愛犬が尿路結石にかかってしまったケースでは、手術を始めとして、いろいろな治療法があります。
今回は、犬の尿路結石の主な3種類の治療法を紹介するとともに、使用する薬の種類や効果、また気になる尿路結石の手術費用と役立つ療法食を併せて紹介します。
犬の尿路結石の主な3つの治療法は、次の3つ順番に紹介します。
通常、薬物療法と食事療法が併用して実施されます。
次のような効果がある薬が使用されます。
尿路結石になった場合、犬でも人間でも同様に、もっとも有効な対処法が、オシッコをたくさん出すこと。
効果理由は次の通り。
・尿路にいつまでも細菌が滞ってしまうことを防ぐ
・小さな結石が結晶した場合ならば、オシッコで早めに体外に排出して尿路閉塞を防ぐ
・尿路結石によって尿路が傷つくのを抑える
このため、利尿剤などの利尿作用が働く薬を使用して尿の排出を促します。
実際に使われることが多い薬は、「イソソルビド」・「ラシックス」などの利尿剤です。
これらの利尿剤を使用する上での注意点は、愛犬にたくさん水を飲ませること。
利尿剤は薬の力を用いて強制的に水分をオシッコとして体外に排出します。
このため、その分しっかり前もって水分補給しておかないと、愛犬が水分不足の状態を招く恐れがあり注意が必要です。
このため、愛犬がいつでも自由に新鮮な水が飲める環境を整えてあげてください。
抗生物質は、細菌感染を抑えるための薬です。
特にストラバイト結石の場合、尿路の細菌感染が主な原因となる場合が多く、抗生物質の使用は必須といえます。
また、尿路結石で傷ついた尿路の箇所の感染を防ぐ意味あいでも使われることもあります。
もちろん、手術を行った後などでは必ず使用される大切な薬です。
とにかく細菌が繁殖すればあらゆる病気の元、抗生物質できちんと抑える必要があります。
止血剤は、尿路結石を治す薬ではなく、尿路結石が原因で起きる出血を止めるために使用します。
結石が膀胱や尿路などに出来た場合、思った以上にごろごろと動くため、その結果傷がつき、出血してしまいます。
このため、血尿が出ているワンちゃんには必ず使用します。
出血量が多かったり、出血が長期間継続してしまうと、愛犬が貧血を起こす恐れがあります。
このため止血剤をきちんと飲ませて、出血を抑えることが大切です。
鎮痛剤も止血剤同様に、尿路結石を治す薬ではありません。
鎮痛剤とは痛み止めの薬であり、尿路結石は、オシッコをする時に、とても激しい痛みがよく起こる病気のため、鎮痛剤も必須といえます。
私の知人も尿路結石になって救急車で病院に運ばれたのですが、その痛みたるや半端ではなく、とても動けず救急車を呼んだと言ってましたね。
つまり、それ程の痛みが伴う病気のため、いくら人間より痛みに強いワンちゃんであっても、我慢できないに違いありません。
このため鎮痛剤は、できれば必ず処方してもらうのがおすすめです。
なお、鎮痛剤や止血剤は、種類によっては、結石をさらに大きくしてしまう作用が働くケースがあり要注意。
このため、動物病院で処方される薬を使用するのがおすすめですが、市販の止血剤や鎮痛剤を使用する場合、必ず獣医師に相談するように注意しましょう。
ストラバイト結石に限る薬とされていますが、結石(結晶)を小さくしたり、これ以上大きくさせないために使用する結石溶解作用が働く薬もあります。
結石が尿路を塞いでしまっており、尿が出ない緊急事態の場合や、シュウ酸カルシウム結石などストラバイト結石以外の尿路結石で、結石が大きくなり過ぎて尿で流し出すことが出来ないケースでは、手術を行います。
手術を行うことで、原因である結石を愛犬の体内から取り除くため、一旦は病気は治ります。
しかし手術による治療は、根本的な解決ではないことを認識することが大切。
つまり、愛犬の体に結石ができた原因自体は、何も改善されていないわけです。
このため、食事療法や薬物療法を必ず併用しておくことが必要であると認識して、根本原因の改善を目指してください。
食事療法や薬物療法、またはカテーテルなどの尿道洗浄などにより、手術が回避できれば良いのですが、残念ながらどうしても手術が必要なほどの病状であるケースも多いもの。
手術となれば、どうしても飼い主のみなさんが、気になってしまうのが手術費用ですね。
ワンちゃんの場合、保険が効かずに全額負担のため、負担がとても大きくなってしまいます。
手術となった場合、手術そのものの費用に加えて、検査費や入院費、薬代と様々な経費がかかるため、安く見積もっても最低で、トータルで平均15万円程度はかかってしまいます。
当然ですが、動物病院によって差が生じるし、また、尿路結石の大きさや量、難易度、起こった場所などによっても大きく費用に差が起こってきます。
そのため、先ほど言った、倍の30万円くらいかかってしまうことだって普通にあります。
次に詳しく、尿路結石手術の費用の内訳を紹介してみましょう。
・検査費用合計:15,000円~30,000円
・レントゲン:3,000円~5,000円
・結石検査:5,000円~8,000円
・尿検査:1,000円~3,000円
・血液検査:5,000円~10,000円
・超音波検査:3,000円~5,000円
・開腹切開手術:30,000~100,000円
・入院費:3,000円~10,000円/日(3日~7日程度)
・点滴など:10,000円~30,000円
・注射(抗生剤など):3,000円~10,000円
このように、手術となってしまえば、結構高額な費用がどうしてもかかってしまうもの。
犬の公的な保険制度がないところが一番のネックですね。
動物の場合、公的保険はありませんが、ペット保険はあります。
最近は随分ペット保険も充実してきたので、これからの時代は真剣に、愛犬たちペットの保険も考える時期に来ていると思えます。
食事療法は中々大変で、短期間で結果が決して出るものではありません。
最低でも1ヶ月単位くらいのスパーンで、じっくりと愛犬の様子をうかがっていく必要があります。
なかなか簡単には、変化が感じられませんが、逆に悪化してしまうケースでは、食事が愛犬の症状に適していない可能性も高いため、かかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。
市販の尿路結石に対応した療法食は、まだまだ数が少なく、困っている飼い主さんも多いはずです。
主な尿路結石に対応した療法食を紹介しておきましょう。
私の一押しは、「みらいのドッグフード特別療法食KE(結石・膀胱炎用)」ですね。
みらいのドッグフード特別療法食KEは、ストルバイト結石症や膀胱結石、腎臓結石のトラブルを抱える犬を対象とした薬膳食事療法食です。
尿酸値と結石の関係は、phの値がph6.1~6.6が理想値とされ、ph7.0以上となりアルカリ性となるとストラバイト結石になりやすく、反対にph6.0以下となり酸性になるとシュウ酸カルシウム結石になりやすくなります。
このため、みらいのドッグフード「特別療法食KE」は、弱酸性レシピとしてphコントロールを行うフードとなっています。
phコントロール、オメガ3脂肪酸、漢方&マクロビ原料の3つの対策をメインにして、結石と膀胱炎及び健康寿命を考えた薬膳食事療法フードです。
薬膳のメリットとされる特徴は、化学療法や漢方薬と比べて、愛犬のカラダへの負担が少なく、苦みが無いところです。
食べる歯磨きパウダーも一緒に付いており、口腔環境ケアを改善して感染予防を行います。
マクロビ発酵素材 36 種類以上もの栄養素を使用した無添加の薬膳入り国産ドッグフードです。
みらいのドッグフード特別療法食KEの効果を、詳しく知りたい飼い主さんは、次の記事をチェックしてみましょう。
その他の尿路結石に効果があるフードを紹介しましょう。
ヒルズでは、ストラバイト結石の場合、その結石の大きさによって、s/d、u/dを選びます。
また、少しキラキラした結晶が出ているなという場合には、c/dを選びます。
「pH コントロールドライ」・「pHコントロールウェット缶」・「pHコントロールスペシャルドライ」があります。
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動物病院でよく使用されています。
予測pHを6.1~6.4に抑えてくれて、ストラバイトに特化したフード。
マグネシウム含有量を調整することで、下部尿路の健康維持に配慮したフード。
アルカリ性のストラバイト結石・酸性のシュウ酸カルシウム結石の双方をケアする尿pH(6.0-6.5)にするため、メチオニンやタウリン、クエン酸を配合したフード。
尿路のサポートや結石の核となる老廃物をケアにも優れています。
結石予防も兼ねて、腎臓のケアを中心としたフード。
利尿作用を高め、不要な毒素を排出させます。
リンとタンパク質の含有量を減らし、加水分解された高品質なタンパク原料を使用することで、負担を軽減させます。