犬の寿命が延びて、癌にかかる可能性が高まってきました。
いろいろな癌の種類がありますが、今回は犬の膀胱がんについて、愛犬が膀胱がんにかかってしまう主な原因と、気になる初期から末期までの3段階のステージ別症状について紹介します。
膀胱とは、腎臓から送られてくる尿を貯めるための臓器であり、ここに発生する腫瘍が膀胱がんです。
犬の膀胱がんの特徴として、その多くの癌のタイプが「移行上皮癌」と呼ばれるものであり、予後が良くありません。
症状が膀胱炎と似ているため、つい安易に考え受診が遅れることも予後を悪くしてしまう要因の一つですが、血尿や頻尿が現れることが多く、触れると愛犬が痛がったり、膀胱が硬くなるなど比較的症状は分かりやすいといえます。
犬の膀胱がんの原因は確定はしていませんが、原因として影響しているとされるものが、一般的に5つ言及されています。
犬の膀胱がんの発生率が、メス犬の方がはるかにオス犬よりも高く、1.7~1.9倍という約2倍の可能性で膀胱癌にかかりやすくなっています。
メス犬の方が比較的脂肪が多くなるため、癌の原因に影響する化学物質を保管しやすい可能性が指摘されています。
なお、解明されていませんが、排尿器官の構造上の問題が、何らかの形で影響しているとも考えられています。
いずれにせよ、2倍近くもの差がある以上、何らかの原因が生じているはずだとされています。
今までの研究結果から、膀胱癌になりやすい犬種が以下の通り判明しています。
・テリア系(ただしスコティッシュテリアなどの一部のみ)
・ビーグル
・シェットランドシープドッグ
・シェルティー
・ウェスティー
上記の犬種は、膀胱がんの発症率が高くなることが判明しています。
そのため、これらの犬種を飼っている飼い主さんは、犬の膀胱がんの原因や症状をよく把握して、様子を日頃から注意深くチェックしてあげることが必要と言えるでしょう。
また、雑種であっても、上記犬種の血が混じり、血統的に近いケースでは、同様に注意を払ってください。
癌に対して発がん性物質が要注意なのは当然ですが、特に次の2つの物質に注意してください。
・フィプロニル
・ペルメトリン
フィプロニルとペルメトリンは、ゴキブリの殺虫剤に使用される毒性の強い発がん性物質として有名です。
特にこの物質が要注意である理由は、犬が使用するノミ、ダニ駆除剤の成分として含まれていることがあるためです。
また、農薬にも含まれ危険性が高いです。
近くに畑があるような環境で、外飼いしているワンちゃんは要注意です。
またゴルフ場などが近くにあると、農薬散布をリモコンヘリコプターなどで大規模に行ったりするため、その間は外飼いの愛犬を、玄関に入れるなどの対応をしてあげてください。
また発がん性物質は、毎日愛犬が食べるドッグフードにも含まれています。
無添加フードであれば安心できますが、市販の安価なドッグフードの場合、発がん性の危険を含む添加物がたっぷり含まれていたりします。
ドッグフードの添加物で注意すべき、発がん性が疑われる主な成分は以下の通りです。
・BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
・エトキシキン
・没食酸プロピル
・亜硝酸ナトリウム
・エリソルビン酸
・エリソルビン酸ナトリウム
・ソルビン酸カリウム
・二酸化チタン
・タール系着色料
安全な無添加ドッグフードを探す場合、次の記事を参考にしてみましょう。
肥満が健康を害する元となるのは明白な事実です。
これは、人間もワンちゃんも共通ですね。
高血圧が生じ、ホルモン系の異常をきたし、膀胱癌をはじめ、犬の各種の癌にもなりやすくなる元凶の一つです。
肥満の原因は、運動不足と高カロリーな食事です。
次の記事では、肥満犬にオススメなダイエットドッグフードランキングが紹介されているので、是非参考にしてみましょう。
関連記事:「肥満犬にオススメなダイエットドッグフードランキング!正しい選び方」リンク
犬が癌にかかっている場合、治療薬として抗がん剤のサイクロホスファミドの投与がなされます。
実は抗がん剤を使用する結果として、ワンちゃんの膀胱癌を併発してしまう場合もあります。
抗がん剤使用には、この様なリスクもあることを認識しておきましょう。
このため犬の癌の治療法として、まず最初に行うべきが食事療法です。
オススメの犬の癌に効果がある療養食を紹介します。
みらいのドッグフード「特別療法食G」は、犬のガンや腫瘍に対応した、最新動物臨床栄養学をもとに作られ、高タンパク質、糖質制限、高脂質、オメガ3脂肪酸を取り入れた特別療法食です。
犬の死因の半数以上が癌(腫瘍)で亡くなっている現実に目を向け、癌になる前も後も自然治癒力を維持する力を育むことを目標として作られました。
「森製製薬会社」・「獣医師」・「栄養管理士」がタッグを組んで作った最先端ドッグフード(特別療法食)との評判が高まっています。
品質にこだわりを持って作られており、その分高価格フードとなってしまっていますが、犬の癌・腫瘍対策について徹底的に研究されて作られたフードに仕上がっています。
紅豆杉を配合することで、ガン細胞だけを攻撃して死滅させる働きを持たせています。
10種類のスーパーキノコも有効です。
最大の特徴が「亜麻仁油」の振りかけであり、麻仁油は腫瘍のケアに最適な成分とされ、豊富に含むオメガ3脂肪酸によりαリノレン酸を補給し、血液をサラサラにする効果が期待できます。
みらいのドッグフード「特別療法食G」は、漢方やマクロビ食材を使用し、なんとマクロビ発酵素材 46 種類もの栄養素を使用した無添加の薬膳入り国産ドッグフードです。
犬心「元気キープ」は、LPSの配合量認定を受けた「犬のがん・腫瘍対応」の栄養基準を満たした世界初の人も食べられるナチュラル療法食のドッグフードです。
2015年の発売から継続して、2018年5月時点で7,000頭を突破し、1度購入した方のリピート率は87%以上を誇っています。
犬心シリーズは、副産物などは一切不使用で、危険な無添加にこだわっており、人間も食べられるほど高品質な食材でヒューマングレイドなため、安全性は高く安心できるドッグフードです。
また犬心は、市販の一般的なドッグフードとは一線を引き異なり、疾患に対応した専門の“療法食”として販売されています。
そのため、やや価格が高めとなりますが、この値段は納得可能で仕方がないかもしれませんね。
紹介した5つの犬の膀胱がんになる原因の他にも、犬の癌には、タバコの煙やストレスなども大きく影響することが分かっています。
タバコの煙に関しては、喫煙者がいる場合は、愛犬がいる部屋ではタバコを吸わないように注意することで防止が可能となります。
また、ストレスに関しては、いろいろな要因があり困難な面もありますが、まずはこまめな愛犬とのコミュニケーションを図り、愛情不足を感じさせないようにしてあげましょう。
犬の膀胱癌には、「表在がん」と呼ばれる表面にポリープ状に腫瘍が発生するものと、「浸潤性がん」と呼ばれる表面に現れることなく、粘膜層の下側の脂肪層に広がっていくタイプの2つに大別されます。
浸潤性のタイプの癌の方が、進行速度が早いため厄介で注意が必要といえます。
犬の膀胱がんを初期症状、中期症状、末期症状の3つのステージ別に主な症状を紹介します。
犬の膀胱がんの初期症状は、他の癌と比較すると、見分けがつきやすいことが特徴です。
といっても、注意深く観察しないと見落とし、なかなか簡単には気づけません。
しかし、基本的には膀胱炎の様な症状がみられ出し、トイレに頻繁に行き出します。
通常犬のトイレは1日に3~4回程度が標準のため、それ以上回数が増えてきたケースでは要注意といえます。
また、排出量が少なくなったり、排尿時に痛みを感じるような様子が見られ出します。
いつもより陰部を気にする仕草が見られ、盛んに舐めたりしていればもうヤバイですよ。
愛犬のオシッコの後で、ティッシュ等で陰部を拭き取り、血が混じっていないかチェックを行うように注意してみてください。
初期段階でも膀胱がんの進行が少し進むことで、腫瘍が大きくなれば次のような症状がいよいよ起こってきます。
・血尿
・頻尿
・排尿障害
尿が血尿になれば、さすがに飼い主さんも異常に気づけるはずです。
癌はとにかく早期発見が全てです。
膀胱がんは犬の癌の中では、早期に気づきやすい癌のため、愛犬の状態をしっかりチェックして、早期発見につなげることが肝心です。
犬の膀胱癌が中期症状になってしまうと、癌が膀胱内に収まっておらず、リンパ節に転移している可能性が高まります。
手術ができる可能性がどんどん低下してきます。
中期症状となれば明らかに愛犬は元気が無くなっており、オシッコの臭いも強まることが多いです。
中期段階となれば、既に愛犬の膀胱がんに気づき、治療も行っているケースが多いはずです。
この時期には、ケースによっては一旦血尿が収まることがあります。
治療が効いていると早合点しないように注意しましょう。
なお膀胱がんの多くが、移行上皮癌と呼ばれる悪性腫瘍ですが、尿管や尿道が膀胱に入る場所で、「膀胱三角」と呼ばれる箇所での発症が多くなります。
この膀胱三角に腫瘍ができてしまうと、簡単に手術ができません。
理由は膀胱の全摘出という大手術なってしまうためです。
もちろんワンちゃんにとっても大変ですが、このような大がかりな手術を行うためには、整った設備も必要となり、大きな施設が充実した動物病院でないと不可能となってしまいます。
犬の膀胱癌の末期症状段階では、遠隔転移が生じてしまっており、膀胱付近だけでの癌では治まらず、手術は既に不可能な状態です。
症状も以下のような重篤な状態が起こっています。
・元気がなく動けない
・激しい嘔吐を繰り返す
・痙攣が起こるか
・意識混濁状態となる
末期段階にまで到達すると、ケースによっては上手く排尿ができなくなる状態となってしまうこともあります。