マウンティングとは、他の動物などに馬乗りになり腰を振る行為。
愛犬が安易に行ってしまうマウンティングをやめさせたくて、困っている飼い主さんはとても多いものです。
特に愛犬に、無暗やたらに人前でやられてしまうと、恥ずかしくなってしまいます。
それこそ訪れたお客さんに対して、マウンティングを行ってしまうワンちゃんもいて、これには、さすがに飼い主さんも困ってしまいます。
マウンティングのイメージは、オス犬特有の行動と思われがちですが、じつはメス犬もマウンティングを行うことがあります。
そうなってくると、はたしてワンちゃんのマウンティングの意味は、どのようなものか疑問になってしまいます。
今回は、チワワにマウンティングをやめせるためのしつけと、行為の意味や効果的な対策について紹介します。
マウンティングとは「馬乗り(マウント)」という文字が示す通り、他の動物などに馬乗りになり腰を振る問題行動のことです。
多くの皆さんは、マウンティングというと「交尾」のような印象を抱いていることが多いようです。
実はマウンティングをメス犬も行うということから、決してマウンティングイコール交尾という意味ではないことが、分けるはずです。
ワンちゃんは、いろいろな物に対してマウンティングを行います。
具体的には、他のワンちゃんはもちろんのこと、人の脚や手にも行いますし、生き物ではない、クッションやぬいぐるみなどという物質に対しても、覆いかぶさって腰を振ってしまうのです。
このような行動は、チワワが性的な意味として行なっていると一般的には理解されがちですが、先ほども述べたようにメス犬も行うため、決してそれだけで行うわけではなく、チワワが上下関係をはっきりさせたいと感じた時や、嬉しいことがあった時や、遊んで興奮している時などにも、自然に行ってしまう行動なのです。
つまりワンちゃんにとっては、ある面自然な当たり前の行動ともいえるわけです。
チワワがマウンティングをする理由は、次の5つに大別できます。
1.「性的」な本能、交配
2.社会的なコミュニケーション(相手の犬に対する優位性の主張や支配欲。)
3.遊びや楽しい行為による興奮
4.飼主に構って欲しい
5.ストレス解消&運動不足
ワンちゃんが、「子孫を残す」という目的のため、一番大事な性的な本能に基づいて行うマウンティング行動。
発情期のメス犬が発するフェロモン物質を嗅ぎつけることで、オス犬は本能的に興奮してしまい、マウンティングを始めます。
犬のマウンティングという言葉を聞いた際に、多くの方が最初にイメージとして思い浮かぶのが、この理由の性的な意味でのマウンティングといえます。
これは子孫を残すことを目的とした、ワンちゃん本来のマウンティングのため、そのままさせていると交尾を行ってしまい、メス犬が妊娠をする可能性があります。
妊娠を希望していないケースであれば、飼い主さんがきちんと愛犬を管理することが大切です。
発情期のメス犬が発するフェロモン物質をオス犬が嗅ぎつけてしまえば、性的な本能を刺激されるため、マウンティング行動を抑えることはできません。
このため、飼い主さんは、決して発情期のメス犬とオス犬を、近づけないようにすることが大切となります。
特にメス犬の飼い主さんは注意すべきであり、ドッグランやドッグカフェなどワンちゃんが集まるところへ、発情期のメス犬連れて行かないことがマナーとなります。
実際に混乱を避けるために、発情期のメス犬の利用を禁止している施設がほとんどですが、このマナー違反を犯してしまえば、自分の愛犬が妊娠してしまうという天罰をもらってしまうことになりかねませんので、十分注意してください。
マウンティングには、社会的なコミュニケーションの意味合いや、相手の犬に対する優位性の主張や支配欲などもあります。
マウンティングは、ワンちゃんが「自分の方が上位だ」ということを示すために行うケースもありますが、通常は犬同士にも互いのマナーが存在します。
そのため、いきなりマウンティングをするようなことは、そうはありません。
マウンティングを行うケースでは、通常であれば下になったワンちゃんが嫌がる様子を示せば、上に乗ったワンちゃんはちゃんとやめるのが普通です。
しかしたまに、なかなかやめずに追い回してしまう子もいます。
そうなると、犬同士のケンカに発展してしまったり、追いかけ回されてしまったワンちゃんが、恐怖心を覚えてしまい、よそのワンちゃんを怖がるようになってしまうこともあるため要注意です。
マウンティングは多くのケースでは、社会化が不十分な子犬の間で多くみられます。
子犬がたくさん集まって遊んでいると、上になったり下になったりして遊びながら、よくマウンティングをしている光景を目にするはずです。
子犬たちは、遊びがてらにマウンティングをしあって「上にのる方が強いんだぞ」という上下関係の確認方法を自然に学びとっているのです。
マウンティングによって決定される順位づけはとても大切であり、ワンちゃんたち同士の実力を知ることで無駄なケンカがなくなり、社会性を身につけていくのです。
他の犬に対して自分の力を誇示し、上下関係を示したいという行動は、ある面本能で行なっていることが多いため、自然界ではよく見られることであり、メス同士でも見られる場合があります。
チワワが、飼い主さんが帰って来てくれたために、大興奮で飛び掛かったりして、嬉しいときや興奮したときなどに、思わず飼い主さんの手足や、ぬいぐるみなどにマウンティングをしてしまい、それが習慣になってしまうという場合もあります。
つまり、一度やってみたら楽しくて、つい思わず癖になっちゃったなんてケースなわけです。
したがって、よくぬいぐるみやクッションにマウンティングする子がいますが、その子にとってはそのマウンティングが、楽しい「遊び」となっているのかもしれません。
なお、ぬいぐるみやクッションでマウンティングするケースでは、チワワが自分のお気に入りのクッションやぬいぐるみなどを、独占したいという支配欲のために「自分のもの」だと主張する意味合いから行っていることもあります。
そのため、このようなケースでは独占欲が高まっており、マウンティングをしている最中に、無理に取り上げようとすれば、噛みつかれたりする恐れもあるので、十分注意してください。
以前マウンティングを行った際に、飼い主さんが大騒ぎした経験があったりすると、賢いチワワしっかり覚えていて、飼主に構って欲しいためにわざとマウンティングを行うケースがあります。
このように、本当にワンちゃんがマウンティングを行うには、いろんな原因があるのです。
ワンちゃんは、ストレスが生じたケースにおいて、マウンティングを行うことで、ストレスを発散させていることがあるともされています。
また、単なる楽しい運動として行っており、運動不足の解消に役立っているとされたりもしています。
マウンティングは、本来ワンちゃんが本能で行っている行動ですが、様々なトラブル引き起こす恐れがあります。
マウンティングを行えば、飼い主さんが望んでいないとしても、妊娠をしてしまうケースが生じてしまいます。
これが一番の問題といえます。
特に発情期には要注意、メスはフェロモンを出してオスが寄って来やすいようにしています、またオスも交配のために、普段より生殖能力が高まるとされています。
人間の対人恐怖症と同様に、ワンちゃん同士であっても、「他の犬が怖くなる」ということが起こってしまいます。
つまり、対犬恐怖症になってしまうことがあるわけです。
マウンティングを嫌がるワンちゃんが、無理やり追いかけ回されたりする経験をしてしまうことで、自分以外の犬に対して恐怖心を持ってしまうのです。
ドッグランのように、飼い主さんが守ってあげられないような状況で、起こってしまうケースが多いです。
性的本能が原因でマウンティングを行うケースは、ある面どうしようもありません。
しかし、チワワがマウンティングを行うケースには、いろいろな原因があります。
クッションやおもちゃなどの物に対してや、飼い主さんも対象になってしまうことがあります。
理由については前述しましたが、安易に放置してしまうと、愛犬のマウンティングが癖になってしまうことがあるので注意しなくてはいけません。
ワンちゃんによっては、飼い主さんや家族など人に対してマウンティングを行う子がいます。
理由はいろいろ考えられますが、もしも飼い主さんが下に見られていることから生じているケースでは、主従関係が崩れてしまうため問題となります。
さらに注意したいのが、ワンちゃんにマウンティングされた弾みで、人がケガをする恐れがあることです。
チワワのような小型犬であれば心配無用ですが、ゴールデンレトリバーなどの大型犬にマウンティングされたケースでは、押し倒されたりよろけたりして物にぶつかる恐れがあります。
特に子どもや高齢者であればリスクが高まります。
それこそ高齢者の場合、柴犬などの中型犬であっても油断禁物です。
思った以上に強い衝撃が生じるため危険です。
また、他の人にケガをさせてしまえば、思わぬトラブルに発展してしまう可能性もあり得ます。
これはオス犬特有のトラブルといえます。
オスがマウンティグして興奮状態に陥ると、赤い性器が露出してしまい、しばらくの間元に戻りません。
特にぬいぐるみやクッションなどでマウンティグしてしまうケースでは、性器が傷ついたり、傷口から菌が入り化膿するケースもあるので注意が必要です。
無暗に愛犬がマウンティングしてしまう癖を身につけていると、望まない妊娠が生じてしまったり、また、他の犬とのケンカのリスクも高まってしまいます。
さらに、外で愛犬がマウンティングをすると恥ずかしいため、止めさせたいと単純に考える飼い主さんが多いものです。
チワワが飼い主さんに対してマウンティングをしたケースでは、決して大声を出したりして騒がないことが大切です。
特に高いトーンの声を発するのはダメですね。
飼い主さんが「キャーキャー」と騒いでしまうと、チワワは飼い主さんが喜んでくれていると感じてしまい、ますますマウンティングに熱が入って癖になっていきます。
チワワがマウンティングをしてきたら、サッとその場を離れてしまうのが一番です。
そして、数分の間無視を続けてください。
大好きな飼い主さんから無視されるのは、チワワにとってはとても辛いことです。
ここで大切ことは、チワワに「飼い主さんにマウンティングすれば無視されるんだ」ということを学習させ覚えさせることです。
離れても追いかけてくるなど、チワワの興奮状態が激しいときは、一度ケージやハウスに戻してクールダウンさせてみるのもおすすめです。
時間が経ったら普通に接してあげてくださいね。
時間はかかるかもしれませんが、しつけがきちんとできているワンちゃんであれば、効果がしっかり現れます。
根気よく頑張って続けみましょう。
なお、家族全員で一致団結して、チワワがマウンティングしてきたら無視して相手にしないというルールーをしっかり守って協力することが大切です。
だれか一人でもマウンティングを許してしまえば台無しです。
マウンティングの対象になりやすいとされる、ぬいぐるみやクッションを撤去しておくのもおすすめです。
すでに愛犬が、ぬいぐるみやクッションにマウンティングをしているケースでは、少しずつ急いで片付けてしまいましょう。
チワワがお気に入りのものをすべて撤去してしまうのは、可哀そうと感じる飼い主さんも多そうですね。
確かにお気に入りのものが、一度に全て無くなってしまえば、チワワがストレスを感じてしまうケースがあります。
そのため、チワワの様子を観察して、マウンティングの回数や状態をチェックしながら、よくマウンティングに使用しているものを順番に減らしていくように心がていきましょう。
去勢手術や避妊手術を行うことは、それなりの効果が期待できます。
これらの手術は、マウンティング防止のみならず、高齢犬になったケースでの泌尿器系の病気にかかるリスクを減少するなどの効果もあります。
ただし、去勢手術も避妊手術も無暗に行うのではなく、ちゃんと適した月齢やタイミングがあるので、それに従って早めに受けておくと安全で安心できます。
なお、去勢・避妊手術を愛犬が行った場合でも、マウンティングが100%なくなることはないと認識しておきましょう。
性的な意味での原因効果は期待できますが、紹介してきたようにマウンティングには、それ以外の要因もあるため、手術をすればすべて解決とは行かないわけです。
リードがついている状態で、愛犬が他のワンちゃんにマウンティングを始めてしまったケースでは、素早くリードを活用して、引いて止めることが必要となります。
マウンティング癖が見られるワンちゃんの場合、散歩中に他のワンちゃんに遭遇した時には要注意です。
鼻を合わせてワンちゃん同士が挨拶しているような状態でも、決して気を抜いてはいけません。
いつでもすぐにリードを引いて、愛犬を引き離せるように心がけていてください。
リードを上手く使用することは大切です。
なお、リードを使って愛犬を引き離した際には、「だめ!」と騒ぎ立てず低い声で短く言って叱り、しつけを行うようにしましょう。
叱ってしつけるケースでは、その場で叱るというのがしつけの基本だと認識しておきましょう。
あとから叱っても、チワワはなぜ怒られたのか理解できませんよ。