愛犬が鼻水を垂らしていることがあります。
その場合、チェックポイント知っておく必要があります。
透明の鼻水の場合、生理的な鼻水のことが多く、さほど心配いりません。
しかし、色が付いていたり、血が混じっていたりする場合には、命に関係するような注意すべき症状であるケースもあります。
犬の鼻水の原因は、大きく次の2つに大別されます。
それは、放置してもとくに心配がないとされる「生理的な鼻水」と、風邪やアレルギー、病気などが原因となり注意が必要な「病気による鼻水」です。
まずは、どちらのタイプの鼻水であるのかを見抜くことが大切となります。
そのためには、次のような点についての鼻水のチェックポイントを知る必要があります。
・サラッとして透明か、それともドロッとして色がついているか
・鼻水が黄色や緑色
・鼻水がピンク色
・鼻水と一緒に目ヤニが出ている
・鼻水と一緒に目も充血している
・片側から出ているのかそれとも両側からか
・季節性があるか
・家の中で出るのか、それとも外ででやすいのか
鼻水の色が透明な場合は、鼻炎だとしても軽症状態といえます。
また、基本的には多くの場合、透明な鼻水は生理的なものといえ、さほど心配する必要はありません。
生理的な鼻水とは、寒い日の温度の変化や埃っぽい場所などが原因となって起こります。
外気の冷たい屋外から暖かい室内に入った際やその反対でも、急な気温の変化から、鼻水やくしゃみを引き起こしやすくなります。
鼻で呼吸をする際の作用として、肺に直接冷たい空気が入ってしまわないように、鼻の奥で空気を温めようとする機能が働きます。
その際の作用として、自然に鼻水を分泌する細胞が活性化して、その結果として鼻水の量が増えてしまい、透明の鼻水が出ます。
このため、冬場などの寒い日には温度管理の注意が必要となり、愛犬が透明な鼻水を垂らしている場合には、まずは暖かい場所に置いてあげるようにしてあげましょう。
また、ほこりなどのハウスダストにも注意が必要です。
犬の鼻の粘膜にほこりなどが付着することで、それらの異物を外に排出しようとして、透明な鼻水の量が増えてしまいます。
さらに、刺激臭にも注意が必要です。
犬の嗅覚は、人間の約100万倍以上ともいわれており、そのため犬の嗅粘膜は、人間の10~50倍ほどもあります。
このためワンちゃんは、部屋の芳香剤や女性の香水、また喫煙によるタバコの煙などが、強い刺激臭となってしまい、鼻水が出てしまう可能性があります。
愛犬がドロッとした黄色い鼻汁を出しているケースでは、鼻炎や副鼻炎の恐れがあります。
また、鼻水と一緒に目ヤニが出ている場合も要注意です。
鼻炎が慢性化してしまうと、副鼻腔炎や蓄膿症となることがあるため注意が必要です。
愛犬の鼻水の色は注意してチェックする必要があります。
もしも鼻水がピンク色に感じた場合は、命に関わることもあり要注意となります。
鼻水にピンク色が混ざった状態では、ワンちゃんの呼吸状態が悪くなり、苦しそうな様子を見せていたりします。
ピンク色の鼻水が出る場合、肺水腫や肺炎などの病気の可能性があります。
肺水腫でたまった水は、重度の状態になると鼻から出て来ることがあるのです。
また空気と混じった場合、泡のようになることもあります。
肺炎が重度になったケースでも、呼吸困難となり鼻水が出たりします。
鼻水がピンク色をしており、呼吸が苦しそうな状態の鼻水に気づいた場合は、危険で緊急性が高いので、速攻で動物病院に連れて行ってあげてください。
鼻水に血がまざっているケースも要注意です。
まずは外傷や鼻炎が疑われます。
なお、鼻水よりも鼻血が垂れてくるような状態の場合、かなりヤバイです。
本来、犬はめったに鼻血を出さない動物なのです。
そのため、犬の鼻血が出る状態は、鼻腔内腫瘍が強く疑われます。
特にシェルティやコリーなどの鼻の長い犬種は、鼻腔内腫瘍が多く発生しやすく注意が必要です。
鼻腔内腫瘍は、鼻の中にあるため外見からは症状が見えません。
したがって、早期発見が難しいのですが、じつは鼻血が原因で発見されることが多いのです。
このため、鼻血により来院すると、精密検査まで行うことがあります。
まず鼻の中の細胞を採取して細胞診を行います。
さらにCTやMRIなどの検査まで行うこともあります。
愛犬が、鼻水と一緒に目も充血しているケースでは、花粉やホコリなどのアレルギーの可能性があります。
花粉症で悩む人が多いと思いますが、ワンちゃんにも同様に、花粉症などのアレルギー症状が起こります。
その場合には、まったく症状は人間と同じであり、鼻水やくしゃみ、目の充血やかゆみなどが起こります。
散歩で外に出ると鼻水が出てしまう場合などは、可能性が高いです。
このようなケースでは、愛犬が散歩から戻った時に、ブラッシングやタオルなどで体を拭き、花粉を落としてから室内に入れるように注意しましょう。
愛犬の鼻水がドロッとして色がつき、両側の鼻から出ていれば、膿性鼻汁の可能性が大です。
また、このような鼻水の状態が長き、風邪のような症状も起こってくれば、伝染性気管気管支炎である「ケンネルコフ」や「ジステンバー」の可能性があります。
これらの病気は、混合ワクチンの接種によって予防が可能な病気ですが、万一予防接種を行っていなければ要注意です。
ウイルス性疾患の場合、注意点が他の犬にも移ってしまうことです。
したがって、多頭飼いしている場合や、動物病院を受診する際には、他の犬に移さないための配慮が必要になります。
犬の鼻水については、無色透明でありさらさらとした状態ならば、さほど心配する必要はありません。
問題は、黄色などの色が付き、ドロッとした鼻水が出てしまう場合や、鼻血が混じる場合です。
このようなケースでは、病気の可能性が高いため、迷わず愛犬を動物病院に連れて行ってあげましょう。