題名の通り、愛犬の足先が冷たく肉球の色が悪いと感じた時には、舌の色まで悪くなっており、チアノーゼを起こしてしまっていることがあります。
我が家では、昔飼っていたミニチュアシュナウザーのキャンディが、老犬となりてんかん発作をよく起こすようになった状態の頃、よくチアノーゼを起こしたものです。
ワンちゃんがチアノーゼを引き起こしてしまうと、皮膚の色が青紫色に変化し、それこそ舌の色は真っ青であり、とても心配になるはずです。
このため、ワンちゃんがチアノーゼとなる原因や、状態を知っておくことは大切といえます。
今回は、愛犬が突全チアノーゼを起こし、飼い主さんが慌てふためかないためにも、原因や症状、さらに関連する病気について分かりやすく紹介します。
チアノーゼとは、皮膚や粘膜などが青紫色に変化してしまう現象であり、それこそ舌は特に変化が明白に感じられ、見事に紫色となってしまいます。
どうしてこのように青紫色に変化が起こるかの原因は、血液に含まれるヘモグロビンの色に謎が隠されています。
実はヘモグロビンの本来の色は、青紫色だったのです。
これが、酸素と結合して酸素化したヘモグロビンは、通常の血液の色である赤色になっているのです。
ところが、血液中の酸素量が低下して、酸素飽和度が減少してしまうと、非酸素化のヘモグラビンが増加し、元来のヘモグロビンの色である青紫色となり、その結果、チアノーゼ状態となってしまうのです。
チアノーゼはその発症原因によって、大きく末梢性と中枢性に分けられます。
末梢性チアノーゼは、末梢部分の箇所の循環不全によって生じ、起こりやすい箇所は後肢とされています。
中枢性チアノーゼは、全身性のチアノーゼとされ、呼吸器、心臓、脳脊髄の病気などの影響によって生じるとされています。
犬が末梢性チアノーゼが原因となって引き起こされる病気は、大動脈血栓塞栓症となります。
大動脈に血栓が詰まることによって、後肢に行く血流が遮断されてしまいます。
このため、血液が上手く通わなくなった後肢が、麻痺したり肉球の色が青紫色となってしまうようなチアノーゼが起こってしまいます。
特徴は、非常に強い痛みを伴うことであり、そのため激しく鳴いたり、呼吸が荒くなったりしますが、舌には血液が通っているため、特に色の変化はみられません。
この病気は、突然後肢麻痺を引き起こすような状態となり、命に関わる疾患のため、至急動物病院に連れていく必要があります。
中枢性チアノーゼが原因となる病気には、呼吸器や心臓、脳脊髄の病気があります。
チアノーゼを伴った呼吸困難が見られたり、興奮して突然失神するようなケースでは、喉頭麻痺の恐れがあります。
喉頭麻痺とは、末梢神経障害や原因不明により、声帯が正常に機能しなくなってしまう病気です。
この病気の場合、事前症状として、声がかすれて枯れてくるなどの状況が現れています。
愛犬が運動をしたがらなくなるのも特徴の一つといえます。
だんだん徐々に進行してくる病気のため、愛犬の声がかすれてきた場合は要注意です。
気管虚脱は、気管がつぶれてしまうために、呼吸が出来なくなる病気です。
小型犬がシニア期に入ってくると発生しやすい病気です。
初期症状では、咳が出たり、アヒルの声のようにガーガーと喉が鳴る呼吸が生じ、進行してしまうとチアノーゼを伴った呼吸困難が起こってきます。
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肺水腫は、肺に液体が溜まることで換気不全を起こし、そのためチアノーゼや呼吸困難となってしまいます。
原性肺水腫は、心臓に原因があるタイプであり、それ以外のタイプは非心原性肺水腫となります。
子犬が頭部に衝撃を受けたりすると、非心原性肺水腫を引き起こしてしまうことがあります。
肺炎は次のようないろんな原因によって引き起こされます。
・ウイルスや細菌
・真菌(カビ)
・食事の誤嚥(ごえん)
・アレルギー
肺に炎症が起こるため、その結果として酸素の取り込みが低下して、チアノーゼを起こしてしまいます。
胸水は、胸腔に液体が溜まってしまう状態であり、溜まる量が増えると、その影響から肺が十分に膨らまなくなり、チアノーゼを起こしてしまいます。
胸水が起こる原因は、腫瘍や感染、リンパ管の破綻などがあります。
肺が外傷によって傷ついたケースで、胸腔内に気体が溜まってしまう状態が気胸です。
溜まった気体に肺が押される影響から、十分に膨らむことができなくなり、その結果、チアノーゼや呼吸困難を引き起こします。
呼吸の度に動く筋肉が横隔膜ですが、外傷などのために、横隔膜が裂けた状態となったのが横隔膜ヘルニアです。
横隔膜は、胸腔と腹腔を分けていますが、裂けた状態となり、そのため腹腔内臓器が胸腔内へ逸脱してしまい、その影響からチアノーゼを引き起こします。
僧帽弁閉鎖不全症は、犬に最も多いとされる心臓病です。
僧帽弁とは、左心室と左心房を分ける働きの弁であり、左心室から左心房へと血液が逆流しないための弁となります。
小型犬や老犬が発症しやすい病気とされており、特に高齢の小型犬は要注意といえます。
好発犬種は以下の通りです。
・マルチーズ
・チワワ
・ポメラニアン
・シーズー
・パピヨン
・トイプードル
・ミニチュアシュナウザー
・ペキニーズ
・ウィペット
・ボストンテリア
・ミニチュアピンシャー
僧帽弁閉鎖不全症は、合併症になることが多く注意が必要です。
また、進行すると肺水腫を引き起こしてしまい、その結果、呼吸困難やチアノーゼが起こってしまいます。
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心タンポナーデは、心臓を覆う心膜の下側に、多くの液体が溜まってしまう病気です。
原因は、心臓に血管肉腫である悪性腫瘍が発生することで起こってしまいます。
大型犬に発症することが多く、特にゴールデンレトリーバーなどは要注意とされています。
脳腫瘍や脳炎になってしまうと脳幹が障害され、呼吸を司どる中枢が影響を受けてしまうため、換気不全となってチアノーゼや呼吸困難となってしまいます。
てんかん発作は、大脳への異常な電気的刺激によって、けいれんが起こる病気です。
てんかん発作を起こしてしまうと、一時的な無呼吸状態となり、そのためチアノーゼを起こししてしまう。
なお、てんかん発作が治まり、状態が落ち着けば、チアノーゼは回復します。
進行性脊髄軟化症は、椎間板ヘルニアなどによる脊髄外傷がきっかけとなり、徐々に脊髄全体が壊死していく病気です。
このため、当初は後肢のみであった麻痺が、徐々に前肢も動かなくなっていき、頚部脊髄の壊死まで起こってしまうと、肋骨や横隔膜が正常に動かない状態となり、チアノーゼや呼吸困難となってしまいます。