犬の気管虚脱(きかんきょだつ)について、今回は紹介します。
現在の医学では、発病原因がまだ明確には特定されていない病気とされていますが、症状は呼吸をするための気管がつぶれてしまい、呼吸ができなくなる病気です。
小型犬に多いとされる病気であり、好発犬種の多くがチワワ、ヨークシャーテリ、ポメラニアン、マルチーズ、トイプードル、パグなどの小型犬ですが、中型犬のボクサーや大型犬のレトリバーなどもよく発症します。
特に大型犬のゴールデンレトリーバー・ラブラドールレトリーバーなどは、1〜2歳あたりの早い時期に気管虚脱を発症することが多いとされています。
肥満防止のための食事管理が主な予防法とされており、首輪をしないことも有効なため、特に小型犬は、散歩以外では首輪はさせない方が良いといえます。
原因不明の気管虚脱があり、この場合遺伝が原因で起こっていると思われます。
このため、産まれた段階ですでに気管の軟骨部分の構造が弱く、気管軟骨が固くて柔軟性をなくしているために、気管虚脱を発症してしまいます。
このため、まだ小さなころから発症してしまいやすくなります。
遺伝要因が原因の場合は、ちょっとしたことからでも気管虚脱が発症してしまいます。
したがって、愛犬が小さなうちからよく咳をしやすい場合などは注意が必要です。
愛犬にこんな気になる症状があれば、早めに動物病院を受診して、早期発見に努めてあげましょう。
犬の気管虚脱の要因で、一番注意すべきが肥満だとされています。
太り過ぎてしまうと、皮下脂肪で気管を刺激してしまうためです。
また、肥満犬は、少しの運動や暑さにも弱く、すぐ息が上がって呼吸が激しくなってしまいます。
激しい呼吸をしてしまうことも、気管を刺激する原因になるのです。
愛犬の喉元をチェックして、肋骨がわからないほど太っていれば要注意です。
ぽっちゃりしたワンちゃんが可愛い何て、呑気に言ってられませんよ。
肥満を防ぐことで、気管虚脱の予防となります。
愛犬を肥満犬にさせないように飼い主さんは、しっかり食事や運動に注意して、体重管理を行ってあげてください。
「小型犬」や「短頭種」が、よく気管虚脱になり易い好発犬種とされています。
これは、これらの犬種のサイズが小さく、体の造りが華奢なためです。
このため、気管の軟骨部分の構造も弱いといえます。
また、舌が短いため、ちょっとした刺激ですぐに咳が出てしまうとも言われています。
このような構造的な問題から、少しの刺激でも大きく影響し、気管虚脱になり易いのです。
ウィルスにより気管支の炎症を起こしたり、喘息の症状があるなどの原因から、咳をすることで気管を圧迫してしまい、気管虚脱を発症しやすくなります。
また心臓病の場合なども、気管を圧迫してしまうことに繋がります。
注意するべき心臓病が、僧帽弁閉鎖不全症です。
僧帽弁閉鎖不全症になると心臓の機能が低下するため、今まで以上に頑張って心臓を動かし、全身に血液を送ろうとします。
その結果、心臓が肥大して気管を常に圧迫してしまい、気管虚脱になりやすくなります。
老化の影響からも気管虚脱になりやすくなります。
これは加齢から、筋肉や軟骨などの再生力が低下して弱ってしまうためです。
残念ながら加齢だけには勝てません。
老犬になれば、気管の周りの筋力が低下してしまい、直ぐ外部刺激が気管に伝わりやすくなってしまいます。
このため、愛犬がシニア期に突入したならばご飯を見直し、少食でも栄養がとりやすい良質なタンパク質を含んだフードに変えたり、また、ポリフェノールやビタミンEなどで酸化を予防したりしてあげましょう。
老犬にオススメのドッグフードがピッコロです。
ピッコロは、7歳以上のワンちゃん向けに作られた専用の高品質ドッグフードです。
そのためラインナップも、シニア向けに徹底して考えられたこだわりが特徴となっています。
ピッコロは、シニア犬用フードであり、高タンパク・低脂肪・低カロリーという条件を満たします。
主原料のチキンとサーモンの配合率が、70%という高タンパクなドッグフードでありながら、脂肪・カロリーともにしっかり控えめなので、シニア犬が理想的なコンディション維持ができる配合になっています。
関節の健康を維持するグルコサミン、コンドロイチン、MSMという関節ケア成分を配合しています。
原材料はすべて人間用の良質な食材を使った安全・安心確保の100%ナチュラル素材の無添加フードで、ワンちゃんが苦手で消化が悪い穀物を使用していません。
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散歩の際に嬉しさのあまり、リードをつい引っ張ってしまう引っ張り癖があるワンちゃんが多いものです。
当然ですが、引っ張り癖のあるワンちゃんは、気管へ強い刺激を与えてしまうため、気管虚脱誘発の原因となってしまいます。
本来、愛犬の引っ張り癖は、しっかりしつけて直しておくべきです。
ワンちゃんの性格にもよりますが、なかなか上手くしつけられずに、苦戦を強いられている飼い主さんが多い模様です。
そんなお困りの飼い主さんは、次の記事を参照してみましょう。
気管虚脱誘発の原因が、さまざまな気管への刺激となります。
・激しい呼吸
・激しい咳
・激しい運動
・強く吠える(無駄吠え)
・たばこの煙
・上を向く
・首輪装着による圧迫
・気温や湿度からの刺激
これらの刺激を少しでも避けてあげることが大切となります。
結構飼い主さんが注意することで、防げる要因も多いため頑張ってください。
それこそ何故ガチョウがいるのと思わず思ってしまうほど、ガチョウの鳴き声に似たガーガーという乾いた特徴的な咳が出てしまいます。
もちろん「ガッガッ」というような短い咳であったりもしますが、このような音が混じった、特徴的な乾いた咳が増えてきます。
なお、注意したいのが「逆くしゃみ」です。
逆くしゃみは、ガーガー音に似た音が出るため、気管虚脱だと心配して病院に行くと「逆くしゃみ」だといわれるケースが多くあります。
ちなみに参考までに、動画で「逆くしゃみ」の状態と止める方法を見てみましょう。
気管虚脱がだんだん進行した状態になってくると、咳の時だけでなく、呼吸時にも気になる雑音が混じって聞こえるようになってきます。
気管がつぶれだすことから、空気の通り道を邪魔するために、息をするだけでも雑音が混じってしまうのです。
このように咳だけでなく、呼吸時にまで雑音が出始めれば、要注意です。
気管虚脱になってしまうと、運動したり興奮したりして、息をたくさんする必要が生じたケースでは咳が出やすくなります。
これは激しく呼吸するため、自然と気管に刺激を多く与えてしまうからです。
飼い主さんと楽しく遊んでいる最中や、散歩中などで咳が出やすくなります。
また、飼い主さんが外出から帰宅した際などの、嬉しくて興奮した時などにも咳が出てしまいます。
さらに、愛犬を抱っこした状態などで、少し体の体制を変えた程度の刺激で咳が出だすようになれば、かなり要注意です。
気管虚脱になると呼吸が苦しくなるため、あまり動き回らず寝ていることが多くなります。
特に超小型犬のチワワなどは顕著で、無理せず体力の温存を図ります。
まだ高齢犬として弱るには早いはずが、「何故か最近寝ている時間が多いな」と疑問に感じた際には、早めに一度獣医師の診断を受けてみるのがおすすめです。
気管虚脱が進み、気管がひしゃげてしまって気道が狭くなってしまうと、なかなか上手く空気を吸うことが出来なくなります。
このような状態で、発作が起こり咳が出てしまうと、呼吸困難を引き起こし、舌の色が赤い色から暗い紫色になるチアノーゼを生じてしまいます。
失神は、ひどい呼吸困難が生じた際などに、脳の酸素が一気に不足してしまうことから起こります。
愛犬の気管虚脱が進むことにより、咳の発作の回数が増えて慢性的に酸素が不足気味になっていたり、また、機能が衰え少しの咳が出ただけでも酸素不足を招く状態になってしまうと、失神という注意すべき重篤な症状が起こってきます。