愛犬が突然、痙攣を起こしてしまったら飼い主さんはビックリですね。
犬の「てんかん」発作は、突発的に発生するケースが多くて脅かされます。
我が家でも前に飼っていたミニチュアシュナウザーのキャンディちゃんが、激しい全般発作をよく起こし、手足を激しく動かし苦しそうにもがいていました。
通常3分もすれば収まり、その後は普通の状態に戻るのですが、見ていても辛く何とか早く治してあげたいと思ったものです。
ところがてんかんの薬を服用していても、それがなかなか効かないケースも珍しくありません。
てんかんは原因もいろいろあり、なかには薬では対応が困難な症状もあります。
また、数種類を組み合わせて経過を追うことも必要であり、てんかんの治療はなかなか一筋縄でいかないケースが多いのです。
このため、相性の良い治療薬を見つけることが大切であり、飼い主さんは愛犬への薬の効き具合をチェックしていくことが大切となります。
効かない薬をピックアップし、獣医師と相談しながら相性の良い治療薬を探していくことが大事になります。
時には、セカンドオピニオンを利用してみることも大切になるかもしれませんね。
今回は、ワンちゃんへのてんかん薬が効かない原因や、対策について紹介します。
てんかんは脳の疾患であり、痙攣などの発作が繰り返し起こる症状を刺します。
犬の「てんかん」は、基本的には犬種は関係なく、全てのワンちゃんに発症する可能性があります。
それでもてんかんが発症しやすいとされる犬種があるので紹介しておきます。
・レトリバー系
・ミニチュアシュナウザー
・プードル
・ダックスフント
・ビーグル
・シェルティー
・シェパード
・ハスキー
今から思えばミニチュアシュナウザーである我が家のキャンディちゃんは、てんかんが発症しやすい犬種だったわけです。
犬のてんかんが発症する原因は、次の2つに大別されます。
特発性てんかんは、遺伝的なものが原因として起こるものとされています。
つまり分かりやすく言えば、原因が不明のてんかんのことなのです。
このため明確な原因が認められないために、遺伝的なものが関係している可能性が高いと判断されるのです。
実は犬のてんかんは、ほとんどがこの「特発性てんかん」とされるケーが多いのです。
症候性てんかんは、原因がはっきりと特定されているものを指します。
脳疾患や脳炎、脳腫瘍、水頭症などという頭の疾患が原因となります。
また、交通事故などによって負った外傷による後遺症が原因となります。
犬のてんかんの症状は、主に「全般発作」と「部分発作」の二つに大別されます。
全般発作は、体全体で起こる全身性の発作を刺します。
脳全体が一斉に興奮状態となるため、体全体に影響が出ると考えられています。
突然発作が起こるように感じがちですが、実は嘔吐したり、よだれを垂らす、落ち着きがない様子が見られるなどの前兆が起こっているものです。
いきなりのけぞったり、横転する、両前後の足をピンと伸ばして硬直するなどの状態が起こります。
その後引き続き、口を震わせたり、もがくように手足を激しく動かすなどの動作の症状が起こります。
さらに、泡を吹いたり、失禁や脱糞などが起こり、目の瞳孔が開いてきます。
この状態ではほとんど意識がなくなっています。
このような愛犬の症状をいきなり見てしまうと、飼い主さんは動揺を隠しきれないでしょうが、通常の場合、数十秒から長くても3分程度でこの症状は治まり、その後は元通りに戻るとされています。
重度化してくると、このようなてんかん症状が、短い周期で何度も繰り返して起こるようになり出します。
部分発作は、名前の通り体の一部分だけに起こる発作のことを刺します。
脳の一部分だけが興奮状となるため、その箇所に影響する部分のみに発作が起こるとされています。
愛犬に呼びかけても反応しない、意識面にまで影響が出るケースもあります。
愛犬にてんかんの薬を正確に服用しても、効果が出ないことがあります。
その原因について見ていきましょう。
てんかんの薬を獣医師の指示に従って、間違いなく正確に飲んでいても効き目がないことがあります。
この場合、「難治性てんかん」の可能性が高まります。
難治性てんかんとは、抗てんかん薬では発作を抑えることが出来ない種類のてんかんなのです。
元来てんかんの治療は、内科的治療が主体として実施されてきましたが、近年においては薬で効かない難治性てんかんに対しては、外科的治療も行われるようになってきています。
したがって、あなたの愛犬に薬が効かないようなケースでは、外科的治療が整った病院で治療を受ける必要があるかもしれません。
薬が効かないケースでは、原因の多様性が考えられ、治療法を見つけるためには、発作の始まりをピンポイントで特定する必要が生じます。
このためには、詳しい脳波などの検査を行い、異常個所を発見する必要があります。
難治性てんかんと呼ばれる薬が効かないような症状もあると知っておきましょう。
てんかんには原因やいろいろな症状があり、当然ですがそれぞれの症状に合わせた薬を処方していかなくてはなりません。
そのためなかなかその症状とマッチした薬を見つけ出すことが困難なのです。
したがって長期間の治療となるケースも多いといえます。
飼い主さんは、てんかんの薬の効き具合をチェックし、獣医師と相談しながら適した薬を見つけ出していく必要があります。
どのような状況で愛犬の発作が始まり、又発作が治まるのかをしっかり把握して獣医師に伝えてあげてください。
またなかなか愛犬に合った良い薬が見つからないようなケースでは、時には病院を変えてみることも検討してみましょう。
人間社会では、現在はセカンドオピニオンの存在が重要視されてきていますが、それはワンちゃんの場合も同様といえます。
てんかんの薬を愛犬がいくら飲んでも発作が収まらないケースでは、てんかん以外の病気による原因である可能性もあります。
てんかん発作と症状がよく似ており、間違えられるのが極度の「分離不安症」などの心理的な要因により生じる「心因性非てんかん発作」です。
次のような症状が見られるワンちゃんは、分離不安症の可能性大です。
・飼い主さんが家を出ようとすると愛犬の落ち着きが無くなる
・常に飼い主さんの後についてくる
・飼い主さんが帰宅すると異常に興奮する
・留守番時に粗相をしている
発作の症状のみではなかなか見分けがつかないため、上記のような状態に愛犬が陥っていないか確認し、疑わしい場合はその旨をしっかり獣医師に伝えてください。
その他にも、睡眠時の無意識痙攣などもあります。
また、ジステンパーや、筋無力症、心疾患などの病気でも痙攣発作が見られます。
さらに、殺虫剤や農薬などの危険な薬や、中毒症状を引き起こすような食べ物などを誤飲してしまった場合にも痙攣が引き起こされます。
非てんかん性発作もとても危険なケースも多いと認識しておきましょう。