ワンちゃんは臭覚の次に聴覚が凄い。
ウチのチワワのビビも、寝ている時にちょっとうっかり物音を立ててしまうと、目ざとくパチリと目を開きます。
おいおいどこまで耳がいいんだと思っちゃいますね。
寝ていたビビが目ざとく顔をあげて、ドアの方を向いた合図が、大概おかんが仕事から帰ってきた証拠。
外を走る車のタイヤの音からして、もう逃さずチェックしているからまさに脱帽。
ビビがワンワンと吠えれば、決まって玄関のチャイムが遅れてピンポーンとなります。
お客が来るわけです。
ワンちゃんはちゃんと、飼い主の足音と他人の足音を聞き分けることができるといいますが、確かに家族が帰ってきた時には鳴きませんから大したものです。
こんな具合にとにかく、ワンちゃんの耳はいいのである。
しかし私が気になっているのは、客が来たチャイムに吠えること。
不思議に結構その後はおとなしくなるので、客が来たよと教えてくれているようにも感じますが、本来自分がリーダーと感じていなければチャイムの音で吠えないといいますね。
侵入者である客に吠えるのは、飼い主を下に見て、自分がリーダーとして守ろうとするからだといいますからね。
はたして主従関係がまだ未熟なのか?
でもウチのビビは、玄関に客が入ってくれば、もう鳴きません。
ちょっと疑問が残るのですが、我が家のワンちゃんはこんな現状です。
さて今回は、はたしてチワワは人間の何倍くら聴覚がいいのか?
また、聞き取れる周波数は何ヘルツくらいなのでしょうか?
このような、ワンちゃんを飼っていると誰もが自然に抱いてしまう疑問について、紹介してみましょう。
ワンちゃんたちは本当に聴覚が優れています。
ふと疑問に感じたのが、ワンコの立ち耳と垂れ耳では、聴覚に差が生じるのかなということ。
垂れ耳のワンちゃんは、嗅覚を鋭敏化するために余計な音をシャットアウトする趣旨で品種改良されてきた犬種と言われています。
その趣旨からいえば、当然聴覚に差が生じると思いきや、実は実験結果では、聴力に大きな差が認めらないとされていますよ。
さて今回、そこから発想を飛ばして、ワンちゃんたちの耳の形を調べてみました。
何とちょっと調べてみたら、13種もの耳の形が発見できましたよ。
立ち耳や垂れ耳のワンちゃんたちも細かく分けちゃいますよ。
ワンコ好きの飼い主さんならば、ちょっと興味を引くかもね。
1. プリックイヤー(prick ear)(スタンダード)
これが「立ち耳」と呼ばれる耳。
Prickとは、英語の意味で「とがったもの」ですが、ワンちゃんのプリックイヤーは、実際には先端は丸かったりとがっていたり様々で、直立していることが条件。
主な犬種は次の通り。
・ジャーマンシェパード
・シベリアンハスキー
・柴犬
・ポメラニアン
・オーストラリアン・キャトルドッグ
・スコッティッシュ・テリア
2.キャンドルフレームイヤー(candle flame ear)(ろうそく耳)
立ち耳の中でも特に先端がとがっている耳。
ろうそくの炎のような形をしているとして、このように呼ばれます。
基本断耳をして作ったものは呼ばれません。
主な犬種は次の通り。
・ミニチュアピンシャー
・ドーベルマン
・トイ・マンチェスター・テリア
3.ラウンドティップドイヤー(roun- tipped ear)
立ち耳のなかでも先端が丸みを帯びて丸くなっている耳。
主な犬種は次の通り。
・フレンチブルドッグ(チューリップイヤーと呼ばれたりもする)
4.バットイヤー(bat ear)(こうもり耳)
形状的にはラウンドティップドイヤーと同じ。
しかし、ちょうど見た目がコウモリ(bat)の羽のようで、顔の大きさに比べて耳が大きく、耳の付け根の幅・間隔が広く、前に向いているケースでは、特別にこのように呼ばれています。
我がチワワちゃんは、バットイヤーに当たります。
主な犬種は次の通り。
・チワワ
・ウェルシュコーギー
5.フーデドイヤー(hooded ear)
フードをかぶったように見える形をした耳。
耳全体が丸みを帯びています。
また、内側にカーブしている点が特徴。
主な犬種は次の通り。
・バセンジー
ちなみに、バセンジーは吠えないお利巧な犬とされ、さらにまるでニャンコのように自分で毛づくろいして掃除し、そのため体臭も少なく欧米では「人類にとって理想の犬」といわれ、愛犬家を魅了していますよ。
6.コックドイヤー(cocked ear)(半立ち耳)
プリックイヤーとボタンイヤーのちょうど中間の耳の形で、耳の先だけ途中で折れて曲がっていて、セミクロップイヤーとも呼ばれるケースがあります。
主な犬種は次の通り。
・コリー
・シェットランドシープドッグ(シェルティー)
7.ボタンイヤー(button ear)
コックドイヤー(半立ち耳)とドロップイヤー(垂れ耳)の中間くらいの耳で、見た目は耳の根元は立ち上がっていますが、V字型に耳の先端が前の方に向かって折れており、注意してさらに
よく見ると、耳が前方に垂れて耳の穴を隠している形状ですが、実際は垂れ耳のように完全に穴をシャットアウトして密閉してはいない状態です。
主な犬種は次の通り。
・ジャックラッセルテリア
・フォックステリア
8.ローズイヤー(rose ear)
垂れさがった部分が、やや後方にねじれて巻き込まれたもので、耳の中が見える形。
バラの花に似た形に、耳たぶが重なって見えます。
主な犬種は次の通り。
・パグ
・ウィペット
・ブルドッグ
・グレイハウンド
9.ドロップイヤー(drop ear)(たれみみ)
頭の横に耳が垂れ下がった形の耳で、大きなたれ耳はペンダント耳と言われ、付け根から垂れ下がっています。
ワンちゃんは本来はみんな、生まれた直後はみんな垂れ耳。
そして、成長するに従って徐々にそのワンちゃん本来の耳の形へと変化していくのです。
主な犬種は次の通り。
・バセットハウンド
・ダックスフンド
・トイプードル
・ビーグル
・ラブラドール・レトリバー
10.フォールデドイヤー(folded ear)
耳が垂れているものの、根元付近は若干立ち上がりっており、やや外側に広がった状態の耳。
主な犬種は次の通り。
・キャバリア・キング・チャールズスパニエル
11.Vシェイプイヤー(V-shaped ear)
まさしく、その名の文字通り「V」字型をした耳であり、正面から見た時に、折りたたまれた耳の外縁の形が、アルファベットの「V」に見えるような耳。
主な犬種は次の通り。
・ブルマスティフ
・ヴィズラ
・ワイマラナ―
・ブルマスティフ
12.フィルバートシェイプイヤー(Filbert-shaped ear)
フィルバートナッツのような形をした耳。
この名称は、ベドリントンテリアでのみ使用。
特徴的なベドリントンテリア専用の有名なトリミングスタイルであり、耳の下の飾り毛はタッセルと呼ばれます。
13.バタフライイヤー(チョウチョ)
文字通り、チョウチョのような形をした耳。
・パピヨン
ワンちゃんの聴覚は、とりあえずは人間のおよそ4倍と言われています。
ということはつまり、人間が10メートル離れたところで聞くことが出来る音を、チワワは40メートル離れた場所で同様に聞こえるわけですね。
ただこの4倍という数字が怪しくて、諸説や数値に幅があり、どうもはっきりせず、正確な数値は謎といったところです。
この4倍という数字を出した人物とされるのが、オオカミ研究者のW.B.ジョスリン氏。
この4倍という数字を出した実験自体が、そもそも非公式だそうです。
アルゴンキン公園(カナダ)内の囲い地で飼育されている森林オオカミに、彼は6.4キロ離れた地点から、オオカミの遠吠えに真似た声を出すと、オオカミたちがその声に反応して答えたといいます。
そして次に同様の条件下で、1.6km離れた地点から遠吠えを出してみましたが、人間には聞こえなかったそうです。
これはあくまで犬ではなく、人間より4倍遠く離れた地点からの音に「オオカミが反応した」という事例にすぎません。
さらに犬は、すべての音に関して一様に人間よりも聴覚の感度がいいわけではないと考えられており、本来この形で比較すること自体に無理があります。
しかし、この実験結果からオオカミ(および犬)は、人間と比較して4倍ほど耳がよいとする風説が生まれて現在に至っているのです。
ただし、人と犬との聴力の差を調べる実験においては、人が6メートルの離れた距離までしか聞き取れなかった音を、犬は24メートル離れた場所で聞き取ることが出来たとしています。
その結果から、距離の上での聴力比較としては、犬は人間の約4倍もの聴力があると断定できます。
人が聞こえる音の可聴域(かちょういき)は、約20~20,000ヘルツまでの音だとされています。
それに比べてワンちゃんは、約40~65,000ヘルツまでの音を聞き取ることが出来ます。
この数値を見れば、下限はさほど大きく人間とそれほど違いませんが、上限がまったく大きく違います。
ワンちゃんの聴覚が発達した理由は、昔小動物をハントするために、獲物の高い鳴き声を聞き取り、居場所を素早く発見するためだとされています。
ワンちゃんを呼ぶための道具に、犬笛(いぬぶえ)があります。
これは、人間ではまったく聞こえ得ない、超音波(約30,000ヘルツ)を発して犬を呼び戻す道具であり、ワンちゃんの可聴域の広さを応用した道具といえます。
人間には聞こえないから、騒音と感じなくてすむわけです。
犬笛の超音波が、約30,000ヘルツになっているのは、ワンちゃんが反応しやすい音のためです。
よくワンちゃんが、サイレンなどの音に対し反応して、遠吠えを行ったりしています。
これは、サイレンの音は約30,000ヘルツだからであり、実はワンちゃんの遠吠えも約30,000ヘルツなのです。
そもそもワンちゃんが遠吠えする理由は、犬同士のコミュニケーションの手段であり、遠くにいる仲間に自分のいる位置を知らせたり、危険を知らせたりしたわけです。
このように30,000ヘルツが、ワンちゃんにとってのキーポイントのヘルツであったわけです。
ウチは団地なので、一匹のワンちゃんが遠吠えを初めてしまうと、つられて他のワンちゃんたちも、一斉に遠吠えを初めてしまう時がありますよ。
ちなみに、ウチのビビは遠吠えしませんね。
最近はイルカの調教にも、超音波が使用されているそうです。
ウチのチワワのビビは、掃除機の音が大の苦手なのですが、このようにワンちゃんが高い音に対して敏感な聴力を持っているため、人間よりはるかに掃除機などの電気製品が出す高い音に対し、強い不快感を感じてしまう原因となっているわけです。