ワンちゃんの体調不良の一番手といえば「下痢」でしょう。
季節の変わり目でも多くなるし、ちょっと変わったものを与えたり、食べ過ぎたり、またお腹が冷えたり、ストレスが生じても起こってしまうものです。
さらに、寄生虫やウイルス、細菌感染などが原因となって引き起こされる場合もあります。
チワワに下痢の症状が出てしまうと結構大変です。
トイレ掃除の手間が増えるのはもちろん、夜間までトイレの催促をされてしまうと思った以上に参ってしまいます。
犬の下痢は大きく2つに分かれ、小腸性の下痢と大腸性の下痢があります。
それぞれ症状が異なるので、特徴を知っておきましょう。
下痢とは便の水分量が多くなる症状であり、水分量が80%以上含まれると下痢と定義されます。
ほとんどは一時的な症状ですが、脱水症状を招いてしまうと問題で、また、長く続いたりするケースでは、思わぬ病気が隠されていることもあり注意が必要です。
このような場合、早急に動物病院を受診するべきです。
今回は、ワンちゃんの下痢の原因や種類、また症状や自宅でできる対処法について紹介するので、参考にしてみてください。
犬の下痢には小腸性と大腸性があります。
この2つの主な特徴が一目で分かるように比較してみます。
症状 | 小腸性下痢 | 大腸性下痢 |
便の量 | 多い | 少ない |
粘液便 | 滅多にみられない | よくみられる |
鮮血便 | ほとんどない | 時々あり |
便の質 | 種々の形状を含む | 未消化物は含まれない |
排便の回数 | 2~4回 | 3~5回程度かもっと多い |
しぶり※ | なし | 多くみられる |
体重減少 | よく起こる | 滅多にない |
嘔吐 | よく起こる | 30%程度 |
脱水症状 | よく起こる | 滅多にない |
※しぶり:便をする際にふんばるけど出ない様子
小腸性の下痢とは、小腸の部分が関与する下痢のことです。
小腸の役目は、食べ物を消化して栄養を吸収することで、水分も多くが小腸で吸収されます。
ワンちゃんの小腸性下痢の特徴は、軟便や水っぽい便が出ることで、排便の量と回数が増えます。
小腸の水分バランスが崩れることで引き起こされ、主な原因は以下の通りです。
・食べ過ぎ
・水分の摂りすぎ
・お腹を冷やす
・ストレスから
・誤飲
・誤食
症状の特徴は以下の通り。
・水っぽい便
・お腹が鳴る
・おならが増える
・腹部膨張
・1度で多くの量を排泄してしまう
・血液が混じっている時は便の色が黒色になる
・体重が減りやすい
・脱水症状になりやすい
小腸性の下痢の注意点は、1回の排泄量が多いため、何度も繰り返すことはあまりありませんが、長く続くと脱水症状を起こしてしまうことです。
体重が減ってしまうことも多いです。
また、血便はあまりあり見られませんが、小腸から出血しているケースでは、黒っぽい便となります。
大腸性の下痢とは、大腸の部分が関与する下痢のことです。
大腸において便が作られ、水分やミネラルを吸収する役割を持っています。
ワンちゃんの大腸性下痢の特徴は、一度に排泄される便量は少なく、小腸性の下痢と比較して、便の回数が増加する傾向があります。
また、しぶり便と呼ばれる「便をする際にふんばるけど腹痛を伴いなかなか出ない様子」が見られます。
粘り気が多く、便がゼリー状になるのも大きな特徴です。
これは、大腸の動きが活発になり、粘液分泌が過多となり、粘膜が混ざって排出されるのが原因となります。
血便の色は、黒というより赤に近い色となります。
過敏性腸症候群やウイルス感染でも症状が出るので注意してください。
下痢の判断基準は軟便かどうかです。
したがって、愛犬の排出物を片付ける際には、必ず状態を観察して下痢になっていないか、色や形状を健康な状態と比較してチェックする習慣を身につけましょう。
ウンチを観察する上で、見た目は健康的な状態の柔らかさであっても、便に血液が混じっていないかチェックするようにしましょう。
犬が下痢を体内で起こしているケースでは、腸が傷ついていることが大半と言えます。
そのため、粘膜と一緒に血液が排出物に混じることがあります。
あなたも下痢になれば何度もトイレに行くはずです。
これはチワワだって同じです。
普段よりトイレの回数が増えているケースでは、下痢のリスクが高まります。
お腹の弱いワンちゃんの場合、回数を記録して、日々の変動を見るのがおすすめです。
下痢を起こすと、異常に腸が動くこととなり、おならを出して腸を動かそうとしています。
このため、腸が鳴ったり、おならが出やすい状態になります。
おならの回数も、ワンちゃんの下痢の指標になると認識しておきましょう。
愛犬のお腹が腫れているように感じる場合、お腹の調子を崩しているバロメーターとなります。
軽く触って確認してみましょう。
触った際に硬い触り心地がすれば、下痢の可能性があるといえます。
お腹の調子を確認するための手段なので、無理に強く押すことは厳禁です。
あなたも暴飲暴食してしまうと下痢の原因となってしまうはずです。
また、変わった食べなれないものを食べる場合も要注意です。
これらはチワワでもまったく同じと言えます。
ワンちゃんの場合、特に注意が必要なのが、ドッグフードの変更です。
お腹を壊したケースでは、フードでアレルギーを起こしてしまった場合があり得ます。
このため、アレルギーが問題ないか、動物病院に行って確認すべきです。
食物アレルギーが確認された場合、すぐにフードを変える必要があります。
なお、フードを変えたケースでは、フードの量も愛犬に合った状態に調整してあげる必要も生じます。
チワワが誤飲・誤食してしまったケースでも下痢が起こってしまいます。
ワンちゃんの場合、食べてしまうと中毒症状を起こす危険な絶対与えてはいけない食べ物があるため要注意です。
あなたは危険な食べ物をしっかり把握できていますか?
食べてしまえば最悪死に至ることもある次の食べ物は、最低でもしっかり認識しておきましょう。
・タマネギ(ネギ・ニラなどのユリ科植物、ニンニク)
・チョコレート
・キシリトール
・マカダミアナッツ(ナッツ類、生の豆)
・ぶどう・レーズン
・アルコール
この他にも、カフェイン入りの飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)、唐辛子や香辛料などの刺激物、骨付きの鶏肉や魚、生卵、牛乳、貝類や甲殻類など及びタバコの吸い殻や人間が服用している薬類、小さなおもちゃなどにも注意したいですね。
このような物を食べて下痢等の症状が生じたケースでは、至急愛犬を動物病院に連れて行ってあげてください。
犬は緊張しやすい動物であり、環境の変化などに対応するまでに時間がかかるものです。
チワワたちワンちゃんがストレスを感じた場合、まず最初に影響を受けるのが胃腸です。
新しく子犬を向かい入れた時に、よく下痢してしまうのも、環境変化によるストレスが影響しているのです。
・引っ越した
・長く留守番をさせた
・飼い主が変わった
・新しい家族が加わった
・ホテルに預けた
・近所で工事を行い騒音がする
上記のようなことが原因でストレスが生じると、愛犬は下痢をしてしまいやすくなります。
このようにワンちゃんは、ストレスから下痢を起こしてしまいますが、このようなストレスが原因の下痢の場合、その要因を取り除くことで回復させることが可能となります。
したがって、先ずはしっかりその要因を見極めることが大切となります。
例えば引っ越したようなケースでは、慣れない環境に不安を感じているため、慣れるまでは普段より多く構ってあげて、コミュニケーションをたくさんとるなどの対応策を講じてあげましょう。
ワンちゃんの場合、寒い時期にお腹を壊し下痢することが多いです。
特に、子犬や老犬、病気や手術後などで抵抗力が弱っていたり、身体が弱い犬は下痢を起こしやすくなります。
冷たい水を大量に飲んでしまったりすると、適面に胃腸が冷えて弱ってしまい下痢を起こす原因となってしまいます。
また、夏場のクーラーも要注意であり、熱中症などへの暑さ対策で、お腹を冷やしてしまいがちです。
冬の寒さも下痢の原因になるので注意が必要です。
ワンちゃんは毛が生えているから、寒さに強いと思っている飼い主さんが多そうですが、もちろん犬種にもよりますが、チワワなんて本当に寒さが苦手で寒がりです。
夏場には、クーラー対策でクッションやタオルを与えたり、冬場の散歩では犬用の腹巻を着用してあげるのがおすすめです。
特に身体を冷やすような食べ物や飲み物を、与えすぎないように注意してあげましょう。
愛犬の下痢が長引いているケースでは、寄生虫感染の疑いがあります。
犬に寄生する寄生虫には、回虫や条虫などの種類があり、これらに感染したワンちゃんは、下痢を引き起こしたり、嘔吐や食欲不振、貧血などいろいろな症状が起こってしまいます。
虫のため腸が詰まってしまい、腸閉塞を起こしたりすれば手術が必要になる場合もあり、決して甘くみてはいけません。
寄生虫をもらってしまう原因で多いのが、散歩での拾い食いです。
また、他の犬の便などは、寄生虫に汚染されている可能性があり、特に要注意となります。
寄生虫に感染した場合は、病院に行き糞便検査を行い、回虫がいた場合、駆虫薬を飲んで駆除することになります。
定期的なワクチン接種を行うことで、ジステンパーウィルスやパルボウイルス、コロナウイルスなどの感染症を抑えることができ、下痢を予防する対策となります。
また、質の悪いドッグフードや腐った肉などを食べれば、食中毒の可能性もあり下痢を引き起こします。
さらに当然ですが、胃腸の病気があれば下痢が伴います。
普段からフードの保存には注意を払い、新鮮なドッグフードを与えるように心がけましょう。
チワワが下痢を起こしてしまった際に、まず注意してもらいたい対応策が、こまめな水分補給を行うことです。
下痢で最も注意すべきなのが、脱水症状を起こしてしまうことです。
脱水症状を甘く見ていると大変です。
急速に症状が悪化してしまうことが多く、死に至るケースもあると認識してください。
ぐったりして元気がなければ、要注意です。
チワワの背中の皮膚を引っ張って、弾力具合をチェックしてみましょう。
皮膚に弾力がなくてなっていれば、脱水症状を起こしている可能性が高いです。
食塩やブドウ糖を溶かした水を与えてあげましょう。
ここで注意してもらいたいことが、下手に普通の水を与えてしまうのは厳禁だということです。
多くの飼い主のみなさんが、愛犬が下痢を起こせばこまめな水分補給を心がけるはずですが、一度に多くの水分を与えてしまうと、かえって下痢を繰り返してしまい、症状が悪化する場合があると知っておいてください。
時間間隔をおきながら、数回に分けて少量ずつ人間用の経口補水液などを薄めて飲ませるのがおすすめとなります。
ワンちゃんが下痢を起こしているときには、水分補給は必要になりますが、消化器官が弱っているため、食事は与えずに消化器官を休めるためにも、少しの間絶食するのがおすすめです。
なお絶食させると、低血糖などの恐れもあるため、期間としては1日程度を目安として、体調を観察してください。
ケースによっては、食事の量を減らす、またはエサの時間の間隔をあけるなどの対処の方が望ましいこともあります。
絶食後は、下痢の原因になる食材があれば取り除き、リンゴのペーストなど消化に優しいフードを作って上げることが大切です。
チワワの下痢が続く場合は、一度食事の内容を見直してみることもオススメの方法の1つです。
よくあるケースが、高齢になってきている犬の場合、今までと同じ食事内容では、消化に負担がかかってきているのかもしれません。
また、間食のおやつをやめて様子をみてみるのも有効です。
食事変更を行う際に注意すべきなのが、一気に変更してしまわず、少しずつ様子をみながらシニア用のフードに変えていくのがおすすめです。
下痢を防ぐためには、腸内環境を整えてあげることも大事です。
下痢が生じれば、善玉菌が減って悪玉金が増殖します。
このため、善玉菌を増やす手段として、乳酸菌が含まれている食品を与えてみるもの効果が期待できます。
さらに便秘には、食物繊維が豊富な食べ物も有効です。
ただし、与え過ぎてしまうと、かえって消化不良を招き、下痢を招いてしまうので注意が必要となります。
犬専用のサプリメントなどもおすすめです。
「シンビオ」
シンビオは、21種類の乳酸菌が含まれており、「菌のチカラで未来が変わる」をキャッチコピーにして、愛犬のお腹のトラブルをまとめてケアしてくれる今までにない犬猫用腸活サプリメントです。
ストレスも愛犬の下痢の原因になることを紹介しました。
環境の変化など思い当たるケースでは、ストレスの原因を取り除くことで対応策となります。
愛犬のストレスの原因を取り除いてあげるようにしましょう。
愛犬が下痢をしてしまうと、みなさんが行ってしまうNG行為が、下痢止めを飲ませてしまうことです。
下痢が起こる原因は、身体に悪いものを排出しているのです。
したがって、無理矢理薬で下痢を止めてしまうと、排出すべき悪いものが体に留まってしまい、害をなすことになりかねません。
このため下痢止めは飲ませるべきではありません。
下痢をしている時に与えるならば、整腸剤やビオフェルミンにしておきましょう。
ただし、下痢止めを飲ませようと考えるほどの症状の場合、早めに獣医師の診断を受けるのが一番安心できます。