愛犬のトイレ回数が減って長時間力んでいれば便秘かも?主な原因はこれ
ワンちゃんは直ぐ下痢になりますが、比較的便秘にはなりにくいとされています。
犬のウンチの回数は、人間よりも多くて通常1日3回程度とされています。
このため犬の場合、2日間ウンチが出なければ立派な便秘状態だといえます。
ウンチが出ている状態であっても、回数が減ったり、力んで出るまで時間がかかったり、出たウンチが水分が少なくて、硬くてコロコロした状態のケースでは、便秘の初期である可能性が高まるため、注意を払う必要があります。
犬の便秘は意外に危険度が高いため、2日ウンチが出ない場合には、もう一日様子をみてみようという甘い判断をせずに、直ぐに動物病院に連れて行くのがおすすめです。
犬は先ほど述べたように、便秘になりにくい動物のため、便秘になった場合には明確な原因が存在するケースが多く、人間と違って大きな病気が隠れていることもあるため要注意なのです。
したがって、人間の感覚でたかが便秘などと考えて甘くみないことが大切です。
大腸に便が溜まってしまい、巨大結腸症という病気になったり、腸閉塞を起こしていたりすれば大事です。
犬の便秘の主な原因
「ストレス」
人間はよくストレスが原因で便秘になったりしますが、犬もまったく同様であり、ストレスから便秘を起こしてしまいます。
主なストレス原因は以下の通り。
・愛情不足
・引越しなどで環境が変わった
・飼い主が変わった
・飼い主に赤ちゃんができたり、新しくワンちゃんや別のペットがやって来るなどして家族が増えた
・トイレの変更
・フードが変わった
・散歩の回数が減った
・悪天候
このように愛犬が感じるストレス原因はたくさんありますが、人間にとってはたわいなく感じる小さな変化でも、愛犬にとって大きな変化だったりするわけで、ちょっとした環境変化からストレスとなってしまいます。
転勤族の家庭などは要注意といえます。
また愛犬がストレスを感じているケースでは、便秘になるのはもちろん、落ち着かない行動が目立つなど、何らかの信号が出ているため注意してあげましょう。
「運動不足」
ワンちゃんは、散歩をさせればよくウンチをしますね。
これは運動することで、副交感神経が活発になるため腸の動きがよくなり、蠕動運動も起こりウンチが出やすくなるためです。
したがって適度な運動をすることが大切であり、ワンちゃんは運動不足から便秘になってしまうこともあります。
このため、愛犬が便秘になってしまわないためには、運動不足を解消する散歩はとても大切です。
しかし、愛犬と毎日散歩をしているから大丈夫と思い込んではいけません。
散歩量は犬種により異なるため、その犬種が満足する時間の散歩が必要です。
犬種別での主な散歩の目安時間は次の通りです。
・小型犬:1回15分程度で1日に2回で30分
・大型犬:1回1時間以上程度で1日2時間程度
詳しく愛犬の散歩時間等を知りたい方はこちらの記事をチェックしてみましょう。
「水分不足」
愛犬があまり水を飲まずに、腸内の水分量が足りなくなってしまうと便秘の原因となってしまいます。
便を作るためには水分が必要なのです。
このため、日ごろからあまり水を飲まないワンちゃんや、冬場などで水分摂取が減った場合などは注意が必要です。
まずは環境整備が大切です。
いつでも愛犬が、好きなだけ新鮮な水を飲める状態をキープしてあげてください。
またオススメなのが、きゅうりなど水分を含んだ野菜や果物などを食事に加えてあげることです。
これだけでも随分効果があって違ってきますよ。
「便が硬い」
水分摂取の不足や、骨や異物などの誤飲などが原因となり、便が硬くなってしまい、腸内に留まって動かなくなり、必死に力んでも出ないため便秘となってしまうことがあります。
「老化による蠕動の低下」
歳をとり胃腸が弱り腸の活動が低下したり、筋力不足で力む力が低下、さらに老化で自律的な動きであるはずの蠕動運動(ぜんどううんどう)までが弱まってくるなどの原因で、腸の
内容物をスムーズに動かせなくなると、うまく便を排泄することができずに、老犬は便秘になることがあります。
老化現象のため、なかなか上手く防げませんが、水分をしっかり補給させ、また食物繊維を増やしたり、消化の良いものを食べさせるなどの工夫をしてあげましょう。
「排便時の痛み」
内臓は元気でも、肛門周辺に傷があったり、できものが出来ているなどして痛みが生じるため、上手く排便できずにその結果、ウンチが硬くなり、遂には便秘になるようなこともあります。
「薬剤の影響」
薬や手術など医療を受けた事が原因となって便秘を誘発した場合、「医原性便秘」などと呼ばれます。
このような名前がついているように、結構薬が原因となって便秘になってしまうことがあります。
結構便秘の症状が出る可能性のある薬は沢山あり、細かくいえばきりがないほどなのです。
主なところでは以下の通りですので注意しましょう。
・鎮痛剤
・咳止め
・抗うつ剤
・胃潰瘍治療薬
・前立腺肥大症治療薬
・硫酸バリウム
・スクラルファート
・抗コリン剤
・抗ヒスタミン剤
・抗パーキンソン剤
・降圧剤
・制酸剤
・利尿剤
「寄生虫」
寄生虫が寄生してしまうと、腸の動きが弱まって便秘になりやすくなります。
また、寄生虫が腸をふさいでしまうようなケースが生じることもあり、このため排便が上手くできなくなって便秘になってしまいます。
寄生虫はウンチと一緒に排泄されることも多いため、愛犬のウンチは常に何らかの異常がないかチェックするように習慣づけしましょう。
「異物誤飲」
ワンちゃんは何でもすぐに丸呑みする習性があるため要注意です。
オモチャなどを飲んでしまった場合には、それが原因となって便秘になることがあります。
飲んだものが腸に詰まってしまい、それが原因となってうまく排泄できなくなっている可能性があります。
このように物が腸に詰まってしまうと、便秘でおさまらずに腸閉塞の原因となってしまうため要注意です。
「食事の問題」
食事内容と便秘が密接な関係にあるのは当然です。
次のようなフードは要注意です。
・犬が消化が苦手なとうもろこしや小麦などの穀物を大量に含む
・植物性タンパク質が多く、食物繊維を多く含む
・消化吸収率が悪い低品質な原料を使用
・人工添加物が多量に含まれている
なお、カルシウムの与え過ぎも便秘につながるため注意が必要です。
「トイレが苦手」
上手くトイレが出来なくて、トイレトレーニングで怒られてばかりいると、それが原因でストレスが生じたり、ついトイレにネガティブな印象が生まれ、隠れてウンチをしたり我慢したりして便秘を招くケースがあります。
また、ワンちゃんはニオイに敏感なので、ウンチが残っていたりすればなかなかそこで排便しません。
直ぐに片付けて綺麗にしてあげることも大切です。
「病気」
便秘の原因が病気であることも多く、命に関わるケースもあるため要注意です。
便秘の原因となる主な病気を紹介します。
「腫瘍(直腸腫瘍・結腸腫瘍)」
腸に発生する腫瘍には、良性の腺腫と悪性のものがあります。
通常、結腸や直腸に腫瘍ができてしまと、その影響でウンチがうまく通過できなくなって便秘になります。
仮にウンチが出た場合でも、腫瘍が邪魔して通りづらい状態となるため、排出されたウンチは平べったくなったりしています。
したがってこのような変形の形のウンチが出たケースでは要注意となります。
また、腫瘍から出血することがあるため、血便となりがちです。
このような状態のウンチを発見した場合には、愛犬をすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
なお、腫瘍の場合には、便秘だけでなくその他にも、食欲不振・嘔吐・下痢などいろんな気になる症状が併せて生じてきます。
「腸閉塞」
愛犬が誤っておもちゃなどの異物を誤飲して腸に詰まり、そのため内容物が腸を通過することが物理的に不可能となり、腸閉塞を起こすことで便が出なくなって便秘になってしまいます。
ワンちゃんが腸閉塞を起こしている状態では、腹痛が起こっており、そのため愛犬は背中を丸めてジッとして動かない状態でいます。
犬は言葉が喋れないため、お腹が痛いとは言ってくれませんが、ちゃんとこのような態度でSOSを送ってくれます。
さらに震えまで生じているケースでは、相当酷い腹痛が起こっている証拠といえます。
愛犬が腸閉塞を起こしてしまった場合は、最悪命にまでかかわってしまうため、直ぐに動物病院に連れていってあげてください。
「前立腺肥大・前立腺腫瘍」
前立腺肥大は、前立腺が肥大してしまう病気であり、去勢手術をしていない雄犬に多くみられるのが特徴です。
加齢に従って、男性ホルモンの影響に伴い前立腺が大きく肥大し、そのため直腸が圧迫され、結腸閉鎖を起こすなどして排便が困難になります。
前立腺が肥大することにより腸が圧迫され、結腸閉鎖を起こすことがあります。
「肛門嚢炎」
肛門嚢炎は、ワンちゃんがマーキング時に活用するニオイの袋「肛門嚢」に、細菌が繁殖して炎症が起こる病気です。
その結果、排便時に痛みが生じるため、排便が困難になり我慢したりして便秘になってしまいます。
悪化させてしまうと、肛門嚢が破れてしまうこともあるため注意が必要です。
「椎間板ヘルニア」
椎間板ヘルニアの場合、腰の痛みのため、直接便秘とは関係がなさそうに思えますが、影響が生じ腸の動きが鈍くなってきて、便秘が起こってしまうことがあります。
「鼠径ヘルニア(脱腸)」
鼠径ヘルニアとは、腸がお腹の中に飛び出してしまう病気です。
このため腸を圧迫してしまうこととなり、便秘になってしまうことがあります。
遺伝によって発症するケースが多い病気であり、そのたた子犬の時期になることが多い病気です。
「会陰ヘルニア」
会陰ヘルニアとは、肛門周囲の会陰と呼ばれる部位の筋肉が痩せて裂けてしまい、腸や膀胱、脂肪などの臓器が飛び出してしまう病気です。
去勢手術をしていない5歳以上の雄犬に多くみられるのが特徴です。
圧力を受けて直腸が変位してしまうため、便がスムーズに出にくくなって便秘になります。
腸に便が溜まって肛門周囲が膨れてくるため、注意を払っていれば比較的気づきやすい病気です。
先天性、後天性の原因があります。
会陰ヘルニアの好発犬種は以下の通りです。
・ボストンテリア
・コリー
・ペキニーズ
後天性の原因としては、老化を始めとして、他には男性ホルモンの影響、筋力の低下などが考えられます。
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