我が家で昔かっていたミニチュアシュナウザーのキャンディは、高齢犬になってから、腰が急に抜けてしまい立てなくなったことがあります。
急に愛犬の腰が抜けて、立てなくなると本当にビックリしますよ。
猫の場合はよくするめを食べ過ぎると腰が抜けるなんて言われますが、犬の場合は椎間板ヘルニアや、脊椎の病気などが疑われます。
今回は、ワンちゃんの腰が立たなくなってしまった際の病気や、治療法について紹介します。
ワンちゃんの腰が抜けて、立てなくなる状態は、通常後駆麻痺(こうくまひ)と呼ばれます。
立ち上がろうとしても、自力では立てない状態であり、足すら動かなくなってしまいます。
この後駆麻痺を起こしてしまう原因となる、主な病気は次の通り。
・脊椎の病気
・脊髄の病気
・大動脈血栓塞栓症
犬の後駆麻痺の原因として、一番多い病気が椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアというと、胴長短足で腰に負担がかかりやすい、ミニチュアダックスフンドを思い浮かべる方も多そうですね。
その他にも、ビーグル、ペキニーズ、ウェルシュコーギーなどは、椎間板ヘルニアを起こしやすい好発犬種です。
椎間板ヘルニアは、何らかの原因により、椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が一部飛び出してしまい、神経を圧迫する病気です。
通常5段階のグレードに分割され、グレード3以上になると後肢の麻痺が生じ、起立困難となってしまいます。
できるだけ早い段階で、手術を受けるのがおすすめといえます。
また、病変の特定のためには、レントゲンやMRI・CT検査などが必要となります。
MRI検査となると、5万円以上の費用がかかってしまいます。
CT検査でも、2万5千〜5万程度は必要と言えます。
どうしても費用は病院によって差が生じてきます。
さらに、椎間板ヘルニアの手術を行うとすれば、手術代のみでも最低約10万円は必要であり、入院代や検査代、薬代などもすべて含めれば、結局30万円程度は必要となってきます。
このように犬は保険だ効かず全額負担となるため、高額費用の支払いが必要となれば、かなりの負担が称してしまいます。
このため、ペット保険の加入を考慮して見るのもおすすめですね。
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椎間板脊椎炎とは、椎間板や脊椎に細菌などが感染して発症する病気です。
特徴は強い背中の痛みで、発熱が起こることもあります。
放置してしまうと、後駆麻痺を引き起こすこともあるため、好きだった散歩を嫌がりだしたり、ジャンプなどが出来ないようになり出せば注意が必要です。
治療は、抗生剤等の投与となります。
脊椎に発生する多発性骨髄腫や、他の腫瘍からの骨移転があります。
進行してしまうと、後駆麻痺が起こり立てなくなっていきます。
落下事故や交通事故などが原因となって起こってしまいます。
その時のケガの状態で、後駆麻痺を始めとして様々症状が生まれてしまいます。
ウェルシュコーギーでの発生が多いとされる病気です。
ほとんど痛みを伴わないのが大きな特徴であり、ゆっくり病状が進行していきます。
症状は、足の甲を地面に擦ったような形で歩く独特の症状が見られ、進行すると腰のふらつき起こり、歩行困難になっていき、最後には呼吸困難を起こしてしまいます。
原因は遺伝的なものとされ、有効な治療法は残念ながらありません。
独特な足の甲を地面に引きずるような変性性脊髄症の歩き方を、動画でチェックしてみましょう。
線維軟骨塞栓症は、脊髄の血管に線維軟骨が詰まることによって、急性の後駆麻痺を引き起こす病気です。
好発犬種は、ミニチュアシュナウザーです。
見た目の症状は、椎間板ヘルニアと同じですが、こちらは痛みを伴わないのが特徴。
麻痺の程度によって、軽度のふらつきから完全に麻痺して動けないような状態まで様々です。
大動脈血栓塞栓症は、大動脈に血栓が詰まる病気です。
このため、後肢に流れる血流が遮断されてしまい、そのため、後肢の麻痺や末梢性のチアノーゼを引き起こし、肉球の色が青紫になる病気です。
こちらも椎間板ヘルニアとよくにた症状ですが、血流が阻止されているため、放置すればどんどん肢の壊死が進んでしまい、命への影響が生じてしまいます。
また、とても強い痛みが起こり、そのためワンちゃんは鳴き叫び、呼吸が早くなってしまいます。
跛行とは、犬が腰を上下させて足をかばって歩く様子をいいます。
腰が安定しない状態のため、腰が立たないといわれたりもしますが、原因は後肢の麻痺などではなく、通常骨折や関節の損傷となります。