
カリウムは、ミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
このため、体内の不要なナトリウムを排出して、細胞内の浸透圧を維持したり、腎臓に溜まった老廃物を尿と共に排出してくれます。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

チワワにとうもろこしを与える際の注意点

「芯は与えない」

愛犬にとうもろこしを与える時は、必ず粒の部分のみを与えるよう注意しましょう。
間違ってもとうもろこしを輪切りにして、そのまま与えてかじりつかせたりしないように注意してください。

とうもろこしの芯は、ワンちゃんの誤飲ランキングの上位を占めています。
とうもろこしの芯を誤飲すると、最悪死亡するケースもあると認識しておきましょう。

とうもろこしの芯は食物繊維のかたまりです。
肉食よりの雑食である犬の腸は、食物繊維を消化することが苦手です。
このため、とうもろこしの芯を誤飲してしまうと以下のような様々な症状を引き起こします。

・元気がなくなる
・食欲不振
・嘔吐や下痢
・便秘
・腹痛

食道に詰まった場合、呼吸困難に陥るケースがあります。
また、芯が便として排出されずに、出てこなかった場合は胃腸に残ってしまっています。
こうなると、胃腸に詰まって腸を塞いでしまう「腸閉塞」を起こす可能性があり、開腹手術が必要になると、最悪の場合は命に関わる事態を招くこともあり得ます。

「与え過ぎない」

とうもろこしは食物繊維を多く含み、消化不良の原因となる可能性が高い野菜です。
このため与え過ぎてしまうと、消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢の原因となる恐れがあります。
とうもろこしは、そのまま与えてしまうと消化されずにそのままの状態で排出されてしまいがちです。
したがって粒を潰したり、細かく刻む、さらにフードプロセッサーなどを利用して、ペースト状にしてあげるなどの工夫を加えて、与えるようにしてあげましょう。

また、野菜の中でも高カロリーなため、肥満の原因になる可能性もあります。
肥満気味の愛犬には要注意となります。

「加工品を与えない」

とうもろこしには、生や冷凍のとうもろこしやコーン缶など様々な種類があります。
特にコーン缶の汁には、多くの塩分や糖分が含まれています。
そのため、チワワの健康を害する原因となるため、とうもろこしの加工品を与えないように注意しましょう。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、とうもろこしを食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。