犬の膵炎の診断方法や予防法と治療法!役立つ治療薬は?
今回は愛犬が膵炎になった場合の診断方法や、また予防法と治療法。
さらに役立つ治療薬などについて紹介します。
犬の膵炎の検査方法
まず最初に、犬の食事内容や嘔吐の様子などを問診し、膵炎の特徴的な症状が確認できた場合、血液検査や血液化学検査で膵酵素量を測定し、さらに併せて超音波検査とレントゲン検査などを用いて、他の消化器疾患との区別も行い、膵臓癌などの可能性なども踏まえながら総合的な判定を実施します。
「血液検査」
犬に膵炎の疑いがあるときにまず実施する検査が血液検査。
測定法は、血液を0.5~1㏄程度を採取し、遠心分離機にかけます。
検査数値はCRPで、この数値で炎症具合を判断します。
膵臓の細胞に異常があれば、脂肪消化酵素のひとつである血液中のリパーゼ量が、通常の数百倍にも跳ね上がります。
さらに他の数値も総合的に検証して、膵炎かどうかを判断します。
「検査用キット」
犬の膵炎を判定するための専用検査キットに、犬の血液を垂らして使用します。
この検査用キットを用いれば、わずか10分程度で、正常値か異常値かを確認することができます。
最近は、膵炎専用検査キットのみならず、いろんな病気の検査が可能な各種の検査キットが充実してきています。
特にオススメは、病院に行かずに家庭で簡単に検査が行える「犬の病気検査キットピーチェック」。
犬は喋れないだけに早めに検査を行い、早期発見・早期治療が理想。
そのためには、病院に行かずとも、家庭で簡単に検査が行える「犬の病気検査キットピーチェック」は魅力ですね。
・酸化ストレス、腎機能、尿石症、メタボ、癌や炎症などの検査が可能です。
「レントゲン検査・超音波検査」
膵炎の場合、膵臓だけでなく肝臓や十二指腸などの周辺臓器にも異変が生じている可能性があります。
このためレントゲン検査や超音波検査などによって、膵臓はもとより、胃の周辺が白っぽかったり、脂肪組織がギラギラ映っていたりすると、膵炎の疑いが高まります。
犬の膵炎の便の症状
犬の膵炎に気づく手段として、便の症状に注目してみることも大事。
犬の膵炎には、急性膵炎と慢性膵炎があります。
急性膵炎の便の特徴は、最初は水が多く含まれた、黄色い水様便となりがちです。
続いてだんだん灰白色に色が変化していきます。
ニオイも強烈となり、血液が混じる状態となれば、かなり悪化していると判断できます。
一方慢性膵炎の場合は、見た目がツヤツヤしており、脂肪がたくさん含まれる脂肪便が出ます。
なかなか判断がつかないかも知れませんが、慢性膵炎の場合は、下痢を断続的に繰り返すため、そのような状態のケースでは要注意といえます。
犬の膵炎の予防方法
膵炎は、発症の原因が明らかになっていませんが、健康的な食事を心がけることが大切であり、これが一番の予防法と言えます。
具体には次のようなことを注意すべきです。
・脂肪分の高い食べ物やおやつなどをあまり与えないようにし、嗜好に偏った食生活に注意
・肥満にならないように高カロリーや高脂肪に配慮し体重管理するとともに、犬種に合った適度な運動にも留意
・ごみ漁りや拾い食いに注意を払い、不意の高脂肪食を防ぐ
膵炎は、肥満気味の犬に発症例が多いことが指摘されているため、愛犬の日頃からの体重管理が大切です。
適量を守ってドッグフードを食べさせていれば、そうは肥満にならないもの。
結局、おやつを与え過ぎていたり、ついあなたが食べているものを与えてしまうことなどが、大きな愛犬の肥満原因となっているものです。
ほんの少し与えたつもりでも、体が小さなワンちゃんにとっては、それが結構の量に該当してしまうのです。
また、人間の食べ物は、どうしてもワンちゃんにとっては味が濃く、カロリーも高めです。
「低脂肪」
犬の膵炎予防の食事としての一番の注意ポイントが「低脂肪」。
犬は脂肪の分解が苦手で、高脂肪の食物は膵炎に負担をかけてしまいます。
膵炎とは、じつは脂肪をうまく消化・吸収できていない状態ともいえるのです。
このため、植物油などの油類やバター、牛や豚のバラ肉など、脂肪の多い食品は要注意。
肉類ならば、鶏のささ身やムネ肉、鹿肉・馬肉などが低脂肪のタンパク源としてオススメ。
脂肪もできれば、「オメガ3脂肪酸」などの膵炎に良い脂肪を厳選しましょう。
犬の膵炎の治療方法
犬の膵炎の治療方法としては、まず最初に炎症を起こしている膵臓を休ませることが大切であり、このため絶食がよく行われます。
なお、軽度であれば絶食で膵臓を休ませた後、自宅での食事療法や投薬による治療が可能です。
悪化させた場合、ワンちゃんが脱水症状を起こしてしまうことが多く、こうなると入院した上で、点滴・絶食・絶飲・投薬などの治療が必要となります。
「犬の膵炎治療の標準の流れを紹介」
犬が急性膵炎を起こすと、通常激しい腹痛や嘔吐、下痢などの症状が現れます。
入院して治療開始。
まず最初に実施するのが絶食絶水であり、これで膵臓を休ませ炎症を抑えます。
ほぼ同時進行で、症状に合わせて治療を実施します。
痛みが生じていれば痛み止め、嘔吐が出ていれば吐き気止めなどを投与し、また症状に合わせて点滴を行ったりします。
吐き気がおさまってきた状態で、先ずは水を飲ませ、吐き気が起こらない様子を確認します。
大丈夫そうであれば流動食を開始して、少しずつ食事を与えて膵臓を動かしていきます。
愛犬が食事を摂取しても嘔吐などの気になる症状が出ないようであり、元気が出だせば退院となります。
通常1週間程度の入院となることが多いといえます。
退院後は、自宅で食事療法と薬の投与を続けていくこととなります。
ただし膵炎は、症状が進行して悪化してしまうと、なかなか以前の健康な状態まで回復することが困難な病気です。
それは膵炎が、自己消化により臓器を溶かしてしまっているため、基本再生できないからです。
このため膵臓は、血糖値を下げるインスリンを始めとして、アミラーゼ、トリプシノーゲン、リパーゼ、キモトリプシン、グルカゴン、ソマトスタチンなど、タンパク質分解酵素・炭水化物分解酵素・脂肪分解酵素や、ホルモンを分泌していますが、これらの機能に何らかの障害が生じやすくなってしまいます。
「絶食・絶水」
犬の膵炎の治療方法としてまず最初に行うのが、膵臓を休めて炎症を抑えること。
このため3日前後の絶食絶水を行います。
膵臓は、ご飯を食べたり水を飲むことで、活発に働いてしまうため、食事を摂ることで膵炎の炎症を悪化させてしまいます。
これを防止して炎症を抑えるために、絶食・絶水を実施します。
「点滴」
犬が膵炎になった場合の治療としては、まず入院させて点滴を行い集中治療を実施します。
通常、1週間程度の入院が必要となります。
炎症や痛みを抑えるのが目的であり、これで膵臓の機能の回復を図ります。
膵炎はワンちゃんが、激しい腹痛を起こしている場合が多いため痛み止めを、また吐き気の症状が出ているケースでは、吐き気止めを投薬します。
「投薬」
犬の膵炎に主に投与される薬は以下の通りですが、膵炎だけでなく他の症状も併発しているケースなどでは、これら以外の治療薬が使用されることもあります。
・点滴
・抗生物質
・鎮痛剤
・吐き気止め
・ビタミン・ミネラル補正
なお、膵炎はとても激しい腹痛が生じるため、ケースによっては、モルヒネなどの強い鎮痛剤を投与することもあります。
「療法食」
膵炎の治療として、食事を低脂肪の療法食に切り替えます。
医師から指定されることが多いですが、おすすめの療法食のドッグフードを紹介しておきましょう。
市販の療法食は数が少なく、頭を悩ます飼い主さんが多いはずです。
オススメの療法食のドッグフードは、「犬心ドッグフード糖&脂コントロール」。
犬心ドッグフード糖&脂コントロールは、「高血糖」「高脂血」のトラブル・病気に対応した膵炎に有効な特別療法食で、脂質量を5%程度に抑えています。
詳しく「犬心ドッグフード糖&脂コントロール」の効果が知りたい方は、次の記事を参照してみてください。
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