愛犬が妊娠していても、多くの飼い主さんが気づいていないことが多いものです。
したがって、チワワが妊娠した時の兆候や、その際に出る初期症状などをしっかり把握することが大切となります。
また、妊娠時の母犬の注意ポイントや食事の方法について紹介します。
ワンちゃんの発情期は、1年に2回ほどです。
生後7ヶ月頃をすぎると発情期が来て、妊娠可能となります。
通常のワンちゃんの発情周期は6〜8ヶ月であり、季節などはほとんど関係ありません。
発情期の特徴は次の通り。
・陰部が腫れる
・出血などがみられる
最初は出血量が少量であるケースが多く、チワワたちワンちゃんは、自分で血を舐めてしまったりするため、ほとんどの飼い主さんが気づかないことが多いようです。
ワンちゃんの交配のタイミングは、発情期に入った後の排卵後2~4日の時期が良いとされています。
犬種によって多少の違いが生じますが、一般的には排卵前後7日間が妊娠可能期間とされています。
なお、メスは生後7ヶ月以降、オスは生後11ヶ月を過ぎた時期から交尾が可能と言われています。
ワンちゃんも人間と同様で、高齢出産はリスクが高まるとされ、1歳半〜6歳ごろまでであれば何とか可能ですが、おすすめ期間は2~4歳となります。
1歳半くらいまでは、まだワンちゃんも成長期のため、この年齢より若すぎると自分の成長の栄養を子供に回してしまうためよくありません。
さらに6歳を過ぎたあたりからワンちゃんも、体力が衰え出し高齢出産となるため難産や死産になりやすく、母体への負担も大きくなってしまいます。
また注意したいのがワンちゃんの場合、犬種によりかなり体の大きさが異なるため、メスよりも体の大きな犬種のオスと交配してしまうと、自然と赤ちゃんが大きくなる傾向が生じ、難産になりやすくなりリスクが高まります。
このため、同じかメスより小さいオスと交配することで、難産になるリスクを抑えることができます。
チワワたちワンちゃんの妊娠期間は、交配日から58~63日程度(9週間)です。
人間と比較すればかなり短い期間となります。
なお、交尾が行われ無事に精子が卵子にたどり着き受精(じゅせい)が完了したとしても、受精卵が母胎の胎盤に着床して安定するまでに、更に3週間かかりこの期間が流産しやすい不安定な期間となり要注意なのです。
したがってこの期間は他の犬とは引き離して、激しい遊びをしてしまわないように配慮することが肝心となります。
また、激しく走ったり、ジャンプするなどの運動は厳禁です。
さらに、お腹を地面にこするような動きはNGのため、狭い場所をくぐるようなことはさせないように配慮してください。
入浴も滑って転ぶリスクがあるため十分な注意を払い、なるべく控えるようにするのがおすすめです。
妊娠の確認は、排卵後25日頃に触診によって行うのが一般的ですが、妊娠傾向が見えた場合には超音波検査を行えば確実です。
また、50~55日頃になれば胎子の骨格がはっきりするので、レントゲン検査を行っておくのがおすすめです。
なお、チワワたちワンちゃんの妊娠期間の場合、9週を3週ずつに区分けて、おおむね以下の「妊娠前期(初期)」「妊娠中期」「妊娠後期」の3期に分けます。
妊娠前期(初期:約3週間)
妊娠1〜3週間の妊娠前期には、つわりなどの兆候がでてきます。
よく起こる特徴は、今までとは全く違う食材に好みが変わってしまう味覚の変化や、食欲の不振が起こります。
また、嘔吐などのつわりの症状も見られます。
チワワたち小型犬において、後この時期で注意したいのが「子宮ヘルニア」の発症です。
下腹部をよく観察して、子宮が皮下に飛び出していないかチェックしておきましょう。
妊娠中期(中期:約3週間)
妊娠4〜6週間の妊娠中期の特徴としては、乳腺が5週目ころから張り出してきます。
また、6週目になればかなりお腹も膨らんできます。
食欲が妊娠5週目の35日目ころから回復し出すことが多く、赤ちゃんが背丁し成長を始める40日目以降は体重が増え続けます。
この段階での注意点は、外陰部から半透明の粘液のおりものが出ている場合、悪臭がしないか、また赤黒い色がついていたら子宮捻転による流産の疑いがあるため要注意です。
すぐにかかりつけの獣医さんに相談してください。
なお、妊娠中期になれば安定期に入るため、軽い運動やシャンプーをしても大丈夫です。
ただし、まだまだ精神的に不安定なワンちゃんが多く、元気がないこともしばしばで、寝ている時間が多くなったりします。
妊娠後期(後期:約3週間)
妊娠7~9週間の妊娠後期の特徴としては、8週ごろからお腹を触ると胎児の胎動を感じることができるようになることです。
見事に、乳腺・お腹ともにパンパンに張っています。
妊娠45~55日頃に、突然流産することがあり要注意です。
これは、母犬がブルセラ・キャニスに感染している場合です。
なおこの場合、母犬は流産後も1~6週間くらい保菌状態になっているため、おりもの、尿、乳汁などを処置する際には、ゴム手袋とマスクの着用が必要となります。
しっかり獣医師さんに、対処法の指示を受けてください。
妊娠8週目になれば、レントゲン検査で赤ちゃんの大きさや数、母犬の骨盤の状態などが確認できます。
チワワは交配から着床するまでに約3週間かかります。
このため、交配後3週目あたりから、次のような妊娠の兆候が見られないか確認しましょう。
・食欲がなくなる。
・好みが変わり、いつものフードを食べず、違ったものを食べたりする。
・嘔吐がみられる。
・おっぱいが膨らみ、また、赤くなる。
・そわそわして、落ち着きが無くなる。
・体重が増加する。
当然妊娠の兆候には個体差がありますが、上記のような兆候が多くの場合確認できます。
実はワンちゃんにも驚きですが、人間でよく言う想像妊娠の場合もあります。
何と実際の妊娠の兆候と同じように、おっぱいが膨れたり、母乳がでる事もあるそうです。
妊娠3週目頃になれば、お腹の中の胎児の心音を確認することができます。
妊娠4週目以降になれば、明確に妊娠が確認できるため、交配後30日待ってから、妊娠兆候が生じていれば、動物病院で一度検査してもらいましょう。
特に今までのご飯と変える必要はありません。
ただし、多くのケースで妊娠初期は、食欲が低下することがあり、ドッグフードなどを食べなくなる事が生じます。
そのようなケースでは、とにかくチワワが好きな物を与えて食べさせてあげることが肝心となります。
食事もこまめに回数を増やして分けてあげましょう。
おすすめは、食欲が出やすいウェットフードを混ぜてあげることなどです。
つわりも落ち着き、食欲が戻ってきます。
この時期から、赤ちゃんへの栄養もどんどん必要になっていきます。
そのため、高カロリーの妊娠用ドッグフードへ替えていく必要が生じます。
ただし、食べ慣れたいつものドッグフードから、いきなり異なるフードに変えてしまうと食べてもらえなかったり、また、お腹の調子を壊す場合もあるため、少しずつ加えて量を増やしてあげましょう。
ドッグフードを変えるとなかなか食べてくれないケースも多いものです。
そのようなケースでは、無理せず食べ慣れたいつものフードの20~30%増しのイメージで結構です。
また、肥満気味のワンちゃんの場合、あまり増量させても難産のリスクが高まるので注意が必要です。
妊娠後期になると、一度の食事でたくさんの量が食べられなくなります。
これは、お腹が大きくなって胃を圧迫するためです。
このため、食事の回数を増やし、1日に3~4回に分けて少量ずつ与えるようにしましょう。
できるだけ消化の良い食べ物を選び、少量でも高カロリーな食材を与えてあげるようにしてあげましょう。