犬は寒天を食べても大丈夫?ダイエットに最適も苦手な食物繊維が多い

 

寒天と言えば和菓子作りには欠かせせず、天草などの海藻から抽出した粘質物を凍結乾燥させた伝統食材で、あんみつや羊羹(ようかん)などの和菓子に使われています。

寒天の魅力は、カロリーがほぼ0であることで、そのためダイエットフードとしても注目が集まっている食品ですが、犬が消化できない苦手な食物繊維が多いため気になります。

はたしてこのような寒天は、犬に与えても大丈夫でしょうか?

 

犬は寒天を食べても大丈夫?

答えはYES、問題となる成分などは含まれていないため、犬は寒天を食べても大丈夫。

カロリーがほとんどないため、肥満犬であれば、腹持ちをよくする効果も期待できますね。

ただし問題は、成分中の約8割ともされる大量に含まれる食物繊維。

適量であれば、お通じの流れを良くする働きなどが期待できますが、犬にとっては消化が苦手な食材のため、お腹を壊す恐れもあります。

 

寒天の主な栄養素

成分名           成分量(100gあたり)

エネルギー         3kcal

水分            98.5g

タンパク質         0g

ナトリウム         2㎎

カリウム          1㎎

リン            1㎎

食物繊維          79g

 

「食物繊維」

寒天は、全食品の中でも1番を争うほど食物繊維を多く含み、その割合は全体の約80%ほど。

寒天には水溶性食物繊維の「アガロペクチン」が含まれています。

水溶性食物繊維の特徴は、水分保持能力が高いことで、さらに炭水化物の消化・吸収をゆるやかにしたり、余分な脂質を排出してくれます。

そのため、愛犬の腸内にある有害な物質や悪玉菌などを体外へ排出すると同時に、不要となる栄養素の消化吸収を抑えてくれ、腸をクリーンに保ち、腸内細菌のエサになる善玉菌を増やし調子を整えてくれます。

さらに嬉しい効果として、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待が持てます。

またアガロペクチンには、抗ガン化作用や美肌効果なども期待できます。

 

「ミネラル」

寒天には、カルシウム・鉄分・リンなどのミネラルもバランス良く含まれています。

ミネラルは、ワンちゃんの健康を保つ上でも必須となる成分です。

 

「カリウム」

寒天にはカリウムが含まれています。

カリウムは、代謝や神経の働きをサポートすることで、情報を正しく伝達してくれ、体の中の不要な水分や塩分を体外に排出してくれます。

また、高血圧の予防にも効果を発揮します。

カリウムが不足すると、脱力感が生じ、神経過敏となり、不整脈などを発症しやすくなります。

犬の健康を維持する上でカリウムは、欠乏しても過剰になっても悪影響を与えてしまいます。

 

「低カロリー」

寒天の一番の魅力が、100gあたり3 kcalというほぼ0に近いほどの低カロリー。

このため、肥満気味のワンちゃんには、上手く寒天を活用すれば効果的と言えます。

肥満対策として愛犬のフード量を減らせば、お腹が減ってしまうもの。

そのような時に寒天を足してあげることで、カロリーを上げることなくお腹を満たしてあげることが可能となります。

またカサ増し効果だけでなく寒天は、強い保水力があるため腸の中でかさばり、胃が食べた物を腸にゆっくり送る効果が生じ、このため糖の吸収を遅らせてコレステロールの吸収を和らげることができ、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる働きもあります。

 

寒天の種類

 

寒天とは「テングサ」や「オゴノリ」という海藻が原料であり、「粉寒天」「糸寒天」「角寒天(棒寒天)」の3種類があります。

 

「粉寒天」

「オゴリノ」と言われる海藻から作られるのが粉寒天です。

粉寒天は、海藻の寒天成分を含んだお湯から不純物を除去して、寒天の成分だけを精製したものです。

特徴は、粉状のためいちいち使用する前に水で戻す必要がなく、そのまま使うことができること。

また、粉状なので計量がしやいのがメリットであり、初心者でも用途に合わせて使いやすくて便利です。

なお、少量の粉寒天を溶かしたいときは、電子レンジを利用すると便利。

少し大きめの耐熱容器に水と粉寒天を入れて、電子レンジで1分加熱します。

すると、大きく泡立つため、これが大きめの容器を選んだ理由。

またポイントとして、ラップをしないことも大切。

 

「糸寒天」

糸寒天とは「テングサ」から手作りで作られ、細寒天とも呼ばれます。

粉寒天とは違って、一度水に浸して戻してから使用する手間が生じます。

水に浸けて柔らかくしてから、いろいろと使用します。

戻し方は、使う前にざっと洗い、たっぷりの水に20分ほど浸けておけばOK。

なお、寒天独特の食感をいかしたい時には、浸けておく時間を少し短くするなど調整してみましょう。

柔らかくして、そのままサラダなどに加えて食べるのもオススメ。

また、煮溶かしても使用することもできます。

煮溶かし方は、戻した糸寒天4gほどに水は500ccとし、中火にかけてよくかき混ぜて煮た立てます

沸騰したら弱火にしてくいださい。

そのまま寒天のかたまりがなくなるまで煮溶かし、透明感が出たら完成。

 

「角寒天(棒寒天)」

角寒天(棒寒天)は、テングサとオゴリノを混ぜて作られるものが多いといえます。

角寒天(棒寒天)も水に浸して戻してから使用しますが、糸寒天より少し長めに30分ほど水に漬けておく必要があります。

このように、寒天の種類によって戻す時間が異なるのです。

しっかり絞って、適当な大きさに切って使用しましょう。

なお、煮溶かし方は糸寒天と同様です。

 

犬に寒天を与える際の注意点

 

「与えすぎに注意」

寒天は、カロリーが少ないから大丈夫なんて過信して与え過ぎないこと。

寒天には食物繊維が大量に含まれている為、注意が必要。

消化不良を起こして下痢などの原因となってしまう可能性があります。

 

「アレルギーに注意」

どのような食べ物でも、初めて愛犬に与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。

このため、初めて愛犬に寒天を食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識。

そしてしっかり、愛犬に変化が何か生じないか観察します。

元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。

アレルギーが起こったケースでは次のような症状が起こります。

・目の充血

・体を痒がる

・湿疹、じんましんが出る

・嘔吐、下痢など

 

まとめ

 

・寒天は基本的に犬が食べても大丈夫

・与え過ぎには注意

・カロリーはほぼ0のため、肥満対策には有効

・食物繊維が豊富なため、下痢に注意