チワワのような小型犬は散歩の必要がないのか?散歩の効果や必要性

「チワワのような小型犬は散歩に行かなくても大丈夫」よくこんな声を耳にします。
たしかにペットショップによっては、「小型犬は毎日散歩に行かなくても大丈夫、2~3日に1回程度で問題ありません」などと言っていたりします。

一般的には、散歩はワンちゃんにとって絶対必要な大切なものとの認識があるものです。
はたして本当に、チワワのような小型犬は散歩に行かなくても大丈夫なのか、また、散歩の効果や必要性について紹介します。

チワワのような小型犬は散歩の必要がないのか?

小型犬に散歩が必要か不要かといえば、答えは「必要」ということになります。
確かにさまざまな意見がありますが、チワワのような小型犬は、大型犬や中型犬と比較すれば、散歩の時間や回数を減らしても問題はないと言えるでしょう。
しかし、まったく散歩を行わないというのは間違った考えと言え、いくつかのデメリットが生じてしまいます

超小型犬であるチワワが、散歩が必要ないと言われる理由は、室内を自由に歩き回れる環境ならば、わざわざ散歩を行わなくても、十分な運動量が得られるからです。
チワワが一日に必要とされる運動量は、子犬時代であれば距離にして約1km、成犬でも2kmくらいとされており、1日自由に部屋の中を動き回れば可能な動ける距離といえます。

このため、ペットショップでも、「チワワは散歩が必要ない」との言葉が、チワワが飼いやすい理由の一つの殺し文句として利用されていたりします。
確かに、なかなか散歩の時間を確保できない人でも飼いやすくなり、魅力的な言葉と感じられるものです。

実は、チワワのような小型犬の散歩が必要がないと言い始めたのはペットショップからであるとされ、これはワンちゃんを売りやすくするために、小型犬が飼いやすいとアピールするための戦術だったと言われたりしています。

さすがに最近では、小型犬に散歩が必要ないとまではペットショップの店員も言いませんが、無理せず1週間に2~3回散歩すれば問題ありませんというような言い方は行っています。

確かにワンちゃんの運動量という問題だけを見ればその通りであり、無理して散歩をさせる必要がないと思っている飼い主さんもみえることでしょう。

しかし、散歩がチワワにとって必要である理由は、運動だけが目的ではありません。
その他にも多くのメリットがあるからなのです。

チワワが散歩を行うメリット

「運動不足解消」

散歩といってみなさんが一番に思い浮かぶメリットが、愛犬の運動不足の解消と言えるでしょう。
先ほど紹介したようにチワワであれば、成犬でも1日に2kmの距離を歩けば運動量は足りてしまいます。
この程度の距離であれば、室内でも1日自由に過ごせば達成できそうに感じられます。

しかし実際にチワワの状態を観察してみると、本当によく寝てばかりいます。
そして、自分から遊び回って走り回るようなことはまずありません。

室内でチワワが、1日に2kmの距離を達成するためには、多分飼い主さんが一緒に遊んであげて、走り回したりする必要があるように感じられます。
当然ですが、大型犬や中型犬の場合は、家の中だけの運動では運動不足になってしまいます。

「ストレス発散」

チワワは野外に出ることによって、たくさんの刺激を受けることができます。
自然の風を体に受け、太陽の光を浴びるだけでもリフレッシュできます。

また、ワンちゃん本来の本能を満たすこともできてしまいます。
いろんな物のニオイを嗅ぎ、情報収集ができます。
穴を掘ることもできます。
マーキングすることも、オス犬の本能を満たすには必要な行動です。

このような行動を行うことで、チワワはストレスの発散を行い、精神的にも健康を保つ事ができることとなるのです。

「社会性の向上」

最近のワンちゃんたちは、社会性を身につける時期とされる3ヶ月までの間に、親や兄弟犬と引き離されてしまい、一人にされてしまうため、上手く社会性が身についていません。
チワワが社会性を身につけるためには、他のワンちゃんや飼い主さん以外の人間と触れ合うことが必要となります。

その意味において、散歩を行い他のワンちゃんに出会うことは、とても大切な機会となります。
他のワンちゃんと出会わない限り、犬社会における社交性が身に付きません。
社交性が身に付いていないチワワは、他のワンちゃんに向かって吠え続けてしまったりするわけです。
さらに、恐怖感から臆病になり、怯えてしまい動けなくなり固まってしまったりします。

愛犬をドッグランやドッグカフェなどに連れて行ってあげたいと、考える飼い主さんも多いるはずです。
しかし、愛犬の社会性が確立されていなければ、連れて行くこともできないわけです。
その意味からも、愛犬との散歩を積極的に行い、他の犬と接する機会を多く作り、社交性を身に付ける機会を与えてあげましょう。

「認知症予防」

ワンちゃんも加齢に伴い認知症になってしまいます。
特に最近は愛犬の寿命が延び、認知症になってしまうケースが増加しています。

認知症は脳の老化が原因とされ、予防効果は脳の活性化とされています。
脳を活性化させるためには、多くの刺激を与えてあげることが必要となります。
チワワに多くの刺激を与えるために、一番簡単で良い方法が散歩なのです。

散歩はただ単に外を歩いているだけではありません。
周りにさまざまな刺激が潜んでいるのです。
自然の溢れる景色を見渡せます。
いきなりカエルや昆虫などが飛び出してくるかもしれません。
様々なニオイを嗅ぐだけでも刺激が与えられます。
散歩を行うことで、自然に多くの新しい刺激に触れ合うことが可能となり、脳の活性化に繋がるのです。

散歩の目安量

散歩の大切さが認識してもらえたことでしょう。
小型犬をはじめとするワンちゃんたちの散歩の目安量を紹介します。

・小型犬では1日2回、1回15〜30分。チワワであれば、20分程度ですね。
・中型犬では1日2回、1回30分以上。
・大型犬では1日2回、1回1時間程度。

ただし個体差もあり、犬種や年齢、愛犬の体調などによっても、必要な運動量は変わってきます。
散歩で大切なポイントは、必ず戻る必要があるため、全体の量バランスを考えて行うことです。
また、張り切りすぎて、途中でチワワが疲れて動けなくなってしまうなんて言うのは、持ってのほかですよ。
この他、夏場は熱中症などに十分注意して行う必要があります。

後、散歩で絶対に注意してもらいたいことがあります。
それは、食後すぐに散歩をしないことです。
できれば散歩は、食後2時間程度経過してから行うようにしてあげましょう。

食後すぐに散歩や運動をさせてしまうと、胃捻転の恐れが生じます。
胃捻転は放置すれば、最悪数時間で愛犬の命を奪ってしまう可能性がある恐ろしい病気だと、飼い主さんは必ず認識しておきましょう。