最近は室内犬として愛犬を飼い、四六時中一緒にいてつい可愛さのあまり甘やかしてしまう飼い主さんが多いため、ワンちゃんの分離不安症が増加しています。
愛犬の分離不安症の症状や原因について詳しく知りたい方は、次の記事を参照してみましょう。
さて今回は、愛犬の分離不安症の治療法や効果がある治療薬について分かりやすく紹介します。
あなたの愛犬ははたして大丈夫?
愛犬が分離不安症になっていないか気になりますね。
そんな心配症の飼い主さんのために、最初に分離不安症のチェック項目を紹介するので、愛犬に対してあてはまるかどうかチェックしてみましょう。
・あなたから愛犬が離れることができない
・留守番時に粗相をしている
・留守番時に部屋を荒らす激しい破壊行動をする
・飼い主さんと離れると過剰に吠える
・自傷行動が見られる
どうですか、上記のような行動が愛犬に見られる場合、分離不安症の可能性が高いといえます。
はたしてどんなワンちゃんだと、分離不安症になりやすいのでしょうね。
主な特徴を紹介します。
早くに親兄弟から引き離されてしまった子犬は、社会性が育っておらず分離不安症になりやすいといえます。
母犬からうけるべき世話の密度が乏しいことも大きく影響します。
また、ペットショップに長く取り残されてしまった犬は、ストレスを多く受けており、強い不安を抱いてしまっており、注意が必要です。
飼い主と一対一で生活しており、甘やかされて過保護な犬は、飼い主さんへの依存度が強く、少し離れただけで不安になるため、分離不安症になりやすいです。
このため、大家族で祖父母や子どもたちがいたりするだけで、特定の人への依存度が薄れ、分離不安症になりにくくなります。
性格や気質だけは千差万別であり、人間の子供だって甘えん坊の子はいます。
ワンちゃんも同様で、産まれつきの性格から、分離不安症になりやすい犬も存在します。
甘えん坊の子供でも、甘やかさずに、しっかり育ててあげれば、自立心が育っていきます。
したがって、ワンちゃんもしっかりしつけて、甘やかすことなく、一人でいられるようにしつけてあげましょう。
一人で愛犬が留守番していた際に、雷や花火など急に怖い大きな音がしたなど、恐怖を感じ不安を覚えてしまうようなトラウマを、留守番時などに経験してしまうと分離不安症になりやすいです。
犬の分離不安症の治療は、次の2つに大別されます。
・行動療法
・薬物療法
それぞれ単独で行うよりみも、2つを併せて治療するのが有効です。
オススメは、行動療法を主に行い、補助的に薬物を併用する治療法です。
行動療法は、専門医の指導のもとに行うのがベストとされますが、実際問題として、犬の分離不安症の原因の多くが、飼い主さんの犬への接し方に問題がある場合が多いため、飼い主さんの心がけが一番大切な問題ともなります。
さて愛犬の分離不安症が、本当に改善されるのか不安ですよね。
そこでそんな飼い主さんの不安を吹き飛ばす動画を紹介します。
分離不安症のワンちゃんは、飼い主さんの姿が見えなくなれば不安で鳴き続けています。
ところが、分離不安症の治療を行った1ヶ月後には、驚くべき変化が生じていますよ。
是非あなたの目で確認し、分離不安症の治療に希望と自信をもってください。
訓練は無理せず徐々に段階を踏んでおこなっていくのがポイントです。
分離不安症のワンちゃんは、一人でいることに不安を感じて一人でいることができません。
そのためまずは、家の中で愛犬を一人にする状況を作っていきます。
飼い主さんは、愛犬を残して姿を隠します。
最初は無理せず、数十秒程度で十分です。
これをこまめに繰り返し、少しずつ時間を延ばしていき、最終的には30分程度まで我慢ができるまで訓練します。
飼い主さんが姿を消し、また現れることを繰り返すことで、愛犬に飼い主さんの姿が見えなくなっても、しばらくすればまた必ず戻って来て心配ないことを覚えさせるのです。
30分程度まで我慢ができるようになれば、次のステップとして、実際に飼い主さんが外出して、愛犬一人で留守番をさせるように訓練します。
外出してしまうと、愛犬の状態が心配ですね。
最近は、外からでも愛犬の様子を確認できる便利アイテムが揃っているので、活用してみるのがおすすめです。
Furboドッグカメラを利用すれば、たとえ離れて愛犬を一匹でお留守番させていても、簡単に愛犬の様子を見たり、こちらから話しかけたり、なんとおやつまで与えることも可能なのです。
もっと詳しくFurboドッグカメラに興味がある方は、こちらの記事を参照してみましょう。
最初愛犬を一人にする訓練を行えば、きっと激しく鳴くはずです。
その時、愛犬が鳴いたからといって直ぐに戻ってはダメです。
直ぐに戻ってしまうと愛犬に、鳴けば飼い主さんが戻ってくると、覚えさせてしまいます。
したがって無視して、愛犬が鳴き止めば戻ります。
また、鳴き止まないケースでも、3分とか時間を決めて、その時間が経過してから戻るようにします。
「マテ」の指示を覚えさせることは、凄く分離不安症の治療として有効とされています。
マテのしつけは、決して難しい指示ではなく、ワンちゃんはすぐに覚えてくれます。
お利巧で待てたならば、おやつを与えるなどして、いっぱい褒めて撫でてあげましょう。
そして、徐々に待つ時間を長くしていきましょう。
遊んでいる最中などでも「マテ」をさせてみましょう。
遊びの最中の「マテ」は、長くしたり短めとするなど、待つ時間をランダムに変えて変化をもたらしてあげると効果的です。
「マテ」を覚えることで、愛犬の自立心が養われます。
飼い主さんは、外出すると愛犬が寂しい思いをすると考え、やたらと外出前に遊んであげたり、エサを与えたり、「出かけるからお利巧にしていてね」なんて声掛けをしたりするものです。
しかしこのような行為は逆効果です。
外出中にかえって愛犬の不安な寂しい気持ちを助長させてしまいます。
外出時は愛犬に構うことなく、さりげなくさっさと愛犬が気づく前に出かけてしまいましょう。
また、帰宅時も注意が必要です。
飼い主さんの帰宅時に、愛犬が喜び大はしゃぎするのはお決まりの儀式ですが、その際に飼い主さんが付き合って、愛犬を褒めたり撫でたりするようなことは控えるべきです。
帰宅時には、出来ればさっと別の部屋に行き、愛犬の興奮が治まってから姿を現すように心がけてください。
構ってあげたい時は、遊んであげたり、散歩に行く時などに、一杯スキンシップをおこなってあげましょう。
主従関係を構築する際にも、飼い主が主導権を握ることがとても大切となりますが、分離不安症のワンちゃんに対しても、必ず飼い主が主導権を握る必要があります。
愛犬の要求行動に対しは、完全に無視してください。
また、マテ・オスワリ・オテ・フセなどのコマンド要求の指示を出し、愛犬が指示に従えた場合に要求に答えてあげるなど、飼い主の命令に従わなければ要求は通らないことを覚えさせてください。
薬物を使用することで分離不安症が治るわけではなく、症状を薬で低減し、その状態で行動療法を行うことで治療していくと把握してください。
このため薬物療法と行動療法の併用が必要となるのです。
犬の分離不安症に使用される薬は、「抗うつ薬」や「抗不安薬」となります。
抗うつ剤には、脳内の神経伝達物質である「ノルアドレナリン」や「セロトニン」の量を増やしてくれる働きがあります。
神経の働きを良くする作用が働き、その結果、不安や緊張をほぐす効果があり、パニックを抑えるのにも役立ちます。
行動療法の補助薬としてよく処方されます。
抗不安薬は、愛犬に攻撃行動などが見受けられる際によく処方されます。
「セロトニン」の濃度を高める作用が働き、強い鎮静作用があり、不安を抑えて気分の安定を図る役目を果たします。
てんかんの発作や一時的な抗けいれん剤としても使われます。
なお、長期投与は出来ないため注意が必要です。
次に具体な薬について見ていきましょう。
クロミカルムは、脳内の神経伝達物質の乱れを正す作用が働き、分離不安症の治療薬として認可されており、分離不安症の薬としては代表的です。
アナフラニールの有効成分はクロプラミンであり、脳内のノルアドレナリンとセロトニンの量を増大させる作用が働きます。
その結果、不安を和らげる効果が働き、分離不安症などにも効果が期待できます。
クロフラニールは、アナフラニールのジェネリック薬です。
薬局で処方せんを渡したときなどに、「ジェネリックにしますか?」と聞かれた経験があるのではないでしょうか。
ジェネリック薬とは、厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬と同じ有効成分を含む医薬品です。
特徴は、価格が少し抑えられており、自己負担軽減となることと、医療費の効率化にも繋がり、社会的にも期待されています。
このためクロフラニールは、効果はアナフラニールと同じで価格が少し抑えられており、おすすめです。
プロザックは、有名な抗うつ剤です。
パッピードラッグなんて呼ばれたりもしており、別人のように元気に生まれ変わるといわれたりもしています。
世界的にはとても人気の薬ですが、わが国ではまだ認可が下りていません。
フルニルはインタスファーマ社が開発した、うつ病や不安障害の治療薬であり、プロザックのジェネリック薬です。
当然、プロザック同様日本国内では未承認です。
犬の分離不安症の改善が期待できるサプリメントとして有名なのが「ジルケーン」です。
母乳の成分が配合されており、気持ちを落ちつける効果が期待できます。
薬ではないため速効性は薄いですが、継続服用することで効果が期待できます。