ワンちゃんの臭覚が優れていることは周知の事実だが、本当にチワワたちワンちゃんの鼻の良さは凄いの一言。
今回は、とにかくチワワの臭覚の凄さにビックリしてみよう。
はたしてチワワは、人間の何倍くらい嗅覚が優れているのでしょうかねぇ。
驚きの数字が飛び出しますよ。
また、ワンちゃんたちは、嗅覚の良さを生かした様々な仕事をしてくれています。
チワワたちワンちゃんのマズルの形は、3種類に分けることができます。
実は、このマズルの形で、臭覚の良さが異なるのです。
マズルの形の3種類とは、マズルが長い長頭、そして長頭と短頭の間の長さの中頭、最後がマズルが短い鼻ぺちゃの短頭種となります。
さて一体どの種類が鼻がいいとあなたは思いますか?
これは何となく想像可能ですね。
答えは、マズルが長い犬種ほど臭覚がすぐれています。
どうですか?多分、正解だったのではないでしょうか。
理由は単純で、マズルが長い方がニオイを吸収することが出来る、嗅上皮(きゅうじょうひ)とよばれる細胞層の面積が広いためのようです。
人間であればこの嗅上皮の面積が、7平方センチメートルくらいまでだそうで、せいぜい10円玉程度までの大きさなのです。
それに比べてワンちゃんは、人間の約50倍以上もあり、最大390平方センチメートルくらいとなります。
同じくお金に例えれば、1,000円札程度の大きさとなります。
この事実からだけでも、チワワの臭覚が人間を遥かに上回ることが分かりますね。
「長頭犬」
・グレイハウンド
・ボルゾイ
・ジャーマンシェパード
「中頭犬」
・チワワ
・柴犬
・コーギー
・ラブラドール・レトリバー
「短頭犬」
・パグ
・ボストンテリア
・ブルドッグ
長頭犬こそが、ワンちゃんたちの中でも、最も臭覚が優れるスペシャリスト犬といえます。
ちなみに、あなたは犬界ナンバーワンの嗅覚を誇るワンちゃんは誰だと思いますか?
ヒントは、長頭犬ということになりますね。
答えは、「ブラッドハウンド」ですよ。
中頭犬が最も一般的なタイプで、とにかく多種多様な犬種がいてチワワもこのタイプに含まれます。
鼻ペチャ犬種の短頭犬は、そのマズルの短さから結構影響を受けてしまいます。
まず単純に呼吸がしずらい。
これは鼻が寸詰まり状態となっているからで、そのため決まってよくいびきをかいてしまいます。
さらに、呼吸による体温調整が苦手なのも特徴。
だから夏場の熱中症には、特に注意が必要な犬種といえます。
また、受け口であり、だらしなく長すぎる舌を垂らしていることが多いのも特徴の一つです。
簡単にチワワは人間の何倍臭覚がいいとは言えず、答えは1000倍~1億倍も優れていると、めちゃくちゃ幅のある回答となります。
これはワンちゃんが、嗅ぎ分ける匂いの種類によって、得意と不得意があるためなのです。
人間とチワワのニオイ別での嗅覚能力を比較
・ニンニク臭:2,000倍
・スミレの花臭:3,000倍
・腐敗バター臭:80万倍
・酢酸臭:100万倍
・酸臭:1億倍
ワンちゃんにとって生活に直結しなかった植物などのニオイは、問題にならないため鈍感な不得意分野の匂いとなるようです。
鋭く発達したのが、ハントすべき獲物の動物の発する匂いに対してです。
だから肉や脂のニオイである酸臭に対して、ワンちゃんは人間の1億倍と一番力を発揮するのです。
しかし1億倍と言われても想像がつきませんね。
よく警察犬などは、犯人の足跡の匂いから追跡調査を行っています。
あれは犬がニオイを階層分け出来る能力があるためです。
いらない匂いを遮断し、目的の匂いのみを探すことができるのです。
例えば、チワワにカレーライスやシチューなどのニオイを嗅がせば、ごちゃ混ぜ食材の個々のニオイまでわかちゃうから、これには玉ねぎ、人参、じゃがいも、トマト、そして隠し味で醤油を
入れてるななんて具合に入っている物がすべてばれてしまいます。
一発で秘伝のレシピの味が見抜かれてしまうわけです。
だからチワワに内緒でこっそり焼肉などを食べてきても、バレバレなんでしょうね。
チワワが人間より遥かに臭覚に優れることは分かりましたが、他の動物と比較した場合どうなのでしょか?
東京大学の東原和成教授は、匂いに関する研究をされており、その一つの研究として、動物の嗅覚についても研究を行っています。
動物が匂いを嗅ぎ分ける能力の違いは、鼻の奥にある嗅覚受容体の個数によるそうです。
人間の場合、その嗅覚受容体は400個ぐらいあって、何と1万以上の匂いを識別できるそうです。
ワンちゃんとなると800個で倍になるそうです。
さすがと思ったのですが、牛やラットは何と1,200個の嗅覚受容体を持っているとのこと。
上には上がいるなと驚いた次第なのですが、実はもっと凄い化け物級の動物が存在しました。
それがアフリカ象で、衝撃の嗅覚受容体の個数が2,000個だそうです。
はたして何故アフリカ象が、それほどニオイを嗅ぎ分ける能力が高まったのか謎です。
一説によると、外敵から身を守るためとも言われています。
はたして像のような体の大きな動物に天敵などいるのかと思いますが、何と天敵は人間のマサイ族だそうです。
マサイ族は「ゾウ狩り」をするのです。
野生のアフリカ象は、数キロも離れた場所から匂いだけでマサイ族の存在を見抜いてしまうそうですよ。
このようにマサイ族の存在を察知すれば、アフリカ象はさっさと逃げだすそうですが、面白いことにこれが、カンバ族であれば平気なのだそうです。
理由は、カンバ族は農耕民族なので、ゾウ狩りをしないからなのだそうだ。
何と驚くことにアフリカ象は、ニオイから民族の違いまで見抜いてしまっていたのです。
ワンちゃんのニオイの嗅ぎ方は大別して2種類あります。
鼻を近づけてクンクン匂いを嗅ぐ以外に、他に嗅ぎ方なんてあるのと思いますよね。
その2種類とは次の通りです。
1. 鼻をニオイがする物に近づけて嗅ぐ。
2. 鼻を上げたままの状態で、空気中に漂うニオイを嗅ぐ。
犬種によってこのようにニオイの嗅ぎ方が異なるそうです。
でもこれは、その犬種にどんな仕事をさせるか考え、改良された賜物ともされています。
鼻を上げて空を見上げながら、空気中のニオイを嗅ぎ取るのは狩猟犬たちです。
ポインターやセッターなどの狩猟犬たちは、獲物などを追跡するために、空気中のニオイを嗅ぎ取る必要から、このような嗅ぎ方をするようになったとされています。
このようにワンちゃんは、自分の仕事のために、ニオイの嗅ぎ方までも変えているわけです。
このように忠犬なワンちゃんたちは、いろんな職場で臭覚という特技を生かして活躍してくれています。
ワンちゃんたちは、その優れた臭覚を生かして、様々な仕事をこなしてくれていますよ。
こんな仕事まであるのと、びっくり仰天すること請け合い。
ワンちゃんたちの活躍の様子を見ていきましょう。
最もポピュラーなイメージが警察犬でしょう。
犯人のニオイを嗅いで匂いを覚えて、犯人を追及・追跡します。
人間の足の裏からは、微量な有機物質が揮発されています。
そしてビックリ、靴底を通した形で、地面に付着するんだって。
それこそ本当に微量なニオイなんだろうけど、このニオイがワンちゃんは嗅ぎ分けられるのです。
紹介したように、足跡追及活動のイメージが高いでしょうが、実際は容疑者が判明したときなどに、容疑者の臭いを嗅ぎわけ調べたり、犯人の遺留品を嗅ぎ分ける活動も多いです。
また、迷子や行方不明者の捜索活動も行っています。
麻薬探知犬も有名ですね。
空港や港などで密輸入される、麻薬類のわずかな匂いを嗅ぎ分けて見つけ出してくれます。
昭和54年に成田空港に、2頭のワンちゃんが配置されたのが始まりとされています。
麻薬探知犬には主に、アクティブドッグとパッシブドッグの2種類がいます。
日本ではアグレッシブドッグが使用されています。
アクティブドッグは、麻薬のニオイを嗅ぎ分け見つけると、吠えたり、引っかいたりして知らせます。
一方パッシブドッグは、麻薬のニオイがするとその場でお座りをして知らせてくれます。
訓練により、嗅覚で銃器を発見する能力を身につけたワンちゃん。
2009年4月より、成田空港の税関で活躍しており、銃器の密輸を水際で食い止めています。
訓練により、嗅覚で爆発物を探知する能力を身につけたワンちゃん。
爆発物探知犬は単独で存在するわけではなく、大抵は警察犬や麻薬探知犬を、爆発物マーカーを嗅ぎ分けて発見するように訓練しています。
放火探知犬は火事の現場などで活躍。
主としてガソリンや灯油の臭いを嗅ぎ分けることで、放火である可能性を判断しています。
ガン探知犬なんて聞いて、ビックリしている方もいることでしょう。
私もここまできたかと驚きましたからね。
ワンちゃんが、皮膚ガンを見つけたという事例報告が、海外でたくさんされています。
トリュフを探す動物としては、メスブタが有名。
これは、オスブタの発するフェロモンと似た臭いが、トリュフに含まれているからなのです。
「トリュフ(キノコの一種)」は、世界三代珍味の一つとされ、黒トリュフと白トリュフがあります。
高級食材とされる理由は、人工栽培ができないからであり、従って自然界に生えているトリュフを人間だけではなかなか見つけられないために、ワンちゃんを訓練して見つけているのです。
ボーダー・コリーが、トリュフ犬に向いている犬種として一番人気みたいです。
その他の人気犬種は、トイ・プードルやラブラドール・レトリーバーなどです。
実は、一般にはあまり知られていませんが、別名「トリュフ・ドッグ(Truffle Dog)」の名が付くほど、トリュフ探しに最適な名人犬がいるのですよ。
このワンちゃんを知っている方は、かなりの犬好きですね。
このワンちゃんとは、「ロマーニョ・ウォーター・ドッグ」です。
何と一度は絶滅の危機に瀕した犬種なのですが、持ち前の鼻の良さを生かして、最近ではトリュフ犬としてだけでなく、麻薬探知犬や警察犬としても頑張って活躍しています。
遺体探知犬は、主に人間の遺体を発見するように特別に訓練されたワンちゃん。
天災による被災地の現場では、遺体を発見する際に動員され、とくにアメリカなどで力を発揮しています。
残念ながらまだ日本では未導入みたいですが、アメリカでは活躍中なのだそうです。
シロアリ自体が出すフェロモンなどを嗅ぎ分けて、発見するそうです。