毎年冬になれば流行するのがインフルエンザです。
実は人間には当然ですが、犬にもインフルエンザがあるってあなたは知っていましたか?
はたして愛犬がインフルエンザにかかってしまえば、どんな症状になるのでしょうね。
今回は、犬のインフルエンザの症状や対処法、また人間に感染する可能性があるのかなどについて紹介します。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型がありますが、犬インフルエンザはA型となります。
犬インフルエンザは人間のインフルエンザとは型が違い、「A-H3N8型」と「A-H3N2型」の2種類です。
A型H3N8は、馬インフルエンザ(quine (horse) influenza)であり、実は40年以上も前から存在しているそうです。
H3N8型は突然、2004年にグレーハウンド犬が原因不明の呼吸疾患を起こし、その時検出されました。
このインフルエンザウィルスは、馬から犬へ感染し、その後犬の間で広まったそうです。
また、もう一つのA-H3N2型は、鳥インフルエンザウイルスが突然変異を起こし、犬への感染が広がったとされています。
現在犬のインフルエンザは、まだ日本国内での感染の報告はありません。
報告されている場所は、アメリカや一部のアジア地域です。
しかしお隣の中国で、新型の犬のインフルエンザとされる「H1N1」が報告され、いつ日本に入ってきても不思議ではありません。
インフルエンザのA型と言っても、犬と人間のウイルスの型が異なります。
このため、現在まで犬インフルエンザが人に感染したという報告はありません。
したがって、人間と犬はお互いのインフルエンザが感染しあう可能性は極めて低いといえます。
同様に、人間の風邪もワンちゃんとでは、細菌やウイルスの型が異なるため感染しないとされています。
ただし、インフルエンザ・ウィルスの特徴として、常に変化することが分かっており、万が一人に感染する形の新型インフルエンザが発生すると、急速に感染が拡大する恐れがあり危険です。
犬がインフルエンザにかかった場合、どのような症状が発症するのか見ていきましょう。
基本的には犬も人間の場合と同様に、インフルエンザにかかれば呼吸器疾患の症状が現れます。
症状には、軽症の場合と重症の場合があるため、それぞれを紹介します。
犬がインフルエンザにかかった場合、ほとんどが軽症型となりやすく、獣医師の適切な処置を早めに受ければ安心です。
軽症時の症状は、一番多い特徴が、長く湿ったような咳が出ることです。
その他としては、鼻水、発熱、食欲不振などという、通常の風邪の症状と同じです。
まれに重症になるケースもあります。
その際には、40℃以上の高熱が出たりします。
怖いのは、肺炎になってしまうことです。
肺炎を引き起こしてしまえば、ワンちゃんの命の危険もあるため、インフルエンザを甘く見ないでしっかり治療を受けましょう。
ワンちゃんは言葉が喋れないため、飼い主さんがしっかり愛犬の健康チェックをしてあげ、インフルエンザになっていないか見抜く必要があります。
少しでも普段と違った異常を感じた場所は、一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。
主な愛犬の健康チェックポイントを紹介します。
よくワンちゃんの鼻は、健康チェックに欠かせない部分と言われています。
犬の鼻が湿っていれば、健康な証拠であるということはみなさんご存知の通りであり、とても有名です。
したがってまずは、簡単に分かる犬の鼻の乾具合を確認してあげましょう。
なお、寝起きのケースや熟睡している場合は、鼻が乾いていることがあるため心配いらないと知っておきましょう。
そのため、寝起き時に鼻が乾いていても、寝起きからしばらく時間が経過してチェックした際に、鼻が濡れていれば問題ありません。
その他、鼻水が出ていないか鼻血は大丈夫かなども確認してみてください。
愛犬の目の色も、重要な健康チェックポイントの一つです。
目が赤くなっておらず、白目の部分がちゃんと白いかを、まず分かりやすいので確認してみましょう。
次に目ヤニや涙が出ていないか。
さらに、目に濁りがないか、左右の目で違いが生じていないかなどをチェックしてください。
口臭が気になってしまうワンちゃんは多そうですが、本来、健康な犬の場合、それほど不快に感じる口臭はないといいます。
このため、口臭が気になる場合は、要注意と認識してください。
犬の呼吸も大事なチェックポイントです。
通常の状態であれば、愛犬の呼吸が荒くなることはありません。
運動とかしたわけでもなく、呼吸が荒くなっている場合は要注意です。
通常ワンちゃんは、安静時であれば1分間に40回未満、睡眠時で1分間に25回未満が正常な呼吸回数とされています。
このため、この呼吸回数を超えているようであれば、息切れしているといえます。
もちろん、散歩や運動をすれば心拍数が上がり呼吸が荒くなります。
また、犬は人間のように汗をかいて体温調節ができないため、体温が上昇すれば、ハアハアと舌を出して「パンティング」と呼ばれる激しい息使いをします。
このようなケースにおいて、犬の呼吸が荒くなるのは生理的なものであり心配は無用です。
しばらく時間が経てば落ち着いていきます。
しかし、これらの生理的な原因以外で呼吸が荒くなっている場合は注意が必要です。
フィラリア症や熱中症など病気の疑いがあります。
愛犬がインフルエンザにかかったと感じたケースでは、とにかくまずは動物病院に連れていって獣医師の診断を受けてください。
あなただってインフルエンザにかかったと思えば病院に行くはずです。
当たり前だと感じるでしょうが、間違いなく一番のベスト方法であり、まっさきに行うべき対処法です。
ただし、現在日本ではまだ犬インフルエンザが発症していないため、抗インフルエンザ薬などの犬用のインフルエンザ専門の治療薬はありません。
このため、抗生物質などを使い治療することになると思われます。
無理に愛犬を動かしたりせずに安静第一です。
犬用のインフルエンザが人間に移ることは通常ないため、できるだけ寄り添ってあげましょう。
容体が悪い時には、ワンちゃんも不安になりがちです。
大好きな飼い主さんが、傍に寄り添ってあげることで安心でき、安静に過ごせるはずです。
食欲が落ち気味になっても、新鮮な水をきちんと飲ませてあげることが大切です。
そのためには、常に新鮮で清潔な水を用意してあげておきましょう。
また、普段から免疫力の低下を招かないように、栄養バランスが整った食事を摂らせることが大事です。
本来肉食のワンちゃんのため、しっかり動物性タンパク質の高タンパク質メニューを心掛け、インフルエンザに負けない体力をつけておきましょう。
犬も人間も体温が下がってしまうと免疫力が低下します。
このため、室内の温度調整に注意を払いましょう。
特に子犬や老犬は、体温調節が苦手なので要注意です。
犬インフルエンザが発生すれば、ほとんど免疫がないため大流行する可能性があります。
このため、特に多頭飼いしている場合は要注意です。
感染予防のために、インフルエンザにかかったワンちゃんは、しっかり隔離し部屋を分けて、他の犬と接触しないように注意してください。
またワンちゃん同士だけでなく、他の動物との接触も避けるようにしましょう。
特に猫には注意して、隔離した犬の部屋に入らせないようにしましょう。