愛犬が糖尿病にかかった場合、自宅でインスリン注射を打つ必要が生じてきます。
素人が注射を打つのは不安なものです。
しかし、自分で愛犬にインスリン注射できると、経済的にも負担が減少できるので、是非打てるようになるのがおすすめです。
というより、正直飼い主さんは、自分で頑張って打たないと、とてもじゃないが費用が負担できませんよ。
インスリン注射の注意点と種類、また失敗しないための打ち方とその費用について紹介します。
犬の糖尿病の原因は、膵臓から分泌されるインスリンという物質が、足りなくなったり、正常に働かないなどの作用不足となるためです。
この結果、血液中の糖が細胞内に吸収されず、そのため血管内に糖(血糖)が増加してしまいます。
したがって、血糖値のコントロールをカバーするために、不足しているインスリンを注射して、補う必要が生じるのです。
インスリンの注射で犬に使用するインスリンの主な種類は、次の3つです。
・速効型
・持効型
・中間型
速効型のインスリンは、名前の通り、効き目の効果は早く現れますが、その分残念ながら持続性がないのが特徴です。
主な使い方は、愛犬が食事後も高血糖が続いてしまうようなケースにおいて、食前に前もって打っておく形で使用します。
しかし、3つの中では、一番使われることが少ないタイプといえます。
この持効型が、最も一般的に使用されるポピュラータイプです。
効果の効き目は早くはありませんが、持続性があります。
このため、効果が1日中持ち、1日に1回打てば、ほぼ血糖値の上昇を抑え続ける作用が働きます。
このため、使い勝手が良く、愛犬が夜間の寝ている状態で低血糖状態になったりする心配がありません。
中間型はその名前の通り、速効型と持続型の中間の効果を備えたタイプです。
愛犬の空腹時における血糖値上昇を抑える作用が働きます。
また、持続時間も18~24時間程度は持ちます。
上記の通り3つのタイプがインスリン注射にはありますが、当然飼い主さんが勝手に選べるわけではありません。
愛犬の糖尿病の状態を正しく獣医師が判断して、タイプを選んでくれるので、その指示に従ってください。
あなたが愛犬にインスリン注射を行う上で、絶対に間違えてはダメなのが打つインスリン量です。
これを間違ってしまうと、命取りになることだってありえますから超要注意です。
もちろんかかりつけの獣医師から、詳細な適切なインスリン量については説明がありますが、あくまでインスリン注射を行うのは飼い主さんとなるため、どんな思い違いやミスが生じるとも限りません。
このため、要注意となります。
インスリンの投与の治療における薬の量は、通常は愛犬の体重が基本となってその量が決定されます。
その基本量は、0.5~1単位/kgとなります。
しかし当然個体差なども生じるため、最初の治療開始時のインスリンの適量は、いろいろ微調整を行って、そのワンちゃんに合ったインスリン量を見つける必要があるため、動物病院に入院して定めることとなります。
適したインスリン量の決め方は、実際にインスリン注射を行って、少しずつ量の調整を行い、それぞれ血糖値を測定し、血糖値がどう変化するかによってそのワンちゃんの適量を見極めます。
インスリン量を増やす場合は、原則として、0.1単位/kgずつ増やしていきます。
インスリンの量の決定は、すべて獣医師が行うこととなります。
当然ですが、勝手に飼い主さんが、自身の勝手な判断で量を変えることは絶対にしないようにしてください。
インスリン量によっては、本当に愛犬の命に影響が生じるケースがあると、肝に命じておいてください。
また、糖尿病の治療でインスリン注射しているケースでは、同時に食事療法も行っているはずです。
食べ物の影響で、すぐに血糖値に影響が出てしまうため、勝手にフードを替えたり、また人間の食べ物を与えてしまうのは絶対のNGです。
インスリン治療中は、血糖値のコントロールを行い、その目指す値は、100~300mg/dlとなります。
血糖値のコントロールが上手く出来ない場合は、しっかり原因究明する必要があります。
主な原因は次の3つが一般的です。
インスリンが白く白濁しているケースでは、打つ前に必ず毎回内容物を均一な状態に混和する必要があります。
この際に注意するべきなのが、瓶自体を手で強く振ってしまわないことです。
内容物を混和する正しいおすすめ方法は、手のひらの上で瓶を優しく転がすことです。
つい愛犬に不用意に何か与えてしまったり、食事を愛犬が残すなど、獣医師から指定された食事で摂取すべきカロリーが安定しない可能性があります。
愛犬にストレスが生じてしまうと、血糖値は上昇してしまいます。
このため、愛犬が強いストレスを感じないように注意してあげましょう。
愛犬にインスリン注射をする場合、必ず一回空打ちしてから、注射器にインスリンを吸うように注意する必要があります。
基本的にはインスリン注射は、皮下であればどこに打ってもOKです。
ただし、素人だと、つい打ちやすい箇所があると、そこにばかり打ってしまうケースがあります。
さすがに、毎回その箇所ばかりに打ってしまうのは問題。
皮膚が硬化してしまう恐れがあるため注意が必要です。
オススメは、何箇所か打つ場所をあらかじめ選んでおき、ローテーションさせることです。
これはとても大切な注意ポイントとなります。
愛犬にインスリン注射をする前に、必ず愛犬が食事を摂っている必要があります。
食事を摂っていない状態であれば、血糖が高くなっていないため、このままの血糖が低い状態でインスリン注射をしてしまうと、低血糖を引き起こしてしまうため注意が必要です。
また、インスリン注射に失敗したと感じたケースでも、絶対2度打ちは厳禁です。
さらに記憶が曖昧で、愛犬にインスリン注射を打ったかどうか疑問な時にも、絶対打たないことです。
インスリンの量が多くなってしまうと、低血糖が起こってしまうため、絶対に2度打ちはNGです。
このようなミス防止としては、カレンダー形式の実施表を作成しておき、インスリン注射を打った時点で必ずチェックマークを付ければ、打ったかどうかの勘違いは防止可能となります。
愛犬へのインシュリン注射で一番怖いのが、何かの拍子に低血糖が起こってしまうことです。
したがって、インスリン注射後に、愛犬が震えたり、発作を起こした場合は至急動物病院に連れて行ってください。
また、低血糖対策として、砂糖水などを用意しておくのも有効ですね。
最後に気になるインスリン注射の費用を紹介。
インスリンの瓶1本の値段は、通常5,000~7,000円程度。
これでほぼ2ヶ月分となります。
さらに注射器が1本80円~100円程度。
このため、仮に瓶1本が5,000円ならば2,500円、7,000円ならば3,500円。
注射器が1本80円ならば、1ヶ月2,400円、100円ならば、3,000円。
したがって、自宅で自分で量って注射器で注射すれば、約5,000円~6,500円という費用となります。
このように動物病院であらかじめすべて用意してもらって、飼い主さんが自宅で打つだけというケースでは、1ヶ月分で約20,000円程度はかかってきます。
このように動物病院に頼んでしまうと値段が跳ね上がります。
もちろん動物病院によって、結構値段の差が生じてしまうのが事実です。
自分で注射をすることが怖いと感じる飼い主さんは多いようですが、毎日愛犬を動物病院に連れて行って注射してもらうには、あまりにも非現実といえます。
また、費用もビックリするほどかかってしまうため、みなさん怖いと感じながらも必死で学んで自分に打つことになりますね。
ちなみに毎日連れて行って注射を打ってもらっていれば、1ヶ月で軽く10万円以上は費用がかかってしまいます。