モンローウォークといえば、有名な女優であるマリリンモンローが腰を左右に振って歩く独特な歩き方。
もしも愛犬が、この有名なモンローウォーク歩きをしていたならば、もしかして股関節形成不全にかかっているかもしれません。
何故って、それはこのモンローウォークの歩き方が、犬の股関節形成不全での代表的な症状の一つとされているからです。
愛犬の歩き方を見抜くには、散歩で歩いている時などに、後方から眺めると分かりやすいですよ。
さて、犬の病気である股関節形成不全が、まさかモンローウォークで見抜けるとはビックリですが、はたして他にどのような症状が出るのでしょうね。
今回は、愛犬が股関節形成不全にかかってしまう原因や、その特徴を現す症状などを紹介します。
犬の股関節形成不全は、1歳未満で突然発症することが多いとされている病気です。
そのため、生後6ヶ月未満の状態ですでに発症している事が多く、少しずつ重篤化してい
き、6ヶ月を過ぎた頃から痛みの症状が出だすため、ようやく飼い主さんも愛犬の異常に気付きます。
犬の股関節形成不全の主な目立つ症状は以下の通りです。
・後ろ足を同時に前に出すような形で歩くうさぎ飛びハニーポップ走行
・足取りがおかしく不自由な感じ
・お座りする際に足を投げ出すような座り方
・ジャンプなど足に衝撃がかかる運動を嫌がる
・走らなくなる
・うつむきながら歩く
冒頭で少し紹介したように、犬の股関節形成不全の症状の一つがモンローウォーク。
本当にワンちゃんが、腰を左右に振って歩いてモンローウォークしている場合は注意が必要。
この段階であれば、まだ元気よく歩いているため、あまり痛みは出ていないとされますが、放置すれば成長とともに重症化してしまう可能性が高まります。
散歩では長く歩くため、いろいろ症状が出やすいので要チェック。
愛犬が腰を振って歩くモンローウォーク以外でも、散歩の途中で座り込むことがあったり、立ち上げる際に何となくスムーズでなく、ぎこちないと感じたりするケースでは、股関節形成不全の疑いがあります。
また、股関節形成不全が重症化し出せば痛みが生じだすために、歩く時に足を引きずったり、動く際に痛がったりしだします。
元気がなくなり、散歩などの運動を嫌いだせばかなり症状が悪化しています。
ハニーポップとは、犬がうさぎ跳びするように、後ろ足をそろえて跳ねるように歩くこと。
この独特の歩き方も、股関節形成不全が起こっているために生じるとされています。
生後4ヶ月頃には起こり出すとされる症状のため、気づいた時点で早めの対応が重要となります。
股関節形成不全が原因で痛みが生まれてくると、運動を嫌がりだし、少し歩いただけでも直ぐに座ってしまうことが多くなります。
また、この座る際の姿勢が不自然な座り方となります。
後ろ足を伸ばしたままで座ろうとして、後ろ足をうまく折りたためない感じが見て取れます。
一般的なお座りの姿勢ができなくなり、もはや横座りばかりとなります。
また立ち上がるのに時間がかかり、明らかに違和感が感じられます。
ここまで状態が進行する前の軽度の状態で気づいてあげたいものです。
痛みが生じだすと、体が強張っていたりもします。
また歩き方も元気がなくなり、頭を下げてうなだれた感じで歩いたりするため、このような症状からも異常を感じとってあげてください。
ジャーマンシェパード、グレートピレニーズ、レトリバー系の大型犬〜超大型犬が、股関節形成不全の好発犬種とされています。
このように大型犬種に発症しやすいのは、特に子犬期の成長スピードが早く、急激に体重が増加してしまうため、股関節へ過度のストレスが生じてしまうのが原因だとみなされています。
犬の股関節形成不全の原因は、問題遺伝子が受け継がれることと考えられており、およそ7割が遺伝に関係しているとされています。
そのため、股関節形成不全を引き起こす確率が高い特定の犬種がいます。
好発犬種の場合、1歳未満で発症するケースが多いため、子犬期に十分な注意を払って異常がないか確認してあげましょう。
また日本においては、血統書の発行を行うジャパンケンネルクラブが、遺伝による本症の発症確率を引き下げるための試みとして、股関節形成不全症(HD)と肘関節異形成症(ED)という新設項目を作り、専門機関によるチェックを取り入れています。
股関節形成不全の発症頻度は、性別による差などはありませんが、小・中型犬と比較して、明らかに大型犬・超大型犬が圧倒的多数で発症しています。
この原因として考えられている理由は、成長スピードの差。
特に子犬時代では、急激に大型犬・超大型犬の場合、体重増加が見られるため、股関節へ過度のストレスがかかりやすいためとされています。
生後60日の間が、犬の骨が急速に成長する期間とされています。
このためこの期間の間に、強い力が加わってしまうと骨盤の形成に影響をきたし、股関節形成不全の発症原因に繋がるとされています。
このため、この時期に過剰な栄養摂取により肥満であったり、物を引っ張らせるなどのような、過度の激しい運動をさせてしまうと、関節へのストレスや負荷が生じて問題が起こってしまいます。
触診を行い、股関節の可動範囲をチェックします。
後肢を伸ばす際に、ワンちゃんに痛がる様子がみられれば要注意。
後肢を外側と内側に動かしてチェックして、その際に股関節の緩みが観察される「オルトラニサイン」があれば、股関節形成不全のリスクが高まります。
本症の疑いが高まったケースでは、X線検査などの画像検査や、関節鏡やCTを用いた検査を行います。
OFA法やPenn Hip法などを用いて、股関節部分の寛骨臼や大腿骨頭の変形、さらに関節箇所の緩み具合を診断して、股関節形成不全の進行具合を評価します。