犬の尻尾はとにかくよく動きます。
嬉しいと盛んにブンブンと振り回します。
また、怖い時などは下に垂れて体にピタッとくっつけています。
このように自由に動く尻尾ですが、はたして「骨ってあるのかな?」何て疑問を抱いたりしません。
さあ、あなたの愛犬の尻尾を触ってみましょう。
どうですか?
中心が硬いことに気づけたはずです。
つまりその部分が骨なわけです。
実はワンちゃんは思った以上に簡単に尻尾を骨折してしまうので、注意が必要となります。
特にチワワたちのような小型犬は要注意です。
小型犬の尻尾の骨は小さく細いため、少しの衝撃でも骨折してしまう恐れがあります。
そして尻尾を骨折すると、意外にその治療が困難です。
その理由は先ほども述べたように、犬は盛んに尻尾を振ってしまう動物だからです。
骨折していても、あまり痛みが強くなければつい尻尾を振ってしまうのです。
このため、添え木などで固定しても、外してしまうことが多く治療が大変なのです。
今回は犬の尻尾の骨折にスポットを当て、原因や症状と治療費と対処法などについて紹介します。
人間には尻尾がありませんから、イメージが湧きにくいかも知れませんね。
犬の尻尾は、自由自在にいろんな方向に動かすことができます。
これは、骨があってさらに筋肉や神経が存在するからです。
犬の尻尾の骨は尾骨といい、人間の尾てい骨に該当します。
人間は尻尾が退化して尾骨がなくなりましたが、犬には当然あって、尾骨の数は犬種によって異なります。
6~23個の小さな骨で形成されており、先端に行くにつれて細くなります。
また犬種によってバリエーションも豊富です。
次にワンちゃんの尻尾の種類について詳しく見ていきましょう。
犬の尻尾の種類は、実に14種類もあります。
ふさふさした羽状の飾り毛が付いた垂れ下がったしっぽのこと。
主な犬種
・ゴールデンレトリバー
・ミニチュア・ダックスフント(ロング)
お尻の付け根の部分から垂直に立ち上がったしっぽのこと。
主な犬種
・ビーグル
・ジャーマン・シェパード
自然なままの状態でそのまま下に垂れ下がっているしっぽのこと。
主な犬種
・シベリアン・ハスキー
・セントバーナード
緩やかに鎌の刃のような曲線を描き、背中にくっつかない形のしっぽのこと。
主な犬種
・チワワ
・柴犬
鎌尾と同じような形であり、背側に湾曲する形で低く伸びているしっぽのこと。
主な犬種
・四国犬
リスのしっぽに似たフサフサした毛に覆われ、背中に曲げて背負っているような感じのしっぽのこと。
主な犬種
・パピヨン
背中の上に向かってクルンと巻いた形のしっぽのこと。
主な犬種
・柴犬
・秋田犬
尻尾の付け根から上に向かって、円を描く形で丸くカーブしたしっぽのこと。
主な犬種
・アフガンハウンド
元来は骨の形成異常とされていますが、それを犬種のスタンダードに認定したものです。
短いしっぽであり、らせん状にクルクル巻いているしっぽのこと。
主な犬種
・パグ
・ブルドック
生まれつきしっぽがない場合や、断尾して短くしたしっぽのこと。
主な犬種
・イングリッシュ・シープドッグ
・コーギー
根本近くから急によじれているように曲がっているしっぽのこと。
主な犬種
・フレンチ・ブルドッグ
・ブルドッグ
背中と同じくらいの高さにまっすぐ伸びてムチのように見えるため、鞭尾と呼ばれるしっぽのこと。
主な犬種
・イングリッシュ・セター
根本には太く柔らかい巻き毛があり、先端ほど毛がなくなっていき、細くてネズミのしっぽのような形のためネズミ尾と呼ばれるしっぽのこと。
主な犬種
・アイリッシュ・ウォーター・スパニエル
※ラットテイルと呼ばれる犬の尻尾がハゲてしまい、ネズミの尻尾のようにツルンとした状態になってしまう病気があるので注意しましょう。
カワウソのような形のしっぽのことであり、根本が太くて丸く、先端にいくにつれて細くなっており、下面に毛が生えているしっぽのこと。
主な犬種
・ラブラドールレトリバー
ワンちゃんの骨折の主な原因は次の通りです。
・物の落下や挟みこみ事故
・高い場所からの落下
・人による事故のため
・他の犬との激しいケンカ
・交通事故にあった
・過度な運動の結果
・栄養不足や病気、老化による骨密度の低下のため
・肥満による
・骨の腫瘍
犬の尻尾が骨折してしまう一番の原因は、強い衝撃を受けたことによります。
細かい原因として、高い場所からの落下や尻尾をドアなどに挟んでしまった、尻尾を踏んだ、壁などにぶつかったなどいくらでもありますが、全て原因は強い衝撃を受けたからです。
実は愛犬の尻尾の骨折は、思ったより人的原因により起こっています。
一番多い事故が、飼い主が犬を抱っこしていて、うっかり落として衝撃を与えてしまうことです。
特に小型犬に多く見らます。
体の小さな小型犬は子供で楽に抱っこができ、中型犬や大型犬に比べて抱っこの回数自体も多くなるし、油断して片手で抱っこするなどしてしまうため、何かの拍子でワンちゃんが暴れたりすれば落っことしてしまうことが多いのです。
このため愛犬を抱っこする場合、注意を払いしっかりと両手で抱っこするように気をつけましょう。
またこのような室内の抱っこでの落下事故のみならず、自転車やカートに載せた際による落下事故も増えています。
このため、落下防止のリードを必ずつけて十分注意するようにしてください。
また、車や自転車などとの衝突による愛犬の交通事故は、尻尾の骨折どころか、一歩間違えば命を落しかねません。
ワンちゃんが交通事故を起こす多くのケースが、ノーリードの時です。
このため、散歩時など安易にノーリードにすることがないように注意しましょう。
犬同士のケンカが激しくなってしまうケースでは、大ケガを招いてしまうことがあります。
もちろん尻尾を骨折することもあります。
散歩時に犬が出会った時などは、飼い主さんがリードコントロールするなど注意を払い、決してケンカが起きないように対処してください。
骨の腫瘍などの病気が原因で尻尾の骨折が生じることもあります。
また老化や栄養不足などのために骨密度が低くなったり、骨を覆う筋力が減少すると、軽い衝撃でも骨折しやすくなってしまいます。
愛犬が尻尾を骨折開いた場合、どんな症状がでるのか紹介します。
尻尾が腫れて痛みが生じます。
ワンちゃんは、尻尾が骨折したことで上手くバランスがとれなくなり、フラフラして歩き方が左右非対称になることがあります。
このような状態だと排泄がコントロールできなくなり、トイレを失敗してしまって、いつもしない場所にしてしまうなど、上手く普段の生活ができなくなってしまいます。
このようなケースでうっかりいつものように撫でたり、触ろうとすると、「キャン」と痛がって悲鳴をあげ、反射的に噛みつく場合もあるので注意が必要です。
また、痛みがあるため大好きな散歩や運動を嫌がったりします。
主な症状を以下にまとめておきます。
・尻尾が曲がっている
・トイレを失敗してしまう
・フラフラとした歩き方になり、左右非対称になる
・触られると痛がる
・散歩や運動を嫌がる
愛犬が尻尾を骨折してしまった状態では、もはや飼い主さんでは治すことは出来ません。
一番良い方法は、速やかに愛犬を動物病院に連れて行ってあげることです。
そのためにも飼い主さんに要求されることが、少しでも早く愛犬の異常に気づき、尻尾の骨折を見抜くことです。
犬は本能的にケガを隠そうとするため、少しでもおかしいと感じた際には体をしっかりチェックすることが大切です。
飼い主さんは、自分で無理に添え木などで固定しようとするのはNGです。
大抵素人療法は、余計に尻尾を傷つけたり、愛犬に痛みを与えてしまうこととなります。
このため自分で処置を使用とはせず、愛犬を安静にさせ少しでも早く動物病院へ行くことが大切です。
骨折による血流阻害などで、壊死の危険があると尻尾を切断することだってありえます。
このため少しでも早く治療が開始できるように、尻尾の骨折や脱臼などに気づいてあげることが大事となります。
愛犬が尻尾を骨折してしまった場合、どの程度費用がかかるか気になりことでしょう。
ワンちゃんの場合、保険がきかないため、ペット保険に加入していない限りは、基本全額負担となってしまいます。
骨折の疑いがある場合、まずは診察で触診をします。
この時ワンちゃんが痛がり、骨折の可能性が高まれば、レントゲンを撮り骨の状態を確認します
レントゲンの結果、骨折していないと判明すれば、治療費は平均10,000円程度です。
内訳
・診察料代
・レントゲン代
・痛み止め等の内服薬
愛犬が尻尾を骨折していたケースでは、動物病院によって料金に差が生じますが、目安として80,000円~100,000円程度です。
内訳
・診察料代
・レントゲン代
・手術前血液検査代
・手術料
・入院費
・痛み止め等の内服薬