犬も人間同様に尿路結石になります。
特に尿道結石になった経験がある人は、その痛さは半端ではないといいますね。
愛犬の尿路結石は、悪化させてしまうと、命に係わることもある注意が必要な怖い病気です。
そのため、しっかり主な症状を理解して、状態を把握しておく必要があります。
また、愛犬の尿路結石が悪化した場合には手術が必要になりますが、尿路結石の術後には、気になる症状がいろいろ起こるため、どのようなことが起こってくるのかも知っておく必要があります。
今回は、このあたりの飼い主さんが知っておくべき、尿路結石の症状の情報をお伝えします。
愛犬が尿路結石になった場合、以下の通りいろんな症状があらわれます。
・食欲が低下する
・発熱
・水を大量に飲む
・オシッコの回数が増える
・頻尿
・排尿痛
・オシッコの色が濃くなる
・オシッコが濁っている
・紅茶色のような血尿が出る
・オシッコのニオイが強くなる
・オシッコが出なくなる
この中から代表的な6つの症状について紹介します。
頻尿とは、少量のオシッコを何度もすること。
尿路結石のため、尿道が塞がり狭くなっており、そのためオシッコが出にくくなっています。したがって、なかなかすべての量を1度で出し切ることが出来ないため、何度も少量のオシッコをすることとなります。
また、常に膀胱にオシッコが溜まっているため、何かちょっとしたタイミングでオシッコが出てしまうこともあり、トイレを失敗して粗相してしまうケースもあります。
マーキング癖のあるワンちゃんだと、しょっちゅうオシッコのポーズをとるため、なかなか
頻尿と見分けがつかないケースもあります。
愛犬がオシッコするたびによく、「キャン」という痛みからの鳴き声を発するようになれば注意が必要です。
またオシッコをする格好を見ていても、見るからに辛そうな感じで、背中を丸めてしていたりすれば要注意。
このように、愛犬が排尿痛を感じている様子が見られる場合、尿路結石の可能性が高く、膀胱や尿道などの尿路が傷ついていることが原因となって、痛みが生じていといえます。
また、オシッコが出ることから、結石が動いてその度に痛みが起こっているかもしれません。
こんな痛みが起こってしまえば、誰しもなかなかオシッコをしたくなくなります。
そのため愛犬もついオシッコを我慢してしまうことが多くなり、その結果オシッコが溜まった状態が続くと、細菌感染の悪化を招きかねません。
したがって、愛犬がオシッコを痛がる様子が見られれば、直ぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。
犬のオシッコの色は、本来であれば透明で、少し黄色がかった色がする程度。
ところが愛犬が尿路結石となり、膀胱に傷を負ったり、腎臓への負担が生じると、紅茶のように赤茶色っぽくなったり、濁ったりし出します。
また、尿路が細菌感染してしまえば、血尿が出たりもします。
血尿といっても、最初はそんなに大量には出ないため、真っ赤というイメージにはならないので注意して確認しましょう。
なお、真っ赤な血尿が出てしまうような状態であれば、貧血が心配となり、その影響から愛犬が重篤な症状を引き起こす危険もあります。
どちらにせよ、血尿が出れば、何らかの病気である疑いがぬぐえないため、速攻で病院に連れていくべきです。
また、オシッコをチェックすると、時にはキラキラした結晶が混ざっているケースがあります。
こうなれば、もうほぼ尿路結石確定といえますね。
通常、なかなか仮に出ていても、小さくて分かりにくいことも多いですが、気になる症状が出ていれば、慎重にオシッコをチェックしてみる必要もあります。
尿路結石が原因で膀胱や尿道などが傷がつき、その結果、細菌が繁殖して細菌感染が生じると、熱が出てきます。
細菌感染によって、発熱していれば、愛犬の元気がなくなっています。
人間であれば、おでこを触ったりすれば、熱があるかどうかの判断ができますが、ワンちゃんの場合は、なかなか分かりません。
そのため本来であれば、犬の体温を測るべきですが、正直結構困難でリスクの方が高いといえます。
理由は、犬の体温を計測するには、体温計を直腸にさして測ることとなります。
この場合、しっかり犬が動かないように保定して測らないと、体温計が割れる恐れがあるため、私は慣れない素人が測る必要はなく、元気が無くなった時点で動物病院に連れて行ってあげれば良いと思います。
痛さのためや、発熱したりすれば、それが原因となって食欲不振となってしまうことが多いといえます。
食欲不振はいろんなケースで生じるため、食欲が低下したからと言って尿路結石に直結するわけではありませんが、紹介した尿路結石の特徴が感じられ、さらに食欲不振も加われば、一層尿路結石の可能性が高まります。
愛犬が排尿を催して、一生懸命にトイレでオシッコをするポーズをしていたとします。
しかし、一向にオシッコが出ずに、ずっと長くそのポーズを続けてうずくまっているならば、尿路が塞がってしまっている可能性が高まります。
このような場合、注意すべきなのが、尿毒症です。
排出されるべき毒素が体内に溜まってしまうため、愛犬が尿毒症になれば、至急対処しないと命に関わってしまいます。
このため、このような状態に飼い主さんが気づいたケースでは、一刻を争うため、速攻で愛犬を動物病院に連れて行ってください。
愛犬の尿路結石の手術を行ったケースでは、その予後でいろいろ気になる症状が現れるため、注意が必要となります。
ワンちゃんが尿路結石の手術をした場合、必ずといっていいほど頻尿となってしまいます。
尿路結石とは、膀胱や腎臓などで結石が出来てしまい、その結石を排出する途中で、尿管や尿道で詰まってしまうために起こる病気です。
一番溜まりやすい箇所が膀胱であり、続いて腎臓、多くのケースでほぼこのどちらかだといえます。
一番溜まりやすい膀胱を切開して手術したケースでは、結石を取り出した後で、膀胱から尿が漏れ出さないように、しっかり縫い合わせて縫合します。
このためこの状態では、以前の膀胱より縫合した分、容量が小さくなってしまいます。
さらに術後は、接合した傷の箇所が腫れるため、一層膀胱の容量が縮んでしまいます。
その影響のため、当然尿を溜める容量が低下してしまい、その結果として頻尿症状が生じてしまいます。
これは、尿路結石術後の宿命といえます。
このままの状態なのかと心配になりますが、心配は無用です。
しばらくすれば腫れが治まり、また少しずつ膀胱も広がっていくため、徐々に膀胱に溜められる尿量が増えていき、頻尿は治っていきます。
このため手術後は、愛犬が頻尿になることをしっかり認識して、愛犬が「オッシッコがしたい」様子がうかがえれば、何度でもトイレに行かせてあげましょう。
尿路結石手術の術後には、それまで血尿が出ていた場合、頻尿のみならず血尿にもなります。
愛犬が尿路結石を起こしたケースでは、通常膀胱などが傷ついてしまっています。
このため、手術後、しばらくの間は、どうしてもオシッコに血液が混ざってしまう状態が続きます。
このように、術後しばらくの間、愛犬から血尿が出ることを飼い主さんが認識していないと、心配してしまう事態が起こってしまうかもしれません。
当然原因の結石は手術で摘出されているため、徐々に血尿は治まっていきます。
もしも、長期間血尿が止まらない場合や、出血量が増しているような場合は問題なため、直ぐに獣医師に相談すべきです。
尿路結石の手術後に、愛犬に下痢や軟便が続く場合がよくあります。
これは、手術自体の影響ではなく、辛い手術を行ったことから生じる様々な強いストレスが原因といえます。
・痛み
・慣れない環境
・入院で飼い主さんから離れる
・尿道カテーテルの処置
・エリザベスカラーの設置
このように、様々なストレス要因があります。
このため、多くのワンちゃんが、術後に体調が壊れやすいのです。
だんだんと痛みがとれ、飼い主さんの元に戻れば、安心してストレスも減少して元気になっていきます。
たくさん愛犬とコミュニケーションをとって、可愛がってあげましょう。