昔ならば正解と考えられていたことが、実は間違いだったということがいくらでもあります。
例えば運動の最中に、水を飲むとかえって疲れてダメだとされていたことなどは、現在では考えられませんよね。
それこそ熱中症になったらどうすると思ってしまいますが、このように下手すれば命に関わる危険があるようなことでさえ、何の疑いもなく間違った行動が平然と行われていたりしたのです。
私は卵好きで、おでんの茹で卵などもっと食べたいと子供のころに思ったものでしたが、卵は1日1個以上はダメと言われていました。
ところが現代は、数個卵を1日に食べても問題ないと言われているわけです。
昔からワンちゃんのケアで良く言われたのが、耳の中に生えた無駄毛を抜いてあげることです
これは当たり前のケア方法で、トリミングサロンや動物病院の処置でもよく実施されていました。
ところが最近では、この考えに変化が生じてきているのです。
安易な愛犬の耳の毛抜きは、NGとの考えが起こってきているのです。
今回は、チワワたちワンちゃんの耳の毛抜きについての注意事項を紹介します。
ワンちゃんの耳の中に生える毛は無駄毛であり、適度に抜いてケアしないと、耳が湿って不衛生になるとされてきました。
このため、犬の耳の中の毛は「不要なもの」として位置付けられており、どんどん抜くのが常識で、実際に多くの動物病院やトリミングサロンでも当たり前のように抜いてケアを行っていました。
ところが最近になって急激に、耳毛を抜かない方が良いとする考えも出てきています。
したがって現実にペットサロンでは、ワンちゃんの耳毛を抜かないようにすることが増えてきており、抜く場合は飼い主さんが希望するケースのみとすることが増えてきているそうです。
本来生物は無駄な機能は退化していき、現在あるものは必要であり、気づかなくても必ず何らかの役にたっていると考えるようになってきました。
そこで改めてワンちゃんの「耳毛の役割」について考えてみましょう。
毛が役立つ一番重要な役割は、全身を覆って体温を保つことです。
しかし耳の中の毛の場合、この機能は役だっているとは考えにくいですね。
その外にも、毛が果たす大切な役割があり、実は耳の中の毛は、そちらの作用が役立っています。
毛には体温をキープする以外にも、「外部環境からお肌を守る」という働きがあります。
太陽の紫外線から肌が焼けるのを毛が防御して守っています。
また、ハウスダストや花粉などからも、直接肌に触れないように毛がガードしているのです。
犬の皮膚の厚さは人間の1/3程度でしかなく、とても敏感で弱いため、毛のバリア機能が欠かせない大切な役目を担っているのです。
ここで愛犬の耳の中に生える毛の役目を考えてみましょう。
耳の中に生えた毛も、決して無駄毛ではなく皮膚を守っています。
毛が生えていることで、耳の中に入る外からのほこりや汚れなどの侵入を防いでいるのです。
いわば、人間の鼻毛同様の役目をはたしているわけです。
このため耳の中の毛を抜き過ぎてしまえば、埃などの侵入が増え、肌が敏感なワンちゃんの外耳炎のリスクが高くなってしまいます。
また、耳の中の毛を抜くという行為自体が肌に衝撃を与え、毛穴に炎症を引き起こしてしまう原因となるそうです。
このため、外耳炎を悪化させてしまったりすることにも繋がり、衝撃を与えていると外耳炎の治りも悪くなるそうです。
このような理由から、単純に無暗に耳毛を抜くべきではないと最近は考えるようになってきたわけです。
少なくとも、美容の問題から耳毛を抜くのは間違いといえるでしょう。
このため、できればなるべく自然な形を保ってあげ、無暗に抜くことは止めるべきといえそうです。
ただし耳毛を抜くことが絶対のNGかと言えば当然ケースにもより、外耳炎を起こしてしまった場合では抜く必要が生じます。
外耳炎を起こしてしまった状態では細菌感染が起こるため、その治療を行い管理をする必要上耳毛を抜く必要があります。
耳毛を抜く理由は、細菌感染を防ぎ点耳薬などの治療の効果をあげるためです。
このような特別なケースを除いては、今までのように安易にどんどん毛を抜くことは避けた方が良さそうです。
しっかり耳毛を抜くことによるデメリットを認識しておいてください。
しかし現時点では賛否両論であり、ある程度は抜いた方が良いとの考えを持つ獣医師もいるようです。
このため、耳毛を抜くことが絶対にダメなことだとまでは言えませんが、すくなくとも今までの間隔で躊躇なくどんどん抜いてしまうのはNGだと知っておきましょう。
はたしてあなたは、愛犬の耳毛を抜く派、それとも抜かない派のどちらでしょうね。