チワワにちゃんと歯磨きしてあげてますか?
なかなかワンちゃんの歯磨きって難しいものです。
小型犬や短頭種は歯周病の発症リスクが高いといわれており、当然チワワもその分類に含まれます。
歯周病もしくは歯周病予備軍とされるワンちゃんが、3歳以上の成犬のケースにおいては、約8割が該当すると日本では言われているのです。
この事実に目を向けた瞬間に、いかにチワワにしっかり歯磨きをしてあげる必要があるかが、実感として伝わってきます。
チワワは口元をいじられるのを嫌がります。
さらにチワワは世界で一番小さい犬として知られている通り、口も歯も小さいから一層歯磨きがしずらい犬種です。
だからなかなか歯磨きは難敵。
つい歯磨きガムをおやつに与えて、これでおしまいなんて飼い主さんも多いみたい。
今回は、チワワの正しい歯磨きの仕方を紹介。
さらに、嫌がる場合のおすすめケア方法も紹介します。
チワワの歯磨きをするに際して、ワンちゃんの歯の基本構造のイメージをつかんでおきましょう。
人間の歯のイメージを持つと大間違い。
犬と人間では、歯の数も形も大きく異なります。
チワワの歯磨きを行う時に、犬の口の中をイメージして、どこを集中的に磨けばよいのかは知っておきたいところですね。
チワワの大まかな歯の構造は、下に絵を示したので参考にしてみましょう。
口の前から順番に、前歯(門歯)、犬歯、前臼歯、後臼歯の4つとなります。
簡単にそれぞれの歯の特徴を紹介します。
前歯(ぜんし)
前歯の役目は食物を噛み切ること。
全部で12本。(上下各6本)
3~5ヶ月目から永久歯が生える。
犬歯(けんし)
先が鋭くとがり、最も長く大きい歯。
役割は食べ物を固定します。
小動物をハントしていた時には、この犬歯で獲物を捕らえていたわけです。
全部で4本。(上下各2本)
5~7ヶ月目から永久歯が生える。
前臼歯(ぜんきゅうし)
役割は食物を引き裂いたり、固定します。
全部で16本。(上下各8本)
4~6ヶ月目から生える。
後臼歯(こうきゅうし)
役目は食物をすりつぶします。
全部で10本。(上4本・下6本)
5~7ヶ月目から生える。
チワワの歯磨きの頻度は1日1回としてあげましょう。
歯垢が出来てしまうことが歯周病の原因。
そのため、歯垢が出来ないように歯磨きをする必要があります。
歯垢は食後から24時間で形成されてしまいます。
そのため1日1回の歯磨きが必要となります。
このため、チワワの年齢とかは一切関係ありません。
パピーだろうと、シニア犬だろうと、ワンちゃんに必要な歯磨きの回数は、1日に1回です。
いきなりチワワに歯磨きをしようとしても無理です。
歯磨きが可能となるためには、順番があります。
チワワは口元を触られることが苦手で嫌い。
まずは歯磨きのしつけの第一段階として、口元に触るところからスタート。
焦ってはいけません。
徐々に慣らしていきます。
指先で口元を外側から軽くタッチしてあげましょう。
最初は外側から、口周辺の色々な場所を触ることから始めましょう。
いきなり口の中に指を入れようなんて、せっかちな行動は厳禁。
慣れてきたならば、触る時間を少しずつ伸ばして、マズルや口元を意識して触っていきましょう。
外側から軽くタッチしてその後におやつを与えます。
しつけにはおやつの利用が一番有効です。
チワワにお利巧で口元を嫌がらずに触らせてくれれば、いいことが待ってますよと学習させていきます。
チワワが嫌がらずに口元を触られることに慣れたならば、第二段階へ移ります。
次は歯茎を触ります。
口の中に優しく指を入れます。
そして歯茎を軽くタッチ。
お利巧でさせてくれれば、またすかさずおやつです。
要は触っておやつのこのパターンの繰り返しなわけです
なおチワワは体が小さく、少しのおやつのつもりでも、食べ過ぎとなってしまうので、与える量は十分注意してくださいね。
奥歯を磨く際には唇をめくる必要があります。
そのため唇をめくって、その動作にも慣れさせておきましょう。
歯茎が十分露出するまでめくってみましょう。
歯茎や歯に触ったり、唇をめくる動作にチワワが慣れてきたなら、次はガーゼで歯を拭いてあげよう。
ここで歯ブラシを使ってもいいのですが、先ずはガーゼがおすすめです。
ガーゼの歯磨きはあくまで、次に歯ブラシに慣れるための予行練習です。
ガーゼの歯磨きは、残念ながら歯周病の予防のための歯肉溝には上手くアプローチできません。
だから、あくまで歯ブラシでチワワが歯磨きできるための前練習だと認識しましょう。
ガーゼ使用のケースでは、飼い主さんの指の感触が感じられるメリットがあり、チワワが歯ブラシより受け入れやすいです。
なのでまずは、ガーゼでの歯磨きをチワワに学習させましょう。
ガーゼの種類は、破れにくい不織布ガーゼがおすすめです。
ガーゼはしっかり指に巻き付けて、ぬるま湯(水)をたっぷり付けるのがコツ。
最初はゴシゴシこすったりしないように注意しましょう。
優しく軽く歯にタッチです。
前歯から奥歯という順番で磨いていきましょう。
チワワが慣れてくれば、だんだん力を入れてこすっていきましょう。
力を入れてこすり出すと、ガーゼに歯垢が付いて取れてきます。
ガーゼが汚れたケースでは、素早く交換してあげてください。
汚れたガーゼは何度も使うのはNGです。
チワワのように口が小さいワンちゃんの場合は、ガーゼを綿棒に巻きつける形で磨くのも有効でおすすめです。
チワワがガーゼ歯磨きに慣れてきたならば、いよいよ真打の歯ブラシでの歯磨きを行っていきます。
ここでも焦ってはダメ。
まずはチワワに歯ブラシに慣れてもらうことからスタートです。
歯ブラシの臭いをかがせてみましょう。
チワワがどんな反応を示すかチェックしながら、次にはなめさせてみましょう。
第一目標は、歯ブラシに慣れさせることです。
最初は歯ブラシでこすったりなどしません。
口の中に歯ブラシを入れてあげるだけでOKです。
嫌がらずにチワワが口の中に入れれたならば、いつものパターンで褒めてあげておやつですよ。
口の中に入れれるようになったならば、歯ブラシを歯に当ててみましょう。
それこそ最初は1秒でかまいません。
目標はまずは5秒ですね。
とにかく徐々に慣らしていくことが大事です。
なお、歯ブラシを入れていれば、かじってしまうケースもあるでしょう。
でもこれは興味を示しているからOKです。
間違ってもかじったことを怒ったりしてはダメですよ。
歯ブラシは犬用の歯ブラシがあるのでそれを使えば間違いありません。
ちゃんと小型犬用、大型犬用と種類があるので、あなたの愛犬にあった歯ブラシを選んであげてください。
また、子供用(乳児用)の小さな柔らかい歯ブラシでも構いませんよ。
まずは前歯の外側から始めましょう。
ゆっくりやさしく動かしてあげるのがコツ。
前歯は磨きやすいので、さほど問題はないでしょう。
なお歯磨きの態勢ですが、おすすめがあぐらをかいて座り、その上にチワワを仰向けにお腹をむけて寝かせてあげます。
床にあおむけでもいいですが、その場合は硬いフローリングに直接ではなく、痛くないように下にクッションを敷いてあげましょう。
前歯が完了したならば、順番に奥に進めていきます。
チワワの歯磨きのポイントは、歯周病の原因である歯肉溝の歯垢を取ってあげることです。
だから歯の表面と同時に、歯と歯茎の隙間をしっかり磨いてあげることが一番大切です。
その隙間にしっかり歯ブラシを入れてあげましょう。
なお、一番磨きにくい箇所が上の歯の奥です。
汚れが取れにくい箇所なので注意しましょう。
チワワなどの小型犬の場合、磨く場所の優先順位が高いとされる歯は、まずは前歯。
そして第四前臼歯と第一後臼歯と言われています。
当然すべての歯を綺麗に磨いてあげるのが理想ですが、チワワが嫌がってしまい長く磨けないようなケースでは、先ずは今言った優先度が高い歯から磨いてあげましょう。
歯磨き粉を使って歯を磨ければ、一層効果が上がります。
そのため、チワワが普通に歯磨きができるようになった段階で、さらに歯磨き粉にチャレンジしてみましょう。
まずは歯磨き粉の味や感触に慣れる必要があります。
慣らし方は、歯ブラシを慣れさせた方法と同様。
違うのは、歯ブラシの先に歯磨き粉を付けるだけです。
なお歯磨き粉は人間用を使用するのは絶対NG。
ワンちゃんは、キシリトールに中毒反応をしめしてしまいます。
必ず犬用の歯磨き粉を使用してください。
チワワは歯に付けた歯磨き粉をなめとって、だんだん味に慣れていきます。
様子を見ながら大丈夫そうであれば試してみましょう。
ワンちゃんの歯磨きは半数の飼い主さんが挫折して続けられないと言われています。
原因はどうしてもチワワが歯磨きを嫌がってしまったり、そもそも口元を触られることを嫌がるためです。
そのようなケースでは、歯磨き効果を持ったデンタルのおやつなどが有効となります。
犬用のデンタルガムなどを与えてあげれば、歯垢を落とし口臭予防が期待できます。
歯磨きよりは効果がおちますが、歯みがきができないケースでは一番有効な対策となります。
歯磨き効果のあるおやつはたくさんの種類が販売されているので、いろいろ試してみるのがおすすめです。
最近はデンタルフードなども販売されています。
これはそれこそ、フードをチワワが食べるだけで、歯の表面に付着する歯垢や歯石が取れる効果があるフードです。
このような効果を得る理由は2つ。
・フードの形状などの効果で、機械的に歯を磨く効果が得られる。
・フードの成分が口内環境を整え効果を発揮する。
その他にも、チワワの口の中に直接入れてあげるデンタルリンスやマウスクリーナーなんて商品もそろっています。
いろいろ調べて使ってみるのがおすすめです。