愛犬が心臓病になった場合、薬による治療が施されます。
心臓病には色々な薬を使いますが、代表的な薬の作用効果と、注意すべき副作用について紹介します。
犬の心臓病の薬の作用には、主に次のような働きがあります。
・血管を広げることで、血液の流れをよくする
・心臓のポンプ機能を上昇させることで、回数の低下を図り心臓を休息させる
・体に溜まった水分を排出することで咳を減らし楽にする
上記のような薬の作用により、症状に合わせて使用します。
心臓の肥大が確認され心臓病となった場合、最も最初に一般的に使用される薬がACE阻害薬です。
ACE阻害薬は、副作用も少なく安全な薬といえます。
薬の働きは、血圧を下げたり、血管を広げて血液の流れを良くし、心筋のポンプ機能を補助してくれます。
使われる成分は、エナラプリル・ベネゼプリル・アラセプリル・デモカプリル・ラミプリルの5つとなります。
商品としてはバソトップがあります。
有効成分としてラミプリルが使用され、ドイツで開発されました。
犬のうっ血性心不全治療薬として広く使用されていますが、海外では人体用として抗高血圧症および心不全予防薬として用いられてもいます。
その他の商品としては、エナカルド、リズミナール、フォルテコール、アナピック、エースワーカーなどがあります。
ACE阻害薬は、安全性が高い薬とされていますが、副作用が全くないわけではありません。
ACE阻害薬の副作用で最も多いのが、痰の絡まない乾いた咳である空咳(からぜき)が出ることです。
なお、薬を中止すれば速やかに止まりやすいとされています。
この他には、皮膚が腫れてしまう「血管浮腫」といわれる症状が出ることもあります。
利尿薬は、肺水腫や胸水、腹水などが生じ、咳がよく出る時に使用されます。
利尿剤は、尿を大量に排出することとなるため、血液量を減らしてうっ血の改善が期待でき、肺水腫などの症状を緩和させることができます。
ループ利尿薬や抗アルドステロン性利尿薬などが使用され、有効成分は、フロセミド、トラセミド、スピロノラクトンとなります。
利尿薬は、体の水分を尿として強制的に外に排出してしまうため、注意しないと脱水症状になってしまいます。
また、臓器や脳などに行く血液の量も少なくなるため注意が必要であり、特に腎臓などへの負担がかかりやすくなります。
このため、継続使用は要注意です。
したがって、利尿薬を使用し、咳の症状が緩和すれば使用を控え様子をみます。
またしばらく経って、咳が出だした場合、再度また使用するという具合に、繰り返して使用することが多くなります。
強心薬は、心臓の収縮能力を向上させ、1度に大量の血液を送ることができるようにします。
この作用により、心臓の収縮回数を減らすことが可能となり、休息を与えることができます。
強心薬は通常、心臓病がある程度進行し、機能が弱まったケースで使用することとなります。
商品には、ジゴキシン、ピモベハート、ベトメディン、アカルディカプセルなどがあります。
昔はジゴキシンがよく使われていましたが、かなり強い薬のため、副作用が起きやすく、ジギタリス中毒と呼ばれるほどでした。
その後、ピモベハートなどの薬が現れ、そちらが中心で使われるようになってきました。
ピモベハートは、副作用の心配が少ないとされていますが、それでも以下のような症状が起こってしまいます。
ピモベハートに限らず強心薬は、使い始めるタイミングが難しい薬とされています。
それは、下手に初期の症状で使用してしまうと、かえって心臓に負担をかけることになってしまうからです。
血液が逆流してしまうこともあり、注意が必要です。
このように早く使い過ぎてしまってもダメですが、早く使うことで進行を遅らせることができるともされており、そのタイミングの見極めが困難な薬といえます。
副作用で消化器系統に問題が出てしまえば、ご飯が食べられなくなり、食欲不振を招いてしまいます。
吐き気や嘔吐が生じてしまうこともあります。
「頭痛」「めまい」が副作用として報告されています。
もちろんワンちゃんが、自分で訴えることはできませんが、ふらふらしていたり、一点を見つめるなど辛そうな様子が見える場合は注意してあげてください。
血管を拡張する働きもあるため、その結果自然と血圧が下がってしまいやすくなります。
当然低血圧になってしまえば体に良くありません。
ただし、血圧が下がっているかはなかなか分かりません。
したがって、愛犬が強心薬を飲んでいるケースでは、以下の症状に注意してください。
・体重が低下した
・多飲多尿になった
・肌が急にカサカサしだした
・寒そうにしている
・何となく元気がない
上記のような症状が感じとれた場合は、一度早めに獣医師の診断を受けてください。
滅多にありませんが、肝機能への影響が出てしまうこともあります。
食欲不振、吐き気、発疹、黄疸などの症状が出ていれば、一度血液検査をしてみても良いかもしれませんね。
病気はとにかく早期発見が一番大切です。
そのためにも、健康診断など定期的な検査が大事となります。
しかし現実的には、忙しくてなかなか愛犬を動物病院に連れて行くのが大変という飼い主さんが多いようです。
そこでオススメしたいのが、病院に行かずに愛犬の健康管理が家庭でできてしまう検査キットの利用です。
犬の病気検査キット「ピーチェック」を使えば、病院に行かずに愛犬の健康管理が可能となります。
ピーチェックでは、愛犬の尿を使った検査を行うことで、ワンちゃんの癌や尿石症などいろんな病気のリスクを判定できます。
Pee Checkの使用手順は、上記の通りとても簡単で、病院を通さないので手軽で、値段もお値打ちとなります。
「ピーチェック!」では、検査内容によって以下の5つのコースを揃えています。
検査内容:愛犬の体内の酸化ストレス状態を、尿中に含まれるアルデヒドという物質を調べることにより、ストレス状態の判定をします。
検査内容:酸化ストレス、腎機能、尿石症、メタボ等の状態を検査して総合評価します。個別コメント付き。
検査内容:がんや炎症の指標となるアセスミンというがんマーカーを検査します。
検査内容:がんや炎症、腎機能、尿石症、メタボ等を総合評価します。個別コメント付き。
検査内容:がんや炎症、酸化ストレス、腎機能、尿石症、メタボ等を総合評価します。個別コメント付き。
上記5つのコースから、あなたが愛犬に検査をしたい内容を選び、公式サイトから申し込むことができます。
なお、犬の病気検査キット「ピーチェック」について、もっと詳しく知りたい方は、次の記事を参照してみましょう。
犬の病気検査キットピーチェック!病院に行かずに健康管理がOK
血管拡張薬の作用は、血管を広げて血液を流れやすくすることです。
カルシウム拮抗薬、硝酸薬、ニトログリセリンなどの種類があります。
ニトログリセリンは、即効性の拡張薬であるため、心臓病の人がよく携帯している薬です。
カルシウム拮抗薬は、末梢血管を拡張させて血圧をさげる作用が働きます。
硝酸薬の効果は、冠動脈を拡張させることで血液量を増やすこととなります。
カルシウム拮抗薬と硝酸薬は常備薬として使用し、ニトログリセリンは、愛犬の体調が急変したケースで使用するための薬となります。
副作用は低血圧ですが、なかなか気づきにくいでしょう。
前述した症状に注意してあげましょう。
基本的には、愛犬の調子が悪くなったケースで使用する薬のため、そう毎回使用しませんし、使用に関しては副作用を心配しているところではありません。