犬好きの私が一番心を痛める定期的に起きてしまうニュースが、犬が人間を噛むという事故です。
ケガですめばまだしも、土佐犬などの闘犬種やドーベルマンのような警察犬にもなるような大型犬種だと、噛まれた人が死亡してしまうこともよくあります。
ゴールデンレトリバーが赤ちゃんを噛んでしまい、死亡させた事故はかなり世間を騒がせ話題となりました。
記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?
特にニュースをチェックしていると、犬に噛まれるケースは子供に多いことに気づくはずです。
これは噛まれる原因があるのです。
結果がすべてですから、一方的にすべて噛んだ犬が悪モノとなり、飼い主が責任を問われ糾弾されることとなります。
よくケンカ両成敗なんていいますが、犬が子供を噛んだ裏に潜む原因に目を向けることが凄く大事だと思います。
そのような事故が二度と起こらないためにも、原因解明が大切となります。
・何故犬が噛んだのか?
・はたしてその時の状況はどのようなものだったのか?
・噛まれた子供がとった行動はどのようなものだったのか?
このあたりのことが、曖昧になってしまっているケースがほとんどですが、しっかり原因解明していかないと、またこのような事故が起こってしまうに違いありません。
このような事故の報道を聞いていると、必ず論点としてあがるのが、「しつけがきちんとされていないからダメだ」ということです。
確かに噛み癖がある問題犬も世の中にはたくさんいます。
このような犬は、当然しつけて早く噛み癖を直さなくてはいけません。
またしっかり首輪をして鎖でつないだり、大型犬であればケージなどに入れておくべきでしょう。
しかししっかり鎖で繋いでいても、事故が起こることもあります。
人間でも性格が荒っぽいケンカ早い人がいます。
しかしこのような人たちだって、理由もなしに暴力を振るうことはありません。
仮に暴力事件が起こったとすれば、必ずそこには原因があるのです。
同様にワンちゃんが子供を噛んだような事故が生じたケースでも、やはり原因があるはずです。
鎖で繋いだ犬が人間を噛んだのは、無暗に近づき何か問題行動を起こしてしまった可能性が高いはずです。
子供は大人より体が小さく力も弱いから、ワンちゃんに狙われやすいのでしょうか?
そんなことないのは当然ですね。
特に小型犬や中型犬にとって人間は、たとえ子供でも自分より何倍も大きいわけです。
自分よりはるかに強い存在なわけなんです。
それでは何故犬が子どもを噛んだりするような事件が起こってしまうのでしょうか?
私の見解はズバリ「自己防衛」ですね。
例えばマムシに噛まれる事故はよく起こりますが、本来ヘビは憶病であり、自分から人間を襲ったりしません。
産卵期のメスは多少攻撃的になるようですが、通常のマムシが人を噛むケースなどは、うっかり尻尾を踏んでしまって噛まれるなどということが多く、つまりマムシが自分の身を守ろうとして
「自己防衛」のために反撃して噛むわけです。
したがって犬が子供を噛むケースも、この「自己防衛」であることが多いと私は考えます。
仮にいきなり目の前にボールが飛んできたならあなたはどうします。
必死で払いのけようとしたり、思わず手で顔を覆ったりすることでしょう。
このケースをワンちゃんにあてはめ考えてみましょう。
人間は咄嗟に反射的に手を出して身を守ろうとします。
しかし四つ足動物の犬の場合、咄嗟に出るのが口なのです。
身を守ろうとしたケースでは、反射的に口が出て、相手を噛んでしまうわけです。
さきほど、マムシも産卵期であれば攻撃的になっていると話しましたが、ワンちゃんも興奮していたり、ストレスが溜まっていたりすれば、過剰反応するケースも多く危険が高まります。
相手が子供でも、はるかに自分より大きな体の存在であり、見知らぬ人であれば興奮状態にワンちゃんは陥ってしまいます。
よくドッグランで噛みつき事故が起こったりします。
これはドッグランでは見知らぬ犬や人間が多く、ワンちゃんの精神状態が興奮しているからなのです。
小さな子供であれば、加減も分からず強く尻尾を握るなど、乱暴な行動に出てしまったりして、その結果噛まれてしまうことが多いのです。
私も愛犬のチワワのビビを散歩させていると、よく子供たちと出会います。
子供たちは犬好きで、特にチワワのような超小型だと怖いこともないようで、「可愛い」なんて叫びながらいきなり近づいて来る子もいます。
一人ではさすがに恥ずかしく遠慮して、大人の私がいますから、そう無暗に近づいてきませんが、集団登校の帰りの小学生の団体に出会ってしまうと話は別です。
何人か友達が一緒に集まっていると、集団心理で大胆になります。
一人の子がビビを見つけて「可愛いいワンちゃん」何て叫べば一斉にみんなが近寄ってきて取り囲み触ろうとしたりする始末です。
特に低学年の子供だとこのようなことが起こったりします。
ビビはもう老犬でかなり人間慣れもしているので、いきなり怯えたりもしませんが、それでもかなり警戒モードに入って興奮気味なのが見てとれます。
さすがに高学年になっているといきなりこのような行動はとりませんね。
結構女の子が大胆だったりして、触ってもいいですかと聞いてくる子もいます。
もちろん私がいるから、子供たちの行動はおさえられていますが、これが鎖に繋がれた状態の犬だったり、何かの拍子で脱走したワンちゃんに出会ったとすれば、いきなり取り囲み触ろうとするのだろうなと感じています。
最近は犬を飼っている家庭も多いから、ワンちゃんを怖がらない子供が多いですね。
でもこのような行動が、子供が噛まれてしまうことに繋がってしまうのでしょう。
迷子犬ならばストレスも高まり、かなり興奮状態に入っている可能性が高くなります。
子供が犬に噛まれた場合、もちろん一番の責任は飼い主さんにかかってきます。
しかし見知らぬ犬は噛みつくことがあり、恐ろしい存在であることを、親が子供に教えておくことがとても大事です。
よほどのことがなければ、犬が襲ってくることなどありません。
無暗に近づき触ろうとするから、噛まれてしまうのです。
今の子供はあまり犬を怖がりませんが、昭和の時代あたりまでさかのぼると、当時は結構野良犬が多くいたらしく、知らない犬はとても怖い存在であり、無暗に近寄らないのは当然であり、そばを走ったりすることも絶対のNG行動であり、知らない犬に触るなんて怖くて考えられない行動だったようです。
大人は子供にしっかりと、知らない犬は噛むことがあり、怖い存在であることを教育すべきだと思います。
犬の噛みつき事故の問題は、根本原因は無暗に子供が犬に近づき触ろうとするからだと認識しておきましょう。