チワワたちワンちゃんの混合ワクチン接種の頻度は、毎年必要なのでしょうか?
日本で義務があるのは、毎年1回の狂犬病予防注射接種です。
子犬で購入したチワワには、ワクチンを直ぐに打ってあげないとダメで散歩にすら行けないと、飼い主さんであれば誰しも思うところでしょう。
しかし実際のところ日本においては、愛犬の混合ワクチン接種は自由選択であり、あくまでも任意なのです。
そのため、日本でのワンちゃんの混合ワクチンの接種率は、20%くらいの程度なのだそうです。
通常のイメージとしては、ワンちゃんに対する混合ワクチン接種は「絶対に受けなければならないもの」と認識している飼い主さんが多いように感じられ、この20%という数字は低くて少し意外に感じました。
ただし近年では、「毎年、混合ワクチンを接種する」という考え方には疑問や議論が唱えられることも増えてきており、見直しが進められてきているのです。
あなたが、毎年混合ワクチンを接種するべきと考える理由は何故でしょうか。
多分、動物病院から毎年ハガキが届き、1年に1回接種するように勧められるからではないでしょうか。
確かに本などを調べてみても、毎年1回接種するのがおすすめと書いてあることが多いですね。
何か真剣に考えてみても、毎年混合ワクチンを愛犬に接種するべきかどうかという問題は、結構奥が深そうですね。
今回はこの疑問に答えながら、ワクチンを接種の種類や回数、値段などについても紹介します。
生まれた瞬間のチワワの子犬には、直ぐに慌ててワクチンを打つ必要はありません。
その理由は、「移行免疫」と言って、生まれたばかりの時期の子犬は、お母さん犬からしっかり免疫をもらっているために、成犬と同様の免疫力が子犬にあるからです。
しかしこの移行免疫は、生後60日から150日の間に消えてなくなってしまうという特徴があります。
だから効果が消えてしまう前の、生後60日前後くらいの間の時期に、ワクチン接種をする必要があるのです。
ワンちゃんに混合ワクチン接種を打つ意味は、感染症を予防するためです。
無毒化または毒性を弱めた病原体(ワクチン)を摂取することで、体内に「抗体」を作るのです。
抗体ができることで、ウイルスに対抗する準備が整い、原体に感染したとしても症状を軽くすることが可能となるわけです。
今現在正直なところ、様々な意見があります。
日本のイメージは「毎年接種する」という習慣が浸透しているように感じられます。
しかし、子犬の時期の最初に打っても、その後打たないでいるケースも案外多いのが実態のようです。
これは、アレルギー反応が出てしまったケースもあるでしょうし、最大の理由は任意だからでしょう。
結構費用もかかりますから、愛犬が丈夫でいるとつい問題なく思えてしまうことが多いようです。
この事実は、混合ワクチン接種率の20%が表しています。
ただし、ペットホテルやドッグランなどを利用する際においては、「1年以内の期間におけう混合ワクチン接種証明書」の提示が必要となることが殆どです。
最近はこれも問題視されているようですが、日本国内ではこのような事実を見ても、犬の混合ワクチンを毎年打つべきと奨励しているように感じられます。
例えば、世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドラインを見てみると「コアワクチンについては子犬期の初年度接種及びブースター接種を終えた後、3年毎よりも短い間隔で接種するべきではない」と明記されています。
コアワクチンとは、重度の致死的な世界中で認められる感染から守るワクチンのことを意味しています。
コアワクチンは、免疫持続期間が何年にも持続するケースがあり、混合ワクチン接種を愛犬に行うことは、副作用などのリスクが伴うことも事実なため、不必要にワクチンを接種するべきではないとの考えに基づいています。
・1回目:生後2ヶ月
・2回目:生後3ヶ月
・3回目:1年後
・その後は3年に1回(ただし、抗体ができにくい子は抗体検査を行い、抗体がなくなっている場合は追加接種)
予防接種は、高齢になれば控えた方が良いため、10歳以上になれば止めておきましょう。
なお、ワクチン接種直後から30分ほどは、副作用に備えて病院付近で待機して様子を見ていてください。
ワクチン接種から24時間経過後までは、過激な運動やシャンプーなどは避けておきましょう。
主な副作用は、ワクチン注射をした部位が腫れたり、痛みや脱毛が生じます。
また、微熱、食欲不振、リンパ節の腫れなどに注意を払い、要注意の副反応には、アナフィラキシーショックがあります。
料金は接種する病院にもよりますが、目安は次の通りです。
3種混合ワクチン:4,000円~5,000円
6種混合ワクチン:4,500円~8,000円
9種混合ワクチン:5,000円~10,000円
通常であれば、1種のワクチンを打つためには1,000円~2,000円程度の費用がかかると認識しておきましょう。
病院によって結構値段の差が生じますが、大事なのは値段よりもワクチンの内容だと理解してください。
・犬ジステンパーウイルス
・犬パルボウイルス感染症
・犬アデノウイルス1型(伝染性肝炎)
・犬アデノウイルス2型感染症
・犬パラインフルエンザウイルス感染症
「5種混合ワクチン」が最も一般的であり、「コアワクチン」が全て含まれています。
ちなみに、2種混合ワクチンは、「犬ジステンパーウイルス」と「犬パルボウイルス感染症」の2つとなります。
6種混合ワクチンの場合、先ほどの5種混合ワクチンに「犬コロナウイルス感染症」をプラスします。
成犬になっていれば、コロナウイルスに感染してもほぼ無症状となります。
問題は子犬で重篤化しやすく、犬パルボウイルス感染症との混合感染した場合が要注意であり、最悪死に至ることもあります。
8種混合ワクチンは、さらに、犬レプトスピラ症のイクテロヘモラジーとカニコーラの2種を追加します。
犬の混合ワクチン接種について、種類や回数、値段について簡単に紹介しました。
チワワにワクチン接種は毎年必要なのかは難しい判断となります。
最近はワンちゃんへの体の負担も大きいので、効果が継続していれば毎年は打たない方が良いという考え方が主流になってきています。
しかし、抗体検査は、安くても1種類のウイルスに対し5,000円程度かかってしまいます。
これに対して仮に9種混合ワクチンを打ったとしても、高くても10,000円あればOKです。
このため値段だけ考えれば、混合ワクチンを打った方がはるかにお得となるわけです。
なお、効果が切れているのにワクチンを打たないのは、本来NGです。
しかし周りを見回してみても、結構継続してワクチンを打っていないケースが多いものです。
ワクチン接種率が20%ということは、100匹のワンちゃんがいればそのうち80匹はワクチン接種をしていない愛犬という計算になります。
それでも、8割の愛犬が常に病気で苦しんでいることはありません。
しかし、現代の考え方は、毎年までは必要がないとしても、3年に1回は打つべきだとしています。
ただし、先ほどの8割のワンちゃんのうちで、元気なワンちゃんは、たまたま感染しなかっただけということを忘れてはいけません。
もしもあなたの愛犬が感染して抗体を持っていなければ、重篤化してしまう確率がはね上がるわけです。
さらに、予防接種を受けていないということは、あなたの愛犬だけの問題ではなく、ペットホテルやドッグラン、トリミングサロンなどに行ったケースで、予防接種を受けていないあなたの愛犬が病気を持ち込む可能性があるのです。
また反対のケースを考えてください。
病気を持ち込んだワンちゃんがいたとしても、あなたの愛犬がワクチン接種していれば、感染症を封じ込め、さらなる感染の広がりを食い止める効果もあるのです。
これは有名な理論であり、ある集団内において、一定の割合で予防接種が行われていれば、仮に病原体がその集団内に入ったとしても、予防接種されている病原体であれば、かなりの確率で流行は抑えて防止することが可能となるのです。
これにより世界的な感染の流行となるパンデミックも起こらないとされています。
このように予防接種を受けないといことは、単に個人レベルのみの問題ではなく、他の全てのワンちゃんたちへの影響も生じる問題なのです。